スペースX Crew-6

スペースX Crew-6
COSPAR ID	2023-027A
	クルードラゴンの飛行 « スペースX Crew-5 アクシオムミッション2 »

スペースX Crew-6
	国際宇宙ステーション（ISS）に接近するCrew-6のクルーが搭乗したクルードラゴンエンデバー
名称	USCV-6
任務種別	ISS乗員輸送
運用者	スペースX
COSPAR ID	2023-027A
任務期間	185日（完了）
特性
宇宙機	クルードラゴンエンデバー
宇宙機種別	クルードラゴン
製造者	スペースX
打ち上げ時重量	12,519 kg
着陸時重量	9,616 kg
乗員
乗員数	4
乗員	スティーブ・ボーエン（英語版）; ウォーレン・ホバーグ（英語版）; スルタン・アル・ネヤディ（英語版）; アンドレイ・フェジャーエフ（英語版）;
任務開始
打ち上げ日	2023年3月2日 05:34:14 UTC
ロケット	ファルコン9ブロック5 B1078.1
打上げ場所	ケネディ宇宙センター、LC-39A
打ち上げ請負者	スペースX
任務終了
回収担当	ミーガン
着陸日	2023年9月4日 04:07 UTC
着陸地点	大西洋
軌道特性
参照座標	地球周回軌道
体制	低軌道
傾斜角	51.66°
ISSのドッキング（捕捉）
ドッキング	ハーモニー天頂側
ドッキング（捕捉）日	2023年3月3日 06:40 UTC
分離日	2023年5月6日 11:23 UTC
ドッキング時間	64日 4時間 43分
ISS（再配置）のドッキング（捕捉）
ドッキング	ハーモニー前方側
ドッキング（捕捉）日	2023年5月6日 12:01 UTC
分離日	2023年9月3日 11:05 UTC
ドッキング時間	119日 23時間 4分
	; スペースX Crew-6の徽章; ; （左から）アル・ネヤディ、ホバーグ、ボーエンおよびフェジャーエフ商業乗員輸送計画（英語版） « スペースX Crew-5 スペースX Crew-7 »

スペースX Crew-6はクルードラゴン宇宙船による、NASA商業乗員︵英語版︶飛行としては6回目、有人軌道飛行としては9回目の飛行である。このミッションは2023年3月2日の05:34:14 UTCに打ち上げられ、2023年3月3日 06:40 UTCに国際宇宙ステーション︵ISS︶へのドッキングに成功したCrew-6ミッションでは国際宇宙ステーション︵ISS︶へ4名の乗員を輸送した。このミッションには2名のNASAの飛行士、1名のアラブ首長国連邦の飛行士および1名のロシア人飛行士が割り当てられた。2名のNASAの飛行士はスティーブ・ボーエン︵英語版︶とウォーレン・ホバーグ︵英語版︶が割り当てられている^[5]。ロシアのアンドレイ・フェジャーエフ︵英語版︶飛行士はソユーズMS-23から割り当て変更された。スルタン・アル・ネヤディ︵英語版︶がこの飛行での首長国連邦の任務を指揮した。

クルー[編集]

2022年3月24日に欧州宇宙機関はデンマーク人飛行士アンドレアス・モーゲンセン︵英語版︶が予備クルーをつとめると発表した^[6]。2022年4月29日、MBRSC︵英語版︶およびアクシオム・スペースはCrew-6には1名のアラブ首長国連邦の飛行士が搭乗すると発表した^[^7]。このミッションへのMBRSCの参加は、NASAの宇宙飛行士マーク・T・ヴァンデハイがソユーズMS-18︵打ち上げ︶およびソユーズMS-19︵帰還︶に搭乗し、ISSにアメリカ人飛行士が継続して搭乗させるという2021年のNASAとアクシオムとの合意の副産物である。その見返りとして、アクシオムはNASAが所有するスペースX Crew-6の座席の権利を取得した。アクシオムはアラブ首長国連邦との合意に基づき、MBRSCの職業宇宙飛行士に飛行の機会を与えることになった^[8]。その後、この飛行士がスルタン・アル・ネヤディ︵英語版︶であることが確認された^[9]。アンドレイ・フェジャーエフ︵英語版︶は2022年7月に、ISSに少なくとも1名のNASAの飛行士と、1名のロスコスモスの飛行士を搭乗させるためのソユーズ・ドラゴン乗員交代システムの一部としてこのこのミッションに選別された^[10]。これによって両国はステーションでの存在感を確保し、ソユーズないし商業乗員輸送機のどちらかが長期間飛行停止となった場合にもそれぞれのシステムを維持することが可能となる^[11]。

地位	宇宙飛行士
船長	スティーブ・ボーエン（英語版）, NASA 第68 / 69次長期滞在 4回目の宇宙飛行
操縦士	ウォーレン・ホバーグ（英語版）, NASA 第68 / 69次長期滞在 1回目の宇宙飛行
第1ミッションスペシャリスト	スルタン・アル・ネヤディ（英語版）, MBRSC（英語版）第68 / 69次長期滞在 1回目の宇宙飛行
第2ミッションスペシャリスト	アンドレイ・フェジャーエフ（英語版）, ロスコスモス第68 / 69次長期滞在 1回目の宇宙飛行

地位	宇宙飛行士
船長	ジャスミン・モグベリ（英語版）, NASA
操縦士	アンドレアス・モーゲンセン（英語版）, ESA
第1ミッションスペシャリスト	ハザ・アル・マンスーリ（英語版）^[12], MBRSC（英語版）
第2ミッションスペシャリスト	コンスタンチン・ボリソフ（英語版）^[13], ロスコスモス

ミッション[編集]

6回目のスペースXが運用する商業上員輸送計画︵英語版︶のミッションは2023年3月2日に打ち上げられ、約6ヶ月間続いた。このミッションは2023年2月27日早朝の打ち上げが計画されていた。しかしながら、1度目の打ち上げの試みは中止され、2023年3月2日 05:34 UTCに再スケジュールされた^[2]^[3]^[4]。2回目の打ち上げの試みは成功した。 Crew-6のドラゴンカプセルは、Crew-5同様にソユーズMS-23とともに緊急避難的にソユーズMS-22の乗組員を帰還させるための宇宙カプセルとしても設計されている。ロスコスモスはこの能力を使う代わりに、MS-22のクルーを帰還させるためにクルーなしでソユーズMS-23を打ち上げることを選択した^[14]。

打ち上げの試み[編集]

最初の打ち上げの試みは、TEA-TEB自然発火液の問題で、打ち上げ2時間12分前︵T-02:12︶に延期された ^[15]。︵時刻はUTC︶

回目	時刻	結果	再準備期間	理由	決定時間	好天確率 (%)	補足
1	2023-02-27, 06:45:03 UTC 2023年2月27日6:45:03 am	延期	---	TEA-TEB 点火剤問題	2023-02-27, 06:43 2023年2月27日6:43:00 am(-00:02:12前)	95^[16]	ロケットの打ち上げ失敗リスク（点火ミスや早期エンジンカット）
2	2023-03-02, 05:34:14 UTC 2023年3月2日5:34:14 am	成功	2日22時間49分			95^[17]

ギャラリー[編集]

スペースX Crew-6

打ち上げ前のCrew-6の宇宙飛行士
Crew-6の打ち上げ
ISSに接近するCrew-6

脚注[編集]

(一)^ “NASA Updates Commercial Crew Flight Manifest to Space Station”. NASA (2022年11月3日). 2022年11月5日閲覧。 “The Crew-6 mission will be Dragon Endeavour's fourth flight to the space station” (二)^ ^a ^bClark, Stephen (2023年1月13日). “Launch Schedule”. Spaceflight Now. 2023年1月13日閲覧。 (三)^ ^a ^bCawley, James (2023年2月27日). “NASA, SpaceX Look to March 2 for Next Available Crew-6 Launch Attempt”. NASA. 2023年2月27日閲覧。 “... NASA and SpaceX will forgo a launch opportunity on Tuesday, Feb. 28, due to unfavorable weather forecast conditions. The next available launch attempt is at 12:34 a.m. EST Thursday, March 2, pending resolution of the technical issue preventing Monday's launch. ...” (四)^ ^a ^bWall, Mike (2023年2月27日). “SpaceX scrubs Crew-6 astronaut launch due to ignition-fluid issue”. Space.com. 2023年2月27日閲覧。 “... The next launch opportunity comes on Thursday (March 2) at 12:34 a.m. EST (0534 GMT); weather on Tuesday (Feb. 28), the first possible opportunity before that, is not favorable for launch ...” (五)^ Potter, Sean (2021年12月16日). “Two Astronauts Receive Assignments for NASA's SpaceX Crew-6 Mission”. NASA. 2021年12月17日閲覧。

この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。 (六)^ @esaspaceflight (2022年3月24日). "@YannickJungman3 @Astro_Andreas @Space_Station @SpaceX @esa @UFM_MIN @DTUtweet @AschbacherJosef Pilot for Crew-7, a…". X︵旧Twitter︶より2022年10月17日閲覧。 (七)^ “Emirati astronaut set for six-month mission to International Space Station” (2022年4月29日). 2022年4月29日閲覧。 (八)^ “Axiom Space and the Mohammed bin Rashid Space Center Sign Agreement for UAE Astronaut to Fly on the ISS in 2023” (2022年4月29日). 2022年4月29日閲覧。 (九)^ “UAE's Sultan Al Neyadi to be first Arab astronaut to spend 6 months on ISS” (2022年7月25日). 2022年7月25日閲覧。 (十)^ “SpaceX rockets to fly Russian cosmonauts with new NASA deal”. CNN.com. CNN (2022年7月15日). 2022年7月16日閲覧。 “Andrei Fedyaev will fly on another SpaceX mission in the spring of 2023, according to NASA.” (11)^ “Rogozin says Crew Dragon safe for Russian cosmonauts”. SpaceNews (2021年10月26日). 2021年12月17日閲覧。 (12)^ “UAE's first astronaut to serve as backup on Sultan Al Neyadi's 6-month mission to ISS”. Zawya (2022年9月25日). 2022年10月17日閲覧。 (13)^ “Medics find Russian cosmonauts fit for flying on Crew Dragon to ISS”. 2022年10月17日閲覧。 (14)^ Expedition 68 NASA's SpaceX Crew-6 Leaders Discuss Mission - Jan. 25, 2023. NASA Video. 25 January 2023. 2023年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。YouTubeより2023年3月25日閲覧。 (15)^ “Shortly before liftoff, SpaceX cancels a crew launch due to igniter issues – Ars Technica” (英語). 2023年2月27日閲覧。 (16)^ https://twitter.com/commercial_crew/status/1630081811438026752?s=61&t=03OFAo5cEHVpYoIF7s6OCg (17)^ https://twitter.com/spacex/status/1630821399718936576?s=61&t=Edyh7JD4J6RJiRPCRMNbEA

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表話編歴国際宇宙ステーションへの有人宇宙飛行
1998年-2004年	1998年 STS-88 1999年 STS-96 2000年 STS-101 STS-106 STS-92 ソユーズTM-31 STS-97 2001年 STS-98 STS-102 STS-100 ソユーズTM-32 STS-104 STS-105 ソユーズTM-33 STS-108 2002年 STS-110 ソユーズTM-34 STS-111 STS-112 ソユーズTMA-1 STS-113 2003年ソユーズTMA-2 ソユーズTMA-3 2004年ソユーズTMA-4 ソユーズTMA-5
2005年-2009年	2005年ソユーズTMA-6 STS-114 ソユーズTMA-7 2006年ソユーズTMA-8 STS-121 STS-115 ソユーズTMA-9 STS-116 2007年ソユーズTMA-10 STS-117 STS-118 ソユーズTMA-11 STS-120 2008年 STS-122 STS-123 ソユーズTMA-12 STS-124 ソユーズTMA-13 STS-126 2009年 STS-119 ソユーズTMA-14 ソユーズTMA-15 STS-127 STS-128 ソユーズTMA-16 STS-129 ソユーズTMA-17
2010年-2014年	2010年 STS-130 ソユーズTMA-18 STS-131 STS-132 ソユーズTMA-19 ソユーズTMA-01M ソユーズTMA-20 2011年 STS-133 ソユーズTMA-21 STS-134 ソユーズTMA-02M STS-135 ソユーズTMA-22 ソユーズTMA-03M 2012年ソユーズTMA-04M ソユーズTMA-05M ソユーズTMA-06M ソユーズTMA-07M 2013年ソユーズTMA-08M ソユーズTMA-09M ソユーズTMA-10M ソユーズTMA-11M 2014年ソユーズTMA-12M ソユーズTMA-13M ソユーズTMA-14M ソユーズTMA-15M
2015年-2019年	2015年ソユーズTMA-16M ソユーズTMA-17M ソユーズTMA-18M ソユーズTMA-19M 2016年ソユーズTMA-20M MS-01 MS-02 MS-03 2017年 MS-04 MS-05 MS-06 MS-07 2018年 MS-08 MS-09 MS-10 MS-11 2019年 MS-12 MS-13 MS-15
2020年以降	2020年 MS-16 Crew Dragon Demo-2 MS-17 Crew-1 2021年 MS-18 Crew-2 MS-19 Crew-3 MS-20 2022年 MS-21 Axiom-1 Crew-4 MS-22 Crew-5 2023年 MS-23 Crew-6 Axiom-2 Crew-7 MS-24 2024年 Axiom-3
進行中	Crew-8 MS-25 Boe-CFT
予定	2024年 Crew-9 MS-26 Axiom-4（英語版） 2025年ボーイングスターライナー1 Crew-10
宇宙船	過去スペースシャトル現在クルードラゴンソユーズ将来ボーイング・スターライナーオリョール

表話編歴ドラゴン/ドラゴン2の飛行一覧
過去のミッション	実証飛行1 実証飛行2（英語版） CRS-1 CRS-2 CRS-3 CRS-4 CRS-5 CRS-6 CRS-7† CRS-8 CRS-9 CRS-10 CRS-11 CRS-12 CRS-13 CRS-14 CRS-15 CRS-16 Crew Dragon Demo-1 CRS-17 CRS-18 CRS-19 CRS-20 Crew Dragon Demo-2 Crew-1 CRS-21 Crew-2 CRS-22 CRS-23 インスピレーション4 Crew-3 CRS-24 Axiom-1 Crew-4 CRS-25 Crew-5 CRS-26 CRS-27 Axiom-2 CRS-28
現在のミッション	Crew-6 Crew-7
将来のミッション	CRS-29 ポラリスドーン（英語版） Axiom-3 Crew-8 Axiom-4（英語版） CRS-30
関連項目	ファルコン9 打ち上げ一覧商業軌道輸送サービス商業補給サービス ISSへの無人飛行一覧
†は打ち上げ失敗