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「ローマの噴水」の版間の差分

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{{ウィキポータルリンク|クラシック音楽}}

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| topic = 全曲を試聴する

| audio1 = [https://www.youtube.com/watch?v=WaBCu-91PTY Respighi: Las fuentes de Roma - Carlo Rizzi - Sinfónica de Galicia] - カルロ・リッツィ指揮ガリシア交響楽団による演奏。ガリシア交響楽団公式YouTube。

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『ローマの噴水』(ローマのふんすい、{{lang-it-short|''Fontane di Roma''}})[[作品番号|P. 106]]は、[[イタリア]]の作曲家[[オットリーノ・レスピーギ]]が[[1916年]]に作曲した[[交響詩]]。日本語表記に際し、「噴水」とは異なる「泉」と訳されることもある。




''''''{{lang-it-short|'''Fontane di Roma'''}}[[]][[]][[1916]][[]][[]][[1924]][[]][[1928]]

後に作曲された『[[ローマの松]]』([[1924年]])、『[[ローマの祭り]]』([[1928年]])と共に「'''ローマ3部作'''」と呼ばれる。



== 概説 ==

== 概説 ==

[[サンタ・チェチーリア音楽院]]の[[作曲]][[教授]]に就任したレスピーギは、[[1913年]]に[[出身]]地の[[ボローニャ]]から[[ローマ]]に移り住み、こで受けた刺激を元に「ローマ部作」を作曲した。その第1作である『ローマの噴水』は[[1916年]]に作曲された。

[[ローマ]]の[[サンタ・チェチーリア音楽院]]作曲科教授に就任したレスピーギは、[[1913年]]に出身地の[[ボローニャ]]から移り住み、こで受けた刺激を元に「ローマ2部作」を作曲した。その第1作である『ローマの噴水』は[[1916年]]に作曲された。



スコアの冒頭の序文には次のような説明がある

演奏時間は約15分、スコアの冒頭の序文には次のような説明がある

{{Quotation|「ローマの四つの噴水で、その特徴が周囲の風物と最もよく調和している時刻、あるいは眺める人にとってその美しさが、最も印象深く出る時刻に注目して受けた感情と幻想に、表現を与えようとした<ref name = meikyoku>『最新名曲解説全集(6)管弦楽曲III 』[[音楽之友社]]、1980年</ref>。」}}



従来の交響詩の自由な形式ではなく、古典的な[[交響曲]]にみられる4楽章構成をとっており<ref name=meikyoku></ref>、それぞれは「[[明け方|夜明け]]」、「[[朝]]」、「[[真昼]]」、「[[黄昏]]」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が当てはめられている。なお、4つの部分は連続して演奏される。レスピーギはかつてロシア帝国劇場管弦楽団の首席[[ヴィオラ]]奏者を務めていた時に、[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ]]から作曲の指導を受けており、この作品にはリムスキー=コルサコフの[[管弦楽法]]の影響が見られる<ref name=meikyoku></ref>。[[1917年]]3月11日に[[アントニオ・グァルニエリ]]の指揮によりローマの{{仮リンク|アウグスト劇場|en|Anfiteatro Correa|it|Anfiteatro Correa}}において行われた初演の際には評論家の嘲笑を買っていたが、その後、[[1918年]][[2月11日]]に[[アルトゥーロ・トスカニーニ]]が[[ミラノ]]において行った再演が大成功し、その後もっとも有名な交響詩の一例として知られるようになった。


[[]]調[[]][[]][[]][[]]<ref name = meikyoku>6[[]]III [[]]1980</ref>

従来の交響詩の自由な形式ではなく、古典的な[[交響曲]]にみられる4[[楽章]]構成をとっており<ref name=meikyoku></ref>、それぞれは「[[夜明け]]」、「[[朝]]」、「[[真昼]]」、「[[黄昏]]」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が当てはめられている。なお、4つの部分は連続して演奏される。


レスピーギはかつてロシア帝国劇場管弦楽団の首席[[ヴィオラ]]奏者を務めていた時に、[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ]]から作曲の指導を受けており、この作品にはリムスキー=コルサコフの[[管弦楽法]]の影響が見られる<ref name=meikyoku></ref>。


[[1917年]]3月11日にローマのアウグステオ学堂において行われた初演の際には[[評論]]家の嘲笑を買っていたが、その後、[[1918年]][[2月11日]]に[[アルトゥーロ・トスカニーニ]]が[[ミラノ]]において行った再演が大成功し、その後もっとも有名な交響詩の一例として知られるようになった。


演奏時間は約15分。



== 楽器編成 ==

== 楽器編成 ==

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*[[ハープ]]2

*[[ハープ]]2

*[[弦楽合奏|弦五部]]

*[[弦楽合奏|弦五部]]




== 構成 ==

== 構成 ==

=== 第1部 夜明けのジュリアの[[]]の噴水 ===

=== 第1部 夜明けのジュリアの谷の噴水 ===

({{lang-it-short|La fontana di Valle Giulia all'alba}})

({{lang-it-short|''La fontana di Valle Giulia all'alba''}})



[[File:Orchesterwerke Romantik Themen.pdf|500px|page=605]]

牧歌的な光景にたたずむ夜明けの噴水が描かれ、朝ぼらけのなか[[家畜]]が通過する。



[[ボルゲーゼ公園|ボルゲーゼ荘]]から{{仮リンク|パリオリ|it|Parioli}}の丘までの間に位置する「ジュリアの谷」の噴水と夜明けの光景が表現されている。具体的にどこの噴水かははっきりしていない。牧歌的な光景にたたずむ夜明けの噴水が描かれ、朝ぼらけの中を家畜が通過する。

===第2部 朝の[[トリトン]]の噴水===

({{lang-it-short|La fontana del Tritone alla mattina}})



===第2部 朝のトリトンの噴水===

[[ベルニーニ]]のトリトンの噴水に見られるような、朝の日差しの中で踊る[[ナイアデス]]とトリトンが描かれている。[[ホルン]]は、神々や女神たちが[[ほら貝]]を吹き鳴らすさまを示している。

[[File:RomaBerniniFontanaTritone.JPG|thumb|right|210px|{{仮リンク|トリトンの噴水|it|Fontana del Tritone}}。]]

({{lang-it-short|''La fontana del Tritone alla mattina''}})



[[File:Orchesterwerke Romantik Themen.pdf|500px|page=606]]

===第3部 真昼の[[トレヴィの泉]]===


({{lang-it-short|La fontana di Trevi al pomeriggio}})


[[]][[|]]{{||it|Fontana del Tritone}}[[]][[]][[|]]

===第3部 真昼のトレヴィの噴水===

[[File:Fontana di Trevi Italy Roma - Creative Commons by gnuckx (3207505577).jpg|thumb|right|210px|[[トレヴィの泉]]。]]

({{lang-it-short|''La fontana di Trevi al pomeriggio''}})


[[File:Orchesterwerke Romantik Themen.pdf|500px|page=607]]



[[ネプトゥーヌス|ネプチューン]]の新たな勝利を告げる[[w:en:Triumph|凱旋式]]に導かれて始まる。

[[ネプトゥーヌス|ネプチューン]]の新たな勝利を告げる[[w:en:Triumph|凱旋式]]に導かれて始まる。



===第4部 黄昏の[[メディチ荘]]の噴水 ===

===第4部 黄昏のメディチ荘の噴水 ===

({{lang-it-short|La fontana di Villa Medici al tramonto}})

({{lang-it-short|''La fontana di Villa Medici al tramonto''}})



[[File:Orchesterwerke Romantik Themen.pdf|500px|page=608]]

より[[メランコリー]]に沈んだような雰囲気を伝えつつ、輝かしい[[夕焼け]]が消えていく風景を描く。



{{Efn|tramonto<ref>{{Cite book||editor=|editor-link= ()|title=|edition=2|publisher=[[]]|date=1999-03-20|isbn=4-09-515402-0|page=1629}}</ref>crepuscolo<ref>{{Cite book||editor=西|title=|edition=|publisher=[[]]|date=1994-01-01|isbn=4-09-515451-9|page=902}}</ref>}}[[]][[]][[]]


== 脚注 ==

== 脚注 ==

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<references />

=== 注釈 ===

{{Notelist}}

=== 出典 ===

{{Reflist}}



== 関連項目 ==

== 関連項目 ==

71行目: 83行目:

* [[ローマの祭り]]

* [[ローマの祭り]]



== 外部リンク ==

{{DEFAULTSORT:ろまのふんすい}}

*{{IMSLP2|work=Fontane di Roma (Respighi, Ottorino)|cname=交響詩『ローマの噴水』P. 106}}


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[[Category:レスピーギの楽曲]]

[[Category:レスピーギの楽曲]]

[[Category:交響詩]]

[[Category:交響詩]]

[[Category:ローマを舞台とした作品]]

[[Category:ローマを題材とした楽曲]]

[[Category:ローマの噴水]]

[[Category:ローマの噴水]]

[[Category:水を題材とした楽曲]]

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2024年7月11日 (木) 11:44時点における最新版

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Respighi: Las fuentes de Roma - Carlo Rizzi - Sinfónica de Galicia - カルロ・リッツィ指揮ガリシア交響楽団による演奏。ガリシア交響楽団公式YouTube。

: Fontane di RomaP. 1061916

192419283

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1913211916

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調[1]

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2

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1 []


: La fontana di Valle Giulia all'alba



2 []


: La fontana del Tritone alla mattina



3 []


: La fontana di Trevi al pomeriggio



4 []


: La fontana di Villa Medici al tramonto


[ 1]

脚注[編集]

注釈[編集]



(一)^ tramonto[2]crepuscolo[3]

出典[編集]



(一)^ abc6III 1980

(二)^  219993201629ISBN 4-09-515402-0 

(三)^ 西 199411902ISBN 4-09-515451-9 

関連項目[編集]

ローマ三部作を成す作品群

外部リンク[編集]