せっぺとべ
表示
座標: 北緯31度35分22秒 東経130度20分49.7秒 / 北緯31.58944度 東経130.347139度
祭りが行われる日置市
せっぺとべ︵せっぺ、跳べ︶とは、鹿児島県日置市日吉町日置及び、同市日吉町吉利で行われる御田植祭の一種。日置市により無形民俗文化財に指定されている[1]。なお﹁せっぺとべ﹂は﹁精一杯、跳べ﹂と言う意味の鹿児島弁である[2]。
概要[編集]
400年以上前の1595年︵文禄4年︶に、日置島津家の第3代島津常久が、日置八幡神社を日置の総鎮守と定めた頃に始まったとされる。日置八幡神社︵市指定史跡[3]︶と、隣の吉利鬼丸神社︵市指定史跡[4]︶が主体となり、毎年6月初旬に開催される。 八幡神社と鬼丸神社にて、各地区の虚無僧踊りや棒踊り・鎌踊り・笹踊りなどの﹁お田植え踊﹂が奉納される。これらの舞踊も市の無形民俗文化財である[5]。その後、神田にてせっぺとべが始まる。 ﹁二才衆﹂︵成年式を終えた未婚青年の集まり[6]︶とよばれる白装束の男達︵焼酎を飲んでかなり酔っている︶が、田植え前の神田に入り、円陣を組んで﹁やれとべ、せっぺとべ ﹂と歌い、泥塗れになりながら飛び跳ねる所作をする。これには一年の豊作祈願のほか、田んぼの泥をこねて耕す意味と、害虫を踏んで駆除する意味があるとされる[7][2]。また日置八幡神社のせっぺとべでは仮面神である巨大な﹁大王殿︵デオドン︶﹂が現れ、田んぼの神事を見守る。この大王殿は﹃三国名勝図会﹄によると、かつては秋の収穫祭︵鹿児島県地方で﹁ホゼ︵放生会︶﹂と言う︶の時期に現れていたが[8]、現在ではせっぺとべに登場するようになったという。 新型コロナウイルス感染防止の措置により、2020年︵令和2年︶に続き2021年︵令和3年︶のせっぺとべは中止となった[9]。脚注[編集]
(一)^ 鹿児島県. “お田植え祭﹁せっぺとべ﹂”. 鹿児島県. 2019年9月17日閲覧。
(二)^ ab日置市. “せっぺとべ”. 日置市. 2019年9月17日閲覧。
(三)^ 日置市. “八幡神社”. 日置市. 2019年9月17日閲覧。
(四)^ 日置市. “鬼丸神社”. 日置市. 2019年9月17日閲覧。
(五)^ 日置市. “お田植え踊”. 日置市. 2019年9月17日閲覧。
(六)^ 若者組 コトバンク
(七)^ 鹿児島県高等学校歴史部会 2005, pp. 112.
(八)^ 鹿児島県教育庁文化財課 2018, pp. 257–258.
(九)^ 総務企画部商工観光課観光戦略係. “せっぺとべ”. 日置市. 2021年5月19日閲覧。