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'''東洋哲学'''とは、東洋すなわちアジアで生まれた[[哲学]]のこと。中国哲学、[[インド哲学]]、[[イスラム哲学]]など、日本哲学も含まれる。
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'''東洋哲学'''とは、東洋すなわちアジアで生まれた[[哲学]]のこと。中国哲学、[[インド哲学]]、[[イスラム哲学]]など、日本哲学も含まれる。
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中国の思想の源流は[[シャーマニズム]]であり、[[春秋戦国時代]]に覇を争った諸侯のための[[政治哲学]]として、'''儒家'''や'''道家'''に代表される[[諸子百家]]が、それぞれ自説の優位性を諸侯に説いた。[[前漢|漢]]代以降、[[武帝 (漢)|武帝]]の時代に国教的地位を獲得し、儒家思想から洗練されていった[[儒教]]と、道家の[[老荘思想]]を取り入れてはいるが、実際は[[秦]]の方士[[徐福]]のような不老長生を説く[[仙人|神仙]]思想から発展した[[道教]]が発達した。また、[[後漢]]代に[[仏教]]が伝来し、[[六朝]][[隋]][[唐]]代に盛行した。この時期より、中国哲学は、[[三教]]を中心とした[[宗教哲学]]として展開する。体系的な[[仏教哲学]]の影響をうけ、[[南宋|宋]]代に、儒教は[[朱熹]]らによって体系的な哲学として再構成された。また道教もそれまでの民間宗教から官僚的ヒエラルキーと[[五行思想|五行]]論に基づく理論性を発展させた。仏教自体も、道教的な非論理的傾向を吸収して[[インド仏教]]とは異質な[[中国仏教]]としての[[禅宗]]や[[浄土教]]を生み出した。またそれは、最初は対立していた[[三教]]が、次第に融合していく過程でもある。[[明]]代には朱熹らの[[性即理]]に対して、[[心即理]]を説く[[王陽明]]の[[陽明学]]が隆盛した。が、王陽明の主張を見ると、そこには禅宗の影響が非常に色濃いことは明白である。これら中国哲学の特徴は、世俗性・実践性が強いことである。
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2005年10月24日 (月) 08:50時点における版
中国哲学
中国の思想の源流はシャーマニズムであり、春秋戦国時代に覇を争った諸侯のための政治哲学として、儒家や道家に代表される諸子百家が、それぞれ自説の優位性を諸侯に説いた。漢代以降、武帝の時代に国教的地位を獲得し、儒家思想から洗練されていった儒教と、道家の老荘思想を取り入れてはいるが、実際は秦の方士徐福のような不老長生を説く神仙思想から発展した道教が発達した。また、後漢代に仏教が伝来し、六朝隋唐代に盛行した。この時期より、中国哲学は、三教を中心とした宗教哲学として展開する。体系的な仏教哲学の影響をうけ、宋代に、儒教は朱熹らによって体系的な哲学として再構成された。また道教もそれまでの民間宗教から官僚的ヒエラルキーと五行論に基づく理論性を発展させた。仏教自体も、道教的な非論理的傾向を吸収してインド仏教とは異質な中国仏教としての禅宗や浄土教を生み出した。またそれは、最初は対立していた三教が、次第に融合していく過程でもある。明代には朱熹らの性即理に対して、心即理を説く王陽明の陽明学が隆盛した。が、王陽明の主張を見ると、そこには禅宗の影響が非常に色濃いことは明白である。これら中国哲学の特徴は、世俗性・実践性が強いことである。