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「母数」の版間の差分

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{{otheruses2|統計学|その他|パラメータ|モジュラス}}

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'''母数'''(ぼすう、'''パラメータ'''は[[確率論]]および[[統計学]]において、[[確率分布]]を特徴付ける数をいう

'''母数'''(ぼすう、 {{lang-en|'''parameter'''}}(パラメタ))は[[確率論]]および[[統計学]]において、[[確率分布]]を特徴付ける定数を指す{{Refnest |group="注釈" |日本では、対象・該当の全体数を意味して「母数」と呼ぶ例も多くみられるが<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000082.html |title=「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査 報告書」 |publisher=[[総務省]] |date=2020-06-19 |accessdate=2021-11-16}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/progress/ |title=日本国内のワクチン接種状況 |publisher=[[NHK]] |accessdate=2021-11-16}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10581-covid19-54.html |title=東京オリンピック競技大会に関連した新型コロナウイルス感染症発生状況(速報) |publisher=[[国立感染症研究所]] |date=2021-08-20 |accessdate=2021-11-16}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mext.go.jp/content/20200605-mxt_kouhou01-000004520_6.pdf |title=新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況 |publisher=[[文部科学省]] |format=pdf |date=2020-06-05 |accessdate=2021-11-16}}</ref>、科学技術分野においては誤用とされる。}}。


'''母数'''(ぼすう、 {{lang-en|'''modulus'''}})は[[学]]において、[[楕円関数]]などで関数を特徴付ける数を指す



== 確率論 ==

== 確率論 ==


[[]][[]][[]][[]]λ[[]]μ[[]]&sigma;<sup>2</sup>

[[確率論]]では母数は確率変数の[[確率分布]]を特徴付ける数である。



例えば、[[正規分布]]の母数は、平均 <math>\mu</math> および[[分散 (確率論)|分散]] <math>\sigma^2</math> である。

ポアソン分布は次のように定義される。


また、[[ポアソン分布]]の母数は、下記の定義式の中の <math>\lambda</math> である。

:<math>f(k;\lambda)=\frac{e^{-\lambda} \lambda^k}{k!}.</math>

:<math>f(k;\lambda)=\frac{e^{-\lambda} \lambda^k}{k!}.</math>


<math>e</math>[[]]<math>\lambda</math><math>k</math>

ここで、<math>k</math>は確率変数、<math>e</math> は[[ネイピア数]]である。<math>\lambda</math> [[ポアソン分布]]に従う現象が観測される平均回数を表



== 統計学 ==

== 統計学 ==

[[統計学]]における母数は、基本的には上記の確率論における定義と同じだが、観察されたデータに基づいて[[母集団]]の分布の母数を[[推計統計学|統計学的に推定する]]こと、あるいはそれについての[[仮説検定]]法に重点かれる

[[統計学]]における母数は、基本的には上記の確率論における定義と同じだが、観察データに基づいて[[母集団]]の分布の母数を[[推計統計学|統計学的に推定する]]こと、あるいはそれについての[[仮説検定]]法に重点



従来の[[頻度主義]]に基づく統計学では、これらの母数は不確定ではあるが何らかの値をもった定数であると考える。一方[[ベイズ主義]]の統計学では、母数を固有の分布を持つ確率変数と考え、その不確定性を確率分布で記述する。

従来の[[頻度主義]]に基づく統計学では、これらの母数は不確定ではあるが何らかの値をもった定数であると考える。一方[[ベイズ主義]]の統計学では、母数を固有の分布を持つ確率変数と考え、その不確定性を確率分布で記述する。



特定の母数に基づく分布関数を仮定しないで統計学的推論を行うことも可能である。この場合には'''ノンパラメトリック'''(non-parametric)'''推論'''それに対し分布関数を仮定する方法は'''パラメトリック'''(parametric)'''推論'''という。たとえば2組のデータ間の相関を示す指標である相関係数(広義)のうち、[[スピアマンの順位相関係数]]はノンパラメトリックな推定方法で、データの具体的な値ではなくその順位に基づいて計算するが、[[ピアソンの積率相関係数]](普通にいう相関係数)はパラメトリックな推定方法で、データそのものの分布を仮定して計算する。

特定の母数に基づく分布関数を仮定しないで統計学的推論を行うことも可能である。この場合には'''ノンパラメトリック'''(non-parametric)'''推論'''それに対し分布関数を仮定する方法は'''パラメトリック'''(parametric)'''推論'''という。たとえば2組のデータ間の相関を示す指標である相関係数(広義)のうち、[[スピアマンの順位相関係数]]はノンパラメトリックな推定方法で、データの具体的な値ではなくその順位に基づいて計算するが、[[ピアソンの積率相関係数]](普通にいう相関係数)はパラメトリックな推定方法で、データそのものの分布を仮定して計算する。


標本から求める値である'''統計量'''は、標本のもとになる母集団の母数の推定量として用いる。たとえば「標本平均」(<math>\overline X</math>)は母集団の「平均」母数(μ)の推定量である。


== 日本工業規格 ==

[[日本産業規格|日本工業規格]]では母数について2つの説明がある。1つは、「母集団分布の族 f (x;θ1,θ2,…,θp)を考えるとき,その値を指定すれば分布が確定するような定数θ1,θ2,…,θp。例えば,[[正規分布]]は[[平均]]µと[[標準偏差]]σとの二つの母数によって定まり,[[ポアソン分布]]は平均µという一つの母数によって定まる。」2つめは、「さらに広義には,確率分布によって定まる数値。この意味では,確率分布の[[モーメント]],すなわち[[平均]],[[分散 (確率論)|分散]],[[歪度|ゆがみ]],[[尖度|とがり]]などをすべて母数ということができる。母数はサンプルについて定義される同じ名の統計量と区別するための用語である<ref>[[JIS Z 8101]]-1 : 1999 [[統計]] − 用語と記号 − 第1部:[[確率]]及び一般統計用語 1.8 母数, [[日本規格協会]], http://kikakurui.com/z8/Z8101-1-1999-01.html</ref>。」


== 脚注 ==

=== 注釈 ===

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=== 出典 ===

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== 参考文献 ==

標本から求められる値である'''統計量'''は、標本のもとになる母集団の母数の推定量として用いられる。たとえば「標本平均」(<math>\overline X</math>)は母集団の「平均」母数(μ)の推定量である。

* {{Cite book|和書|author=西岡康夫|year=2013|title=数学チュートリアル やさしく語る 確率統計|publisher=[[オーム社]]|isbn=9784274214073}}

* {{Cite book|和書|author=伏見康治|authorlink=伏見康治|year=1942|title=[[確率論及統計論]]|publisher=[[河出書房]]|isbn=9784874720127|url= http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/204}}

* {{Cite book|和書|author=日本数学会|authorlink=日本数学会|year=2007|title=数学辞典|publisher=[[岩波書店]]|isbn=9784000803090}}

* [[JIS Z 8101]]-1:1999 [[統計]] − [[用語]]と[[記号]] − 第1部:[[確率]]及び一般統計用語, [[日本規格協会]], http://kikakurui.com/z8/Z8101-1-1999-01.html



== 関連項目 ==

== 関連項目 ==

* [[確率]]

** [[確率論]]

* [[統計学]]

* [[自由度]]

* [[自由度]]




2024年5月28日 (火) 16:52時点における最新版


 : parameter[ 1]

 : modulus

[]




  

 


  

[]






(non-parametric)(parametric)2

μ

[]


21 f (xθ1θ2θp)θ1θ2θpµσµ2[5]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本では、対象・該当の全体数を意味して「母数」と呼ぶ例も多くみられるが[1][2][3][4]、科学技術分野においては誤用とされる。

出典[編集]



(一)^ 調 .   (2020619). 20211116

(二)^ .  NHK. 20211116

(三)^ .   (2021820). 20211116

(四)^  (pdf).   (202065). 20211116

(五)^ JIS Z 8101-1 : 1999     1: 1.8 , , http://kikakurui.com/z8/Z8101-1-1999-01.html

[]


西  2013ISBN 9784274214073 

1942ISBN 9784874720127http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/204 

2007ISBN 9784000803090 

JIS Z 8101-1:1999     1:, , http://kikakurui.com/z8/Z8101-1-1999-01.html

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