坊門清忠
坊門 清忠︵ぼうもん きよただ、生年不詳 - 延元3年/暦応元年3月21日︵1338年4月11日︶︶は、南北朝時代の公家。左近衛中将・坊門俊輔の子。子に重隆・親忠がいる。官位は従二位・参議。通称は坊門宰相。
経歴
後醍醐天皇の側近として活躍。正中3年︵1326年︶右大弁。翌嘉暦2年︵1327年︶従三位に叙せられ公卿に列す。
後醍醐天皇が建武の新政を始めた際には従二位・大蔵卿に叙任するなど要職を歴任した。建武2年︵1335年︶足利尊氏が新田義貞征伐を上奏した際に、強硬に反対した。また尊氏が謀叛の後、西国へ逃れ、再び東上して来た軍を楠木正成に迎え撃たせようとした際には、正成が戦略上有利として進言した京都放棄策を﹁帝がたびたび京を離れるのは良くない﹂との理由から退けたことで知られる。結果として湊川の戦いで楠木正成は戦死することになり、清忠は戦略も理解せずに忠臣正成の献言を退けた公家として評判を落とした。足利尊氏の京都奪回により、建武3年︵1336年︶12月、後醍醐天皇とともに吉野へ赴き、翌々年薨去した。
官歴
●正中3年︵1326年︶2月‥右大弁
●嘉暦2年︵1327年︶1月‥正四位上、4月‥従三位、閏9月‥造興福寺長官
●嘉暦3年︵1328年︶3月‥参議、9月‥左京大夫兼任
●嘉暦4年︵1329年︶1月‥周防権守、2月‥周防権守・右大弁辞職。正三位
●元徳2年︵1330年︶11月‥還任
●元徳3年︵1331年︶1月‥再度辞任
●元弘3年︵1333年︶6月‥右大弁、9月‥造興福寺長官兼任
●元弘4年︵1334年︶1月‥信濃権守兼任、9月‥従二位大蔵卿・賀茂行幸行事
●建武3年︵1336年︶12月‥官職停止︵吉野行きによる︶
●延元2年︵1337年︶1月‥左大弁
●延元3年︵1338年︶3月21日‥薨去
参考文献
- 『大日本史料』第六編之四 暦応元年三月二十一日条（卒伝）
- 『国史大辞典』（吉川弘文館）「坊門清忠」（槇道雄執筆）
- 『日本史大事典6』（平凡社、1994年、ISBN 4582131069）「坊門清忠」（清田善樹執筆）
- 『公卿人名大事典』（野島寿三郎編、日外アソシエーツ、1994年、ISBN 4816912444）902ページ「坊門清忠」
