「アンナ (マリアの母)」の版間の差分
テンプレートの追加。 |
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 改良版モバイル編集 |
||
(10人の利用者による、間の15版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
⚫ |
|
||
⚫ | '''アンナ'''(Anna)は[[聖母マリア]]の母親。[[正教会]]・[[カトリック教会]]・[[聖公会]]では[[聖人]]として崇敬される。アンナと |
||
{{Infobox 聖人 |
|||
⚫ | [[新約外典]]「ヤコブによる原福音」による伝承では、アンナと夫の[[ヨアキム]]には長く子供が |
||
|名前=聖アンナ |
|||
|画像=StAnne-Faras-MNW-close.jpg |
|||
|画像サイズ=250px |
|||
⚫ | |||
|称号=神の祖母(正教会) |
|||
|他言語表記= |
|||
|生誕地= |
|||
|生誕年(日)= |
|||
|死去地= |
|||
|死去年(日)= |
|||
|崇敬する教派= カトリック教会、正教会、聖公会 |
|||
|記念日= 7月26日(カトリック) |
|||
|列福日= |
|||
|列福場所= |
|||
|列福決定者= |
|||
|列聖日= |
|||
|列聖場所= |
|||
|列聖決定者= |
|||
|主要聖地= |
|||
|象徴= |
|||
|守護対象=[[ケベック州]]、[[ブルターニュ]]、妊娠、不妊、子供のいない夫婦、大工、祖母、主婦<!--<ref>http://shop.thesacredsecret.com/?mode=f88</ref>出典として適切でないのでは--> |
|||
|論争= |
|||
|崇敬対象除外日= |
|||
|崇敬対象除外者= |
|||
}} |
|||
⚫ | '''アンナ'''(Anna)は[[聖母マリア]]の母親。[[正教会]]・[[カトリック教会]]・[[聖公会]]では[[聖人]]として崇敬される。アンナという名前は、[[ヘブライ語]]の名前 Hannah の[[ギリシア語]]表記である。 |
||
⚫ | [[新約外典]]「ヤコブによる原福音」による伝承では、アンナと夫の[[ヨアキム]]には長く子供がなく、二人が老齢となってから初めて子供を授かることを[[天使]]から告げられた。これを受けてアンナは子供を神に捧げることを約束した。アンナとヨアキムは、[[エルサレム神殿]]のお陰でマリアを授かったと信じており、やがて、3歳に達したマリアをエルサレム神殿に奉献した。 |
||
==アンナを巡る伝承と神学== |
==アンナを巡る伝承と神学== |
||
長きに亘って子供を望んでいたアンナ(ハンナ)と |
長きに亘って子供を望んでいたアンナ(ハンナ)という女性が子供を授かったという話は、[[サムエル]]とその母ハンナの話とよく似ている。この話は[[13世紀]]までは[[カトリック教会]]では正式に認められてはいなかったが、[[正教会]]では、既に[[6世紀]]からアンナの宮参りが固く信じられていた{{要出典|date=2007年8月}}。 |
||
西ヨーロッパの[[図像学]]では、アンナは赤い[[ローブ]]緑の[[マント]]を身に着け、しばしば書物を抱えた姿で描かれる。また、幼いイエスを抱くマリアを抱いたアンナの姿を描いたものもしばしば見られる。この様子は[[三位一体]]を表しており、しばしば一対で作られる。 |
西ヨーロッパの[[図像学]]では、アンナは赤い[[ローブ]]緑の[[マント]]を身に着け、しばしば書物を抱えた姿で描かれる。また、幼いイエスを抱くマリアを抱いたアンナの姿を描いたものもしばしば見られる。この様子は[[三位一体]]を表しており、しばしば一対で作られる。 |
||
後世の[[神学者]]は、ヨアキムがアンナの唯一の結婚相手であったか、またはアンナは3回結婚したかのどちらかであると信じている。[[ダマスカスのヨアンネス]]の説教を受けた古代の人々は、アンナはただ一度だけ結婚したと信じていた。中世後期の頃の西ヨーロッパでは、アンナは、1度目はヨアキム、2度目はクロパ、そして3度目はソロモンという男性と3度結婚し、それぞれとの間にいずれもマリアという名前の(マリア、[[マリア (クロパの妻)|マリア]]、[[サロメ (イエスの弟子)|マリア]])娘を1人ずつ儲けたと |
後世の[[神学者]]は、ヨアキムがアンナの唯一の結婚相手であったか、またはアンナは3回結婚したかのどちらかであると信じている。[[ダマスコのイオアン|ダマスカスのヨアンネス]]の説教を受けた古代の人々は、アンナはただ一度だけ結婚したと信じていた。中世後期の頃の西ヨーロッパでは、アンナは、1度目はヨアキム、2度目はクロパ、そして3度目はソロモンという男性と3度結婚し、それぞれとの間にいずれもマリアという名前の︵マリア、[[マリア (クロパの妻)|マリア]]、[[サロメ (イエスの弟子)|マリア]]︶娘を1人ずつ儲けたという伝承が広まった。しかしこの説は、アンナの夫はヨアキム一人であるという立場を取るカトリック教会によって[[1677年]]に完全否定された。
|
||
4世紀頃と15世紀頃には、アンナは[[処女懐胎]]してマリアを産み落とした |
4世紀頃と15世紀頃には、アンナは[[処女懐胎]]してマリアを産み落としたという信仰が起こった。この説を信じる[[16世紀]]の[[神秘主義者]][[ヴァレンティン・ヴァイゲル]]は、アンナは[[聖霊]]の霊力で懐胎し、マリアを産んだと主張している。この説も1677年にカトリック教会により否定された。
|
||
==崇敬== |
==崇敬== |
||
アンナの祭日は、[[カトリック教会|カトリック]]の[[聖人暦]]では7月26日、[[正教会]]では7月25日(新暦)である。 |
アンナの祭日は、[[カトリック教会|カトリック]]の[[聖人暦]]では7月26日、[[正教会]]では7月25日(新暦)である。 |
||
西方教会ではアンナは、[[ケベック州]]と[[ |
西方教会ではアンナは、[[ケベック州]]と[[ブルターニュ]]の[[守護聖人]]、[[出産]]と[[鉱業]]の守護者とされている。 |
||
正教会の伝統では、アンナは﹁神の祖母﹂Forbearer of God と号される。アンナによるマリアの出産︵[[生神女誕生祭]]︶とヨアキムとアンナによるマリアの献堂︵[[生神女進堂祭]]︶はそれぞれ[[十二大祭]]として記憶される。またアンナは夫イオアキムと共に、﹁光栄なる神の祖父母﹂として、[[聖体礼儀]]などの[[奉神礼]]の終結部に正教会の全ての教会で常に記憶されている。
|
正教会の伝統では、アンナは﹁神の祖母﹂Forbearer of God と号される。アンナによるマリアの出産︵[[生神女誕生祭]]︶とヨアキムとアンナによるマリアの献堂︵[[生神女進堂祭]]︶はそれぞれ[[十二大祭]]として記憶される。またアンナは夫イオアキムと共に、﹁光栄なる神の祖父母﹂として、[[聖体礼儀]]などの[[奉神礼]]の終結部に正教会の全ての教会で常に記憶されている。
|
||
スペイン語では「聖アンナ」はサンタアナ・転じてサンタナとなる。[[エルサルバドル]]の[[サンタアナ]]等が、この聖人に因んで名づけられている。 |
[[スペイン語]]や[[ポルトガル語]]では「聖アンナ」は[[サンタアナ]]・転じて[[サンタナ]]となる。[[エルサルバドル]]の[[サンタ・アナ (エル・サルバドル)|サンタアナ]]等が、この聖人に因んで名づけられている。 |
||
== その他 == |
|||
[[日本]]でもかつて販売されていた[[フォルクスワーゲン・サンタナ]]([[日産自動車]]が[[ノックダウン生産]])も、本名称が元となった[[アメリカ合衆国|アメリカ]][[カリフォルニア州]]南部から[[メキシコ]][[バハ・カリフォルニア州]]にかけて吹く「[[:en:Santa Ana winds|サンタナ風]]」に由来する。 |
|||
==脚注== |
|||
{{Reflist}} |
|||
==関連項目== |
==関連項目== |
||
{{commonscat|Saint Anne}} |
{{commonscat|Saint Anne}} |
||
*[[ブルターニュの聖アンナ崇敬]] |
*[[ブルターニュの聖アンナ崇敬]] |
||
{{聖母マリア|state=collapsed}} |
|||
{{Normdaten}} |
{{Normdaten}} |
||
{{DEFAULTSORT:あんな}} |
{{DEFAULTSORT:あんな}} |
||
[[Category:聖アンナ|*]] |
|||
[[Category:聖母マリア|+あんな]] |
|||
[[Category:正教会の聖人]] |
[[Category:正教会の聖人]] |
||
[[Category:カトリック教会の聖人]] |
[[Category:カトリック教会の聖人]] |
||
[[Category:聖公会の聖人]] |
[[Category:聖公会の聖人]] |
||
[[Category: |
[[Category:紀元前1世紀の女性]] |
2024年6月18日 (火) 04:45時点における最新版
聖アンナ | |
---|---|
![]() 7世紀に描かれた聖アンナのフレスコ画 | |
神の祖母(正教会) | |
崇敬する教派 | カトリック教会、正教会、聖公会 |
記念日 | 7月26日(カトリック) |
守護対象 | ケベック州、ブルターニュ、妊娠、不妊、子供のいない夫婦、大工、祖母、主婦 |