カレル・ヤロミール・エルベン
カレル・ヤロミール・エルベン︵Karel Jaromír Erben, 1811年11月7日 ミレティーン・ウ・イチーナ - 1870年11月21日︶は、19世紀ボヘミアの作家・詩人・ジャーナリスト・フォークロア研究家。フラデク・クラーロヴェーの神学校に進み、1831年にプラハに出て哲学と法学を修める。1843年にフランティシェク・パラツキーについて国民博物館研究員となる。1848年にはプラハの新聞編集者に転身。その後1850年に国民博物館に復帰し、古文書保管所の秘書となる。肺結核のために他界した。
文学者としては、民間伝説や民話に基づく詩集﹃詩の花束 Kytice﹄︵初版1853年、改訂版1861年︶が有名。以下の13篇からなり、ドヴォルザーク晩年の交響詩やフィビフのメロドラマの題材となっている。
(一)花束︵エルベンによる序詞︶ Kytice
(二)財宝 Poklad
(三)花嫁衣装 Svatební košile
(四)昼霊︵真昼の魔女︶ Polednice
(五)金の糸車 Zlatý kolovrat
(六)クリスマス・イヴ Štědrý den
(七)野鳩 Holoubek
(八)ザーホシュのベッド Záhořovo lože
(九)水の精︵河童︶ Vodník
(十)柳 Vrba
(11)百合 Lilie
(12)娘の呪い Dceřina kletba
(13)巫女 Věštkyně
ほかに、500の民謡を集めた﹃チェコにおける民族詩 Písně národní v Čechách﹄︵1842年 - 1845年︶や、5部分からなる民話集﹃素朴な民族の小唄とわらべ歌 Prostonárodní české písně a říkadla﹄︵1864年︶などの著作もある。
外部リンク・参照項目[編集]
- チェコ文学史(3)カレル・ヤロミール・エルベン - ウェイバックマシン(2003年9月2日アーカイブ分)(本稿の作成にあたって参照させていただいた)
- ミレルDプログラム(7作品/85分) - ウェイバックマシン(2006年6月22日アーカイブ分)「りんごのお姫様(Jablonova panna)」が該当部分
- 小原雅俊(編)『文学の贈物:東中欧文学アンソロジー』(未知谷、2000年 ISBN 978-4896420081)
- 大竹國弘(訳編)『チェコスロバキアの民話』(恒文社、1980年 ISBN 978-4770403513)
- カレル・ヤロミール・エルベン『金色の髪のお姫さま チェコの昔話集』(木村有子・訳、岩波書店、2012年 ISBN 978-4001156577)
- カレル・ヤロミール・エルベン『命の水 チェコの民話集』(出久根育・絵、阿部賢一・訳、西村書店、2017年、ISBN 978-4890139859)