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「美術史」の版間の差分

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=== 16世紀以前 - 旅行記と「列伝」 ===

=== 16世紀以前 - 旅行記と「列伝」 ===

[[File:Giorgio Vasari Selbstporträt.jpg|thumb|[[ヴァザーリ]]の肖像, 1567年頃]]

[[File:Giorgio Vasari Selbstporträt.jpg|thumb|[[ヴァザーリ]]の肖像, 1567年頃]]

広い意味での美術史的記述は古代から存在していた。[[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]の『ギリシア案内記』のような旅行記・案内記と、[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]『[[博物誌]]』に現れるような[[芸術家]]・作品についての記録がそれである。この二つの伝統は[[中世ヨーロッパ]]においても、巡礼案内や[[ルネサンス期]]以降の都市案内記、芸術家の伝記などの形を取って存続した{{sfn|美術史と美学|p=217-225}}。

広い意味での美術史的記述は古代から存在していた。[[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]の『ギリシア案内記』のような旅行記・案内記と、[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]『[[博物誌]]』に現れるような[[芸術家]]・作品についての記録がそれである。この二つの伝統は中世ヨーロッパにおいても、巡礼案内や[[ルネサンス期]]以降の都市案内記、芸術家の伝記などの形を取って存続した{{sfn|美術史と美学|p=217-225}}。



しかし芸術家や作品を明確な歴史意識のもとに記述する試みが登場するのは、一般にルネサンス期、とくに[[ヴァザーリ]]の『芸術家列伝([[画家・彫刻家・建築家列伝]])』 (1550) においてとされる。この著作は「[[列伝]]」(芸術家の伝記的情報の集成)の形式を取りながら、全体を時代の流れに沿って3 部に分けて、芸術の歴史的発展をも同時に叙述している。それぞれの時代に特有の歴史的枠組みが想定されており、この点で、最初の体系的な〈美術史〉とも呼ばれる。<ref>野口昌夫編著『ルネサンスの演出家ヴァザーリ』白水社, 2011;伊藤拓真「ヴァザーリの歴史記述の内と外:『芸術家列伝』の地理的構成--第1部・2部を中心として」(『西洋美術研究』13号, pp. 18-43, 2007)</ref>またヴァザーリは、体系的な図像分析のための基本的技術を確立した。[[二十世紀]]の「[[イコノロジー]]」研究の要素を持っていたことも知られており、最初の[[美術評論家]]とも呼ばれる。<ref>Fredrika H. Jacobs, "Vasari's Vision of the History of Painting: Frescoes in the Casa Vasari, Florence" (The Art Bulletin, Vol. 66, No. 3, 1984), pp. 399-41)</ref>ヴァザーリの研究手法および「[[列伝]]」の形式は、オランダの[[カレル・ヴァン・マンデル]]『画家の書』などに受け継がれた。

しかし芸術家や作品を明確な歴史意識のもとに記述する試みが登場するのは、一般にルネサンス期、とくに[[ヴァザーリ]]の『芸術家列伝([[画家・彫刻家・建築家列伝]])』 (1550) においてとされる。この著作は「[[列伝]]」(芸術家の伝記的情報の集成)の形式を取りながら、全体を時代の流れに沿って3 部に分けて、芸術の歴史的発展をも同時に叙述している。それぞれの時代に特有の歴史的枠組みが想定されており、この点で、最初の体系的な〈美術史〉とも呼ばれる。<ref>野口昌夫編著『ルネサンスの演出家ヴァザーリ』白水社, 2011;伊藤拓真「ヴァザーリの歴史記述の内と外:『芸術家列伝』の地理的構成--第1部・2部を中心として」(『西洋美術研究』13号, pp. 18-43, 2007)</ref>またヴァザーリは、体系的な図像分析のための基本的技術を確立した。[[二十世紀]]の「[[イコノロジー]]」研究の要素を持っていたことも知られており、最初の[[美術評論家]]とも呼ばれる。<ref>Fredrika H. Jacobs, "Vasari's Vision of the History of Painting: Frescoes in the Casa Vasari, Florence" (The Art Bulletin, Vol. 66, No. 3, 1984), pp. 399-41)</ref>ヴァザーリの研究手法および「[[列伝]]」の形式は、オランダの[[カレル・ヴァン・マンデル]]『画家の書』などに受け継がれた。


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: Art history

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西西西[10]

TJ

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美術史の方法論[編集]

日本の美術史学[編集]




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︿ 5 / 1985ISBN 4130150359 NCID BN00434254:85047297https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001743151-00 

= 82011369-84doi:10.15002/00007394ISSN 1349-3043NAID 120003221919 

[]



(一)^ 22002"Art history" (Grove Dictionary of Art, Oxford UP, 1996) 

(二)^ ab, p. 217-225.

(三)^ , 2011:--12西13, pp. 18-43, 2007)

(四)^ Fredrika H. Jacobs, "Vasari's Vision of the History of Painting: Frescoes in the Casa Vasari, Florence" (The Art Bulletin, Vol. 66, No. 3, 1984), pp. 399-41)

(五)^ 1988Jaynie Anderson, "Giovanni Morelli et sa définition de la «scienza dell'arte» " (Revue de l'Art, vol. 75, No. 75, 1987, pp. 49-55)

(六)^ 2007

(七)^ ,  : 2000ISBN 4766408160 NCID BA48234966:20108151 

(八)^ 20011989, pp. 22-27

(九)^ Jonathan Harris, Art History: The Key Concepts (London: Routledge, 2006, pp. 45-46)

(十)^ , 1991. [ 18951987]

(11)^  2011.

関連文献(邦語)[編集]

  • E. パノフスキー「イコノグラフィとイコノロジー」(中森義宗ほか訳『視覚芸術の意味』岩崎美術社、1971, pp. 37-66)
  • E. H. ゴンブリッチ「イコノロジーの目的と限界」鈴木杜幾子訳(ゴンブリッチ『シンボリック・イメージ』遠山公一ほか訳、平凡社, 1991, p. 21-64)
  • 神林恒道ほか編『芸術学ハンドブック』勁草書房、1989.
  • ウード・クルターマン『芸術論の歴史』神林恒道ほか訳、勁草書房、1993.
  • 若桑みどり『イメージを読む 美術史入門』筑摩書房ちくま学芸文庫〉、2005. [親本 1993]
  • 三浦篤「西洋美術史学の方法と歴史」(高階秀爾・三浦篤編『西洋美術史ハンドブック』新書館、1997, pp. 194-217).
  • ロバート・S・ネルソンほか編『美術史を語る言葉:22の理論と実践』秋庭史典ほか訳、ブリュッケ、2002.
  • V・ハイド・マイナー『美術史の歴史』吉城寺尚子ほか訳、ブリュッケ、2003.
  • ダナ・アーノルド『美術史 〈1冊でわかる〉シリーズ』鈴木杜幾子訳、岩波書店, 2006.
  • 永井隆則編『フランス近代美術史の現在:ニュー・アート・ヒストリー以後の視座から』三元社, 2007.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]