襲名
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襲名︵しゅうめい︶は、名を継ぐこと。名を襲うことの意で、現在の名前を改めて、先人と同じ名前を意図的に継ぐことを言う。芸事の世界によく見られる。
実名、芸名、筆名の別は問わずに用いるが、通常は襲名といった場合には、歌舞伎や落語などの名跡を継ぐことをイメージすることが多い。名跡の項を参照されたい。珍しい例として、初代桂文枝は明治維新で戸籍ができた際に、本名も桂文枝とした。
日本では実名の改名には家庭裁判所の承認が必要であるが、襲名の場合には比較的これが認められやすい。
伝統芸能以外では、ヤクザや的屋の世界において、伝統的に名跡の襲名により代替わりが行われる。また、企業社会における例として、ミツカンの例がある。社長は﹁中埜又左衛門﹂を名乗ることになっており、社長に就任すると改名することが伝統となっており、戸籍上の名前まで変更している。現在でも社長は﹁中埜又左衛門﹂である。
スポーツにおいては、大相撲で師匠や所属部屋の名力士の四股名を襲名することがよくみられる。また、現役力士が引退して年寄となる際には﹁引退して年寄○○を襲名﹂となる。登録名やリングネームが襲名されることはほとんどないが、プロレスで二世レスラーが﹁父親のリングネーム+ジュニア﹂を名乗ることはある。