「キラー・エリート (1975年の映画)」の版間の差分
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[[サム・ペキンパー]]のバイオレンス・アクション映画だが、とりわけこの映画の評判はペキンパー作品の中でも低く、特に日本においては芳しくなかったという。『[[映画秘宝]]』のムックの中でもネタにされた程である。露骨な[[反日]]描写こそ無いものの、変な日本描写が原因で今でもこの映画に関する評価は低い。 |
[[サム・ペキンパー]]のバイオレンス・アクション映画だが、とりわけこの映画の評判はペキンパー作品の中でも低く、特に日本においては芳しくなかったという。『[[映画秘宝]]』のムックの中でもネタにされた程である。露骨な[[反日]]描写こそ無いものの、変な日本描写が原因で今でもこの映画に関する評価は低い。 |
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しかし、登場人物が飛行場での乱闘シーンを﹁まるで茶番﹂と言う、終盤に登場する忍者の格好に対して主人公が﹁まるで坊主だ。変な格好だな﹂と皮肉る︵そもそも主人公は常にアジア人全体にたいして冷笑的である︶など、監督自身もアジア描写がおかしいということを分かっているうえで、このような風刺的表現を選択したようである。また、次作﹃戦争のはらわた﹄のオープニングへのつながりを感じさせる、子供の歌と爆弾設置工事と鳥の巣をモンタージュした冒頭や、﹃荒野のガンマン﹄での恋愛描写を彷彿とさせる、主人公と女性看護師との痛ましいナルシズムに満ちたロマンスや、主人公の相棒である﹁狂犬﹂とカーディーラー二人の個性的なキャラクターなど、風刺的描写を差し引いても十分に﹁ペキンパーらしさ﹂のある作品であり、結果的に風刺描写が不評を買ったとはいえ、決して手放しで馬鹿に出来る作品ではない。
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しかし、登場人物が飛行場での乱闘シーンを﹁まるで茶番﹂と言う、終盤に登場する忍者の格好に対して主人公が﹁まるで坊主だ。変な格好だな﹂と皮肉る︵そもそも主人公は常にアジア人全体にたいして冷笑的である︶など、監督自身もアジア描写がおかしいということを分かっているうえで、このような風刺的表現を選択したようである。また、次作﹃戦争のはらわた﹄のオープニングへのつながりを感じさせる、子供の歌とともに爆弾設置工事と鳥の巣をモンタージュした冒頭や、﹃荒野のガンマン﹄での恋愛描写を彷彿とさせる、主人公と女性看護師との痛ましいナルシズムに満ちたロマンスや、主人公の相棒である﹁狂犬﹂とカーディーラー二人の個性的なキャラクターなど、主人公がしがらみに満ちた社会に見切りをつけあてのない旅を始めるラストも含めて、風刺的描写を差し引いても十分に﹁ペキンパーらしさ﹂のある作品であり、結果的に風刺描写が不評を買ったとはいえ、決して手放しで馬鹿に出来る作品ではない。
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
2014年5月15日 (木) 12:28時点における版
キラー・エリート | |
---|---|
The Killer Elite | |
監督 | サム・ペキンパー |
脚本 |
スターリング・シリファント マーク・ノーマン |
原作 | ロバート・ロスタンド |
製作 |
マーティン・バウム アーサー・ルイス |
製作総指揮 | ヘルムート・ダンティーン |
音楽 | ジェリー・フィールディング |
撮影 | フィリップ・ラスロップ |
編集 | ガース・クレーヴン |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
公開 |
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上映時間 | 116分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
『キラー・エリート』(The Killer Elite)とは、1975年のアメリカ映画。TBSの「月曜ロードショー」で放送された時のタイトルは『世界No.1の殺し屋がやってきた キラー・エリート』。
あらすじ
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スタッフ
- 製作総指揮:ヘルムート・ダンティン
- 監督:サム・ペキンパー
- 製作:マーティン・バウム、アーサー・ルイス
- 脚本:スターリング・シリファント、マーク・ノーマン
- 原作:ロバート・ロスタンド
- 撮影:フィリップ・ラスロップ
- 音楽:ジェリー・フィールディング
- 美術:テッド・ハワース
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
TBS版 | ||
ロッケン | ジェームズ・カーン | 小林清志 |
ハンセン | ロバート・デュヴァル | 森川公也 |
ウェイバーン | ギグ・ヤング | 阪脩 |
コリス | アーサー・ヒル | 寺島幹夫 |
ミラー | ボー・ホプキンス | 小川真司 |
マック | バート・ヤング | 増岡弘 |
チャン | マコ岩松 | 田中信夫 |
エイミー | ケイティ・ヘフリン | 森田育代 |
トミー | ティアナ・アレクサンドラ | 麻上洋子 |
役不明又はその他 | 緒方敏也 あずさ欣平 石井敏郎 亀井三郎 幹本雄之 郷里大輔 屋良有作 山田礼子 柳沢紀男 岡村悦男 | |
翻訳 | 小林守夫 | |
演出 | 進藤光太 | |
調整 | 横路正信 | |
効果 | 芦田公雄 | |
録音 | TFCスタジオ | |
選曲 | 重秀彦 | |
TCF担当 | 安斉久司 | |
プロデューサー | 熊谷国雄 | |
制作 | 東北新社 TBS | |
初回放送 | 1979年12月3日 『月曜ロードショー』 |
備考
サム・ペキンパーのバイオレンス・アクション映画だが、とりわけこの映画の評判はペキンパー作品の中でも低く、特に日本においては芳しくなかったという。﹃映画秘宝﹄のムックの中でもネタにされた程である。露骨な反日描写こそ無いものの、変な日本描写が原因で今でもこの映画に関する評価は低い。
しかし、登場人物が飛行場での乱闘シーンを﹁まるで茶番﹂と言う、終盤に登場する忍者の格好に対して主人公が﹁まるで坊主だ。変な格好だな﹂と皮肉る︵そもそも主人公は常にアジア人全体にたいして冷笑的である︶など、監督自身もアジア描写がおかしいということを分かっているうえで、このような風刺的表現を選択したようである。また、次作﹃戦争のはらわた﹄のオープニングへのつながりを感じさせる、子供の歌とともに爆弾設置工事と鳥の巣をモンタージュした冒頭や、﹃荒野のガンマン﹄での恋愛描写を彷彿とさせる、主人公と女性看護師との痛ましいナルシズムに満ちたロマンスや、主人公の相棒である﹁狂犬﹂とカーディーラー二人の個性的なキャラクターなど、主人公がしがらみに満ちた社会に見切りをつけあてのない旅を始めるラストも含めて、風刺的描写を差し引いても十分に﹁ペキンパーらしさ﹂のある作品であり、結果的に風刺描写が不評を買ったとはいえ、決して手放しで馬鹿に出来る作品ではない。