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﹃いつか読書する日﹄︵いつかどくしょするひ︶は、2005年の日本映画。中年の独身女性を主人公に、青春時代に交際していた同級生と、その病床の妻との関係を中心に、背景には介護、認知症、児童虐待などが描かれている恋物語作品。
ストーリー[編集]
幼い頃に父と死別し青春時代に母も失った大場美奈子︵田中裕子︶は、未郷の町で未婚のまま50歳を迎え、早朝の牛乳配達と昼間のスーパーのレジ係で生計を立てている。彼女には親しく付き合っている亡母の友人︵渡辺美佐子︶がいるが、彼女の夫︵上田耕一︶は認知症の初期にあった。
一方、高校時代に美奈子と交際していた同級生の高梨槐多︵岸部一徳︶は、役所の児童課に勤務し親の虐待を受けている児童の保護にあたっている。彼には余命いくばくもない病床の妻の高梨容子︵仁科亜季子︶がおり昼はヘルパーを雇っているが 夜は彼自身が献身的に介護をしている。
二人は青春時代に運命のいたずらで仲を引き裂かれた暗い過去があった。美奈子の母親︵鈴木砂羽︶と高梨の父親︵杉本哲太︶が不慮の事故死をとげ不倫関係が世間の明るみに出てしまい、以降は互いの恋愛感情を封印するのが最善と考え相手を無視しつつ別々の人生を歩んで来た。しかし美奈子は50歳を迎えたいまになってその想いをラジオへ密かに投稿してしまう。
ある日に高梨宅に配達時、牛乳箱に自分宛のメモを見つける。容子からの手紙で﹁会いたい﹂と書かれていた。不信に思いつつ訪問する美奈子に容子は﹁夫は今でもあなたを慕っているので私が死んだら夫と一緒になってほしい。それが最期の願い﹂と告げる。容子には二人の感情が見えたのだ。
唐突な内容と頼みを受け激しく動転する美奈子。だが、容子は死期を迎えることになった。葬儀も終え一段落し高梨を誘い、お互いの親の事故現場を訪れた二人は今までの積年の想いを伝える。そして初めて結ばれたのだが…。