観測施設
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観測施設 (かんそくしせつ) または観測所 (かんそくじょ、英語: Observatory) とは、天文・地震・気象などの自然現象を観測し、記録する施設のことである[1]。観測施設で観測されたデータは予測、研究や防災など様々に活用される。
観測施設の例
地上気象観測
日本においては、全国約60か所の気象台や測候所において気圧、気温、湿度、風向、風速、降水量、積雪の深さ、降雪の深さ、日照時間、日射量、雲、視程、大気現象等の気象観測を行っている[2]。火山観測
「火山観測所」も参照
日本国内における火山観測施設は大学等の研究機関によるものと、気象庁等の観測機関によるものに分けられる。研究機関による施設は火山の基礎研究を行うため、観測機関による施設は火山活動の監視のために設置されている[3]。
水位観測
「験潮場」も参照
日本国内においては、海面の潮位を測定する施設は設置機関によって名称が異なっている。
河川の水位観測においては水位観測所が存在する。このため、河川の河口付近の水位観測施設は潮位を計測し、これによって潮位表・潮位曲線表をとりまとめている。
水位観測所は河川を管理する目的で時々刻々監視されており、洪水時における水位観測は洪水予報や水防活動に用いられ、渇水時においては用水の取水量や取水位の管理に用いられる[4][5]。
地震観測
詳細は「地震観測網」を参照
日本国内の地震観測はまず東京気象台が1884年12月に﹁地震報告心得﹂を制定して以来測候所に地震計が整備されて以降、全国的に地震計による観測体制が整えられていき、今日の気象庁の全国地震観測業務へ発展していった[6]。また、大学や様々な行政機関等も地震調査観測を様々な手法により実施している[7]。全国各地に設置された地震計(地震観測点)によって、地震観測網が形成されている。
天文観測
天体や天文現象の観測する施設としては天文台がある。国立天文台の天体望遠鏡だけでも光学望遠鏡や電波望遠鏡など用途に合わせて様々な種類が存在している[8]。また、神岡宇宙素粒子研究施設ではニュートリノを観測する水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置のスーパーカミオカンデ[9]や重力波望遠鏡のKAGRA[10]が運用されている。
その他
この他にも地軸の微小な振動運動を測定する国際緯度観測所などがある。脚注
(一)^ “観測所 - コトバンク”. voyagemarketing. 2021年9月20日閲覧。
(二)^ “地上気象観測”. 気象庁. 2021年9月22日閲覧。
(三)^ 山里平﹁近代火山観測の歴史 -気象庁の監視観測を中心に-﹂﹃火山﹄第50巻特別号、S7。
(四)^ 土木研究所、国土交通省河川局﹃水文観測 平成14年度版﹄。ISBN 4921150125。
(五)^ 国土交通省 : 観測所一覧 - 川の防災情報
(六)^ 石垣祐三﹁明治・大正時代の震度観測について-震度データベースの遡及-﹂﹃験震時報﹄第70巻、2007年、29頁。
(七)^ “地震に関する基盤的調査観測計画”. 地震調査研究推進本部 (1997年8月29日). 2021年9月22日閲覧。
(八)^ “質問7-2︶望遠鏡は何台あるの?”. 2021年9月22日閲覧。
(九)^ “実験概要|スーパーカミオカンデ 公式ホームページ”. 東京大学宇宙線研究所. 2015年10月16日閲覧。
(十)^ ﹃大型低温重力波望遠鏡KAGRA 観測開始﹄︵プレスリリース︶東京大学宇宙線研究所、2020年2月25日。2020年2月26日閲覧。