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'''幸田 成友'''（こうだ しげとも、[[1873年]][[3月9日]] - [[1954年]][[5月15日]]）は、日本の[[歴史学者]]。

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'''幸田 成友'''（こうだ しげとも、[[1873年]]〈[[明治]]6年〉[[3月9日]] - [[1954年]]〈[[昭和]]29年〉[[5月15日]]）は、[[日本]]の[[歴史学者]]。


== 経歴 ==

[[東京市]][[神田 (千代田区)|神田]]生まれ。[[幸田露伴]]、[[郡司成忠]]、[[幸田延]]の弟、[[安藤幸]]の兄。1896年[[帝国大学]]文科大学国史学科卒業。1901年から09年まで﹃[[大阪市]]史﹄の編纂に従事。のち[[慶応義塾大学]][[教授]]、同[[名誉教授]]、[[東京商科大学 (旧制)|東京商科大学]]︵現[[一橋大学]]︶教授。一橋時代の門下に[[増田四郎]]がいる。1928年に﹃日本経済史研究﹄を公刊、1930年﹁武家の金融に関する研究﹂で慶應義塾大学[[文学博士]]。1928-30年[[オランダ]]を中心に[[ヨーロッパ]]に[[留学]]。[[江戸時代]]の経済史、とくに[[大坂]]・[[江戸]]を中心とする[[商業史]]、[[都市史]]、都市文化史などに業績をあげ、日欧交通史にも開拓的研究がある。

[[東京市]][[神田 (千代田区)|神田]]山本町︵現・[[外神田]]︶で[[幸田成延]]の子として生まれる。[[幸田露伴|幸田成行︵露伴︶]]・[[郡司成忠]]は兄、[[幸田延]]は姉、[[安藤幸]]は妹である。[[東京高等師範学校|東京師範学校]][[筑波大学附属小学校|附属小学校]]、[[東京都立日比谷高等学校|東京府中学校]]、[[開成中学校・高等学校|共立学校]]、[[順天中学校・高等学校|順天求合社]]、[[第一高等学校 (旧制)|第一高等中学校]]文科を経て、[[1896年]]に[[帝国大学]][[東京大学大学院人文社会系研究科・文学部|文科大学]]史学科を卒業<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2947190/4 ﹃官報﹄第3910号、明治29年7月11日、p.119]、[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1457829/182 ﹃東京帝国大学卒業生氏名録﹄東京帝国大学、1939年、p.345]</ref>し、同大学院に入学。[[ルートヴィヒ・リース]]講師に師事。[[1901年]]から[[1909年]]まで日本で最初に編纂に着手された市史である﹃[[大阪市史]]﹄の編纂に主任として従事し、ほとんどの部分を一人で書き上げた。


[[京都大学#沿革|京都帝国大学]][[京都大学大学院文学研究科・文学部|文科大学]][[講師 (教育)#高等教育|講師]]、[[慶應義塾大学]]塾員、[[宮内庁]]臨時帝室編修官ののち、[[1922年]][[東京商科大学 (旧制)|東京商科大学]]︵現[[一橋大学]]︶助教授兼[[予科]]教授<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/941084/164 ﹃東京商科大学一覧 自大正11年至大正12年﹄東京商科大学、1922年、p.308]</ref>。[[1924年]]以降、同大学で[[日本経済史]]を担当<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/941086/56 ﹃東京商科大学一覧 自大正13年至大正14年﹄東京商科大学、1925年、p.88]</ref>。[[1928年]]から<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1441606/101 ﹃東京商科大学一覧 昭和3年度﹄東京商科大学、1928年10月、p.175]</ref>[[1930年]]まで<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1441633/126 ﹃東京商科大学一覧 昭和5年度﹄東京商科大学、1930年12月、p.207]</ref>[[文部省]]海外研修生として[[オランダ]][[デン・ハーグ]]に留学。1930年6月、東京商科大学教授に昇格<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1441633/125 ﹃東京商科大学一覧 昭和5年度﹄東京商科大学、1930年12月、p.204]</ref>。[[1934年]]退官<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1451080/140 ﹃東京商科大学一覧 昭和9年度﹄東京商科大学、1934年9月、p.241]</ref>し、[[1939年]]まで東京商科大学講師。[[1940年]]慶應義塾大学教授。[[1944年]]同名誉教授。指導学生に[[増田四郎]]、[[吉田小五郎]]、[[林基]]、[[津田礼次郎]]、[[高橋碩一]]、[[柿原謙一]]等がいる<ref>{{harvnb|安丸良夫|佐々木潤之介|1986}}</ref>。


1928年に﹃日本経済史研究﹄を公刊、1930年﹁武家ノ金融ニ関スル研究﹂で慶應義塾大学[[文学博士]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://ci.nii.ac.jp/naid/500000490946|title=書誌事項︵CiNii Dissertations︶|publisher=国立情報学研究所|accessdate=2017-07-23}}</ref>。[[江戸時代]]の経済史、とくに[[大坂]]・[[江戸]]を中心とする[[商業史]]、[[都市史]]、都市文化史などに業績をあげ、日欧交通史にも開拓的研究がある。


1932年から1935年にかけて、﹃[[渋沢栄一伝記資料]]﹄の編纂主任を務めた<ref>[https://tobira.hatenadiary.jp/entry/20150724/1437701751 ﹁青淵先生伝記資料編纂室たより﹂﹁青淵先生伝記資料編纂所通信﹂] 2022年8月19日閲覧。</ref>。墓所は[[池上本門寺]]。


==著書==

==著書==

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*『[[アレクサンドロス大王|歴山大王]]』[[中村不折]]画 [[博文館]] 世界歴史譚 1900

*『[[アレクサンドロス大王|歴山大王]]』[[博文館]] 世界歴史譚 1900。[[中村不折]]画

*『外国中地理』[[金港堂]] 1900

*『外国中地理』[[金港堂]] 1900

*『東洋歴史』博文館 帝国百科全書 1902

*『東洋歴史』博文館 帝国百科全書 1902

*『[[大塩平八郎]]』東亜堂書店 1910　のち[[中公文庫]]

*『[[大塩平八郎]]』東亜堂書店 1910／[[中公文庫]] 1977

*『読史余録』大岡山書店 1928

*『読史余録』大岡山書店 1928

*『日本経済史研究』大岡山書店 1928

*『日本経済史研究』大岡山書店 1928

*『和蘭夜話』[[同文館]] 1931

*『和蘭夜話』[[同文館]] 1931

*『江戸と大阪』[[富山房]] 1934　のち[[冨山房百科文庫]]

*『江戸と大阪』[[冨山房]] 1934／冨山房百科文庫 1995

*『和蘭雑話』[[第一書房]] 1934

*『和蘭雑話』[[第一書房]] 1934

*『番傘・風呂敷・書物』書物展望社 1939

*『番傘・風呂敷・書物』書物展望社 1939

*『史話東と西』[[中央公論社]] 1940

*『史話東と西』中央公論社 1940

*『聖[[フランシスコ・ザビエル|フランシスコ・ザビエー]]小伝』[[創元社]] 日本文化名著選 1941

*『聖[[フランシスコ・ザビエル|フランシスコ・ザビエー]]小伝』[[創元社]]<日本文化名著選> 1941

*『日欧通交史』[[岩波書店]] 1942

*『日欧通交史』[[岩波書店]] 1942

*『史話南と北』[[慶応出版社]] 1948

*『史話南と北』慶応出版社 1948

*『凡人の半生』[[共立書房]] 1948

*『凡人の半生』共立書房 1948

*『書誌学』慶応通信 1957　『書誌学の話』[[青裳堂書店]] 日本書誌学大系 1979

*『書誌学』[[慶應義塾大学出版会|慶応通信]] 1957　

**『書誌学の話』[[青裳堂書店]] 日本書誌学大系 1979

*『'''幸田成友著作集'''』全7巻　[[中央公論社]]

*『'''幸田成友著作集'''』[[中央公論新社|中央公論社]] 全7巻　

:第1-2巻 (近世経済史篇)　1972

:第1・2巻 近世経済史篇 1972

:第3-4巻 (日欧通交史篇)　1971-72

:第3・4巻 日欧通交史篇 1971-72

:第5巻 (史伝篇) 1972

:第5巻 史伝篇 1972

:第6巻 (書誌篇) 1972

:第6巻 書誌篇 1972

:第7巻 (雑纂)1972

:第7巻 雑纂 1972

:別巻 (総索引) 1974

:別巻総索引 1974

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===共著===

===共著===

*『外国地理』[[喜田貞吉]]共著 金港堂 1899

*『外国地理』[[喜田貞吉]]共著 [[金港堂]] 1899

*『日本地理』喜田貞吉共著 金港堂 1899

*『[[日本地理]]』喜田貞吉共著 金港堂 1899

*『西洋史講義』[[坂本健一]]共著 歴史及地理講習会 1902　[[吉川弘文館]] 1904

*『西洋史講義』[[坂本健一]]共著 歴史及地理講習会 1902、[[吉川弘文館]] 1904

:注釈

; 注釈

*『[[古事記]]読本 冠註』訓註 [[至誠堂]] 1911

*『[[古事記]]読本 冠註』訓註 [[至誠堂]] 1911

*『古事記』校 岩波文庫 1927

*『古事記』校註 [[岩波文庫]] 1927、一穂社 1994

:翻訳

; 翻訳

*ロバード・マッケンジー『十九世紀史』[[博文館]] 1896

*ロバード・マッケンジー『十九世紀史』[[博文館]] 1896

*[[フランソワ・カロン|フランソア・カロン]]『日本大王国志』東洋堂 1948　[[平凡社]] [[東洋文庫 (平凡社)|東洋文庫]]　1967

*[[フランソワ・カロン|フランソア・カロン]]『[[日本大王国志]]』東洋堂 1948、[[平凡社]]<[[東洋文庫 (平凡社)|東洋文庫]]> 1967、同ワイド版2007

== 参考文献 ==

* {{cite book|和書|author1=安丸良夫 |author2=佐々木潤之介 |year=1986 |url=https://doi.org/10.15057/da.5896 |title=日本史 |series=一橋大学学問史 : 一橋大学創立百年記念 |publisher=一橋大学 |pages=1019-1033 |doi=10.15057/da.5896 |hdl=10086/45896 |id={{NDLJP|12248489}} |ref=harv}}

* {{cite journal|和書|author=林基 |date=1991-06 |url=https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00100104-19910600-0027 |title=三田の国史学と幸田成友 |journal=史学 |ISSN=0386-9334 |publisher=三田史学会 |volume=60 |issue=2/3 |pages=27(201)-33(207) |CRID=1050001338946570624 |ref=harv}}

*{{Kotobank}}

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== 脚注 ==

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==関連項目==

== 関連項目 ==

*[[天下の台所]]

* [[天下の台所]]


{{Normdaten}}
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==脚注==

*[http://dic.search.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%B9%B8%E7%94%B0%E6%88%90%E5%8F%8B&dic_id=etc&stype=full&b=1　コトバンク：幸田成友]


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幸田 成友
人物情報
生誕 (1873-03-09) 1873年3月9日
日本の旗 日本東京市神田
死没 1954年5月15日(1954-05-15)（81歳没）
出身校 帝国大学
学問
研究分野 歴史学
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幸田 成友︵こうだ しげとも、1873年︿明治6年﹀3月9日 - 1954年︿昭和29年﹀5月15日︶は、日本の歴史学者。

経歴[編集]


東京市神田山本町︵現・外神田︶で幸田成延の子として生まれる。幸田成行︵露伴︶・郡司成忠は兄、幸田延は姉、安藤幸は妹である。東京師範学校附属小学校、東京府中学校、共立学校、順天求合社、第一高等中学校文科を経て、1896年に帝国大学文科大学史学科を卒業[1]し、同大学院に入学。ルートヴィヒ・リース講師に師事。1901年から1909年まで日本で最初に編纂に着手された市史である﹃大阪市史﹄の編纂に主任として従事し、ほとんどの部分を一人で書き上げた。

京都帝国大学文科大学講師、慶應義塾大学塾員、宮内庁臨時帝室編修官ののち、1922年東京商科大学︵現一橋大学︶助教授兼予科教授[2]。1924年以降、同大学で日本経済史を担当[3]。1928年から[4]1930年まで[5]文部省海外研修生としてオランダデン・ハーグに留学。1930年6月、東京商科大学教授に昇格[6]。1934年退官[7]し、1939年まで東京商科大学講師。1940年慶應義塾大学教授。1944年同名誉教授。指導学生に増田四郎、吉田小五郎、林基、津田礼次郎、高橋碩一、柿原謙一等がいる[8]。

1928年に﹃日本経済史研究﹄を公刊、1930年﹁武家ノ金融ニ関スル研究﹂で慶應義塾大学文学博士[9]。江戸時代の経済史、とくに大坂・江戸を中心とする商業史、都市史、都市文化史などに業績をあげ、日欧交通史にも開拓的研究がある。

1932年から1935年にかけて、﹃渋沢栄一伝記資料﹄の編纂主任を務めた[10]。墓所は池上本門寺。

著書[編集]

第1・2巻 近世経済史篇 1972
第3・4巻 日欧通交史篇 1971-72
第5巻 史伝篇 1972
第6巻 書誌篇 1972
第7巻 雑纂 1972
別巻総索引 1974

共著[編集]


●﹃外国地理﹄喜田貞吉共著 金港堂 1899
●﹃日本地理﹄喜田貞吉共著 金港堂 1899
●﹃西洋史講義﹄坂本健一共著 歴史及地理講習会 1902、吉川弘文館 1904
注釈
●﹃古事記読本 冠註﹄訓註 至誠堂 1911
●﹃古事記﹄校註 岩波文庫 1927、一穂社 1994
翻訳
●ロバード・マッケンジー﹃十九世紀史﹄博文館 1896
●フランソア・カロン﹃日本大王国志﹄東洋堂 1948、平凡社<東洋文庫> 1967、同ワイド版2007

参考文献[編集]


●安丸良夫、佐々木潤之介﹃日本史﹄一橋大学︿一橋大学学問史 : 一橋大学創立百年記念﹀、1986年、1019-1033頁。doi:10.15057/da.5896。hdl:10086/45896。NDLJP:12248489。https://doi.org/10.15057/da.5896。 
●林基﹁三田の国史学と幸田成友﹂﹃史学﹄第60巻第2/3号、三田史学会、1991年6月、27(201)-33(207)、CRID 1050001338946570624、ISSN 0386-9334。 
●﹃幸田成友﹄ - コトバンク

脚注[編集]



(一)^ ﹃官報﹄第3910号、明治29年7月11日、p.119、﹃東京帝国大学卒業生氏名録﹄東京帝国大学、1939年、p.345

(二)^ ﹃東京商科大学一覧 自大正11年至大正12年﹄東京商科大学、1922年、p.308

(三)^ ﹃東京商科大学一覧 自大正13年至大正14年﹄東京商科大学、1925年、p.88

(四)^ ﹃東京商科大学一覧 昭和3年度﹄東京商科大学、1928年10月、p.175

(五)^ ﹃東京商科大学一覧 昭和5年度﹄東京商科大学、1930年12月、p.207

(六)^ ﹃東京商科大学一覧 昭和5年度﹄東京商科大学、1930年12月、p.204

(七)^ ﹃東京商科大学一覧 昭和9年度﹄東京商科大学、1934年9月、p.241

(八)^ 安丸良夫 & 佐々木潤之介 1986

(九)^ “書誌事項︵CiNii Dissertations︶”.  国立情報学研究所. 2017年7月23日閲覧。

(十)^ ﹁青淵先生伝記資料編纂室たより﹂﹁青淵先生伝記資料編纂所通信﹂ 2022年8月19日閲覧。

関連項目[編集]

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