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「春期限定いちごタルト事件」の版間の差分

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== 概要 ==

== 概要 ==

[[〈小市民〉シリーズ]]の第弾。「小市民を目指す」という目的を共有したシリーズの主人公・小鳩常悟朗と小佐内ゆきが物語の舞台となる船戸高校に入学した高校年の学期の出来事を描いた連作短編集。一方で、最終話「孤狼の心」は[[ハリイ・ケメルマン]]著『[[九マイルは遠すぎる]]』へのオマージュ<ref>『[[小説野性時代|野性時代]]』56号(2008年7月号)</ref>であり、各話毎に小佐内の身に起きた自転車盗難事件に関する伏線を張り、最終話でその事件に纏わる顛末を描いている。


[[︿]]1[[|]]11[[]][[]]<ref>[[|]]5620087</ref>


== 主な登場人物 ==

== 主な登場人物 ==

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; 羊の着ぐるみ

; 羊の着ぐるみ


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:*吉口船戸高校1年生。儚げな日本美人風な顔の女性。健吾とは中学が一緒のようで気安く話せる間柄。

:*吉口 - 船戸高校1年生。儚げな日本美人風な顔の女性。健吾とは中学が一緒のようで気安く話せる間柄。


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:*下村 - ポシェット捜索に駆り出された1年生。中肉中背で、卑屈そうな笑みを浮かべている。捜索開始直後に帰宅した。


:* 1

:*高田 容一 - ポシェット捜索に駆り出された1年生。ガタイが良い。捜索中、健吾と待ち合わせるが捕まらず、健吾を右往左往させる。

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; For your eyes only

; For your eyes only

: 船戸高校に入学してから1月、常悟朗が健吾の相談に応じる約束をし、小佐内と「春季限定いちごパフェ」を買ったその日、小佐内の自転車がサカガミと呼ばれる他校生に盗まれてしまう。

: 船戸高校に入学してから1月、常悟朗が健吾の相談に応じる約束をし、小佐内と「春季限定いちごパフェ」を買ったその日、小佐内の自転車がサカガミと呼ばれる他校生に盗まれてしまう。

: 次の日、健吾に美術部に呼び出された常悟朗は、先輩の美術部員の勝部が、かつての部長・大浜に2年前から預かったきりの2枚の絵を処分するかどうかを決めるため、絵の価値の有無を調べる。しかし、本格的な絵を描いていたという大浜のその絵は、「世界で一番高尚な絵」と称しながらも出来はお世辞にも秀逸とは言えない上に、2枚とも中身が同じ田園風景が描かれていた。

: 次の日、健吾に美術部に呼び出された常悟朗は、先輩の美術部員の勝部が、かつての部長・大浜に2年前から預かったきりの2枚の絵を処分するかどうかを決めるため、絵の価値の有無を調べる。しかし、本格的な絵を描いていたという大浜のその絵は、「世界で一番高尚な絵」と称しながらも出来はお世辞にも秀逸とは言えない上に、2枚とも中身が同じ田園風景が描かれていた。

:*勝部 飛鳥船戸高校3年生、美術部員。新聞部の記事で部活紹介をするために話を聞きに来た健吾に大浜の絵の話を持ちかけた。大浜に「世界で一番高尚な絵」を託されたが、2年経っても取りにこないままの絵の扱いに悩んでいる

:*勝部 飛鳥 - 船戸高校3年生、美術部員。新聞部の記事で部活紹介をするために話を聞きに来た健吾に大浜の絵の話を持ちかけた。大浜に「世界で一番高尚な絵」を託されたが、2年経っても取りにこないままの絵の扱いに悩んでいる

:*大浜船戸高校生の卒業生で元美術部員。油絵を描いており、 [[高橋由一]]を好み、日展を狙うほどの実力を持った技巧派で県の美術展奨励賞を受賞したことがある。

:*大浜 - 船戸高校生の卒業生で元美術部員。油絵を描いており、 [[高橋由一]]を好み、日展を狙うほどの実力を持った技巧派で県の美術展奨励賞を受賞したことがある。

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; おいしいココアの作り方

; おいしいココアの作り方

: 盗まれた自転車が五百旗頭(いおきべ)という学生のアパートで印鑑を盗まれた事件で使用されたことで生徒指導室に呼び出された小佐内。5月の日曜日、携帯ショップから出た小佐内と偶然会った常悟朗は、小佐内を励ますため自家製ヨーグルトが美味しい店に誘ったところ、絵の一件のお礼がしたいという健吾に自宅に招かれる。2人は健吾から一工夫手がけた「おいしいココア」を振る舞われる。健吾の元から離れ、健吾の姉・千里と台所で3人きりとなったとき、千里はシンクが乾いており、ココアを溶くのに使ったスプーンしかないと指摘。健吾が鍋を使わずに温めたミルクでココアを作った事実に直面した3人は、健吾が如何にして「おいしいココア」を作ったのかという謎に頭を働かせる。

: 盗まれた自転車が五百旗頭(いおきべ)という学生のアパートで印鑑を盗まれた事件で使用されたことで生徒指導室に呼び出された小佐内。5月の日曜日、携帯ショップから出た小佐内と偶然会った常悟朗は、小佐内を励ますため自家製ヨーグルトが美味しい店に誘ったところ、絵の一件のお礼がしたいという健吾に自宅に招かれる。2人は健吾から一工夫手がけた「おいしいココア」を振る舞われる。健吾の元から離れ、健吾の姉・千里と台所で3人きりとなったとき、千里はシンクが乾いており、ココアを溶くのに使ったスプーンしかないと指摘。健吾が鍋を使わずに温めたミルクでココアを作った事実に直面した3人は、健吾が如何にして「おいしいココア」を作ったのかという謎に頭を働かせる。


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; はらふくるるわざ

; はらふくるるわざ


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; 孤狼の心

; 孤狼の心

: 小佐内が再び生徒指導室に呼び出され、自転車が路上の下り坂の道に捨ててあったことが判明した。自転車を取りにいった常悟朗と小佐内は、サカガミが急いで目的地に向かう途中に故障した自転車を捨てていったと推理したが、下り坂から見える行先は山越えの道と、田園地帯を抜けて町に向かう道しかなかった。やがて常悟朗はサカガミが急いで向かった場所に見当をつけたが、これまでの受難から小佐内は抑えていた本性を前面に出し、サカガミ達への復讐に走ってしまう。小佐内の危機を察した常悟朗は健吾を呼び出し助けを求めるが、小市民を目指してからの常悟朗への反発もあって取り合わない。常悟朗は小佐内の危機を健吾に認識させるため、推理を繰り広げていく。

: 小佐内が再び生徒指導室に呼び出され、自転車が路上の下り坂の道に捨ててあったことが判明した。自転車を取りにいった常悟朗と小佐内は、サカガミが急いで目的地に向かう途中に故障した自転車を捨てていったと推理したが、下り坂から見える行先は山越えの道と、田園地帯を抜けて町に向かう道しかなかった。やがて常悟朗はサカガミが急いで向かった場所に見当をつけたが、これまでの受難から小佐内は抑えていた本性を前面に出し、サカガミ達への復讐に走ってしまう。小佐内の危機を察した常悟朗は健吾を呼び出し助けを求めるが、小市民を目指してからの常悟朗への反発もあって取り合わない。常悟朗は小佐内の危機を健吾に認識させるため、推理を繰り広げていく。

=== 結末 ===

=== 結末 ===

サカガミが小佐内の自転車を盗んでまで急いでいた理由は、木良北自動車学校に向かうため所定の道筋を通る送迎バスに乗車するためだった。そして彼に関する言動から常悟朗が推理した不良グループの目的は、五百旗頭のアパートから盗んだ印鑑を使い、市役所から不正に取得した住民票<ref group="注"> この話は[[個人情報の保護に関する法律|個人情報保護法]]が施行される以前のものである</ref>でサカガミを五百旗頭として自動車学校に通わせ、20歳以上の身分証明書代わりに使える自動二輪免許を取得し、金稼ぎに利用することだった。目的を突き止めた常悟朗と健吾はサカガミのいる自動車学校に急行するが、既に小佐内がサカガミらの不正の証拠を写真に収めていた。こうして小佐内らの働きかけでサカガミ達は[[文書偽造罪|有印公文書偽造]]の罪<ref> 実際には、虚偽内容の運転免許証(有印公文書)を交付させたとしても有印公文書偽造罪は成立しない。</ref>を暴かれ逮捕されることとなった。この一件で小市民の誓いを破ったことを反省する常悟朗と小佐内だったが、ケーキ店で痴話喧嘩のカップルが小佐内に水を掛けてしまったことで、また本性を発揮してしまう。


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== 注釈 ==

== 注釈 ==


2024年6月23日 (日) 04:35時点における最新版

米澤穂信 > 〈小市民〉シリーズ > 春期限定いちごタルト事件
春期限定いちごタルト事件
著者 米澤穂信
発行日 2004年12月18日
発行元 創元推理文庫
ジャンル 青春ミステリ日常の謎
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 252
次作 夏期限定トロピカルパフェ事件
コード ISBN 978-4488451011
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注釈[編集]

  1. ^ この話は個人情報保護法が施行される以前のものである。

脚注[編集]

  1. ^ 野性時代』56号(2008年7月号)
  2. ^ 実際には、虚偽内容の運転免許証(有印公文書)を交付させたとしても有印公文書偽造罪は成立しない。

外部リンク[編集]