ダイバーシティ (無線通信技術)
無線通信におけるダイバーシティ︵英語: Diversity, イギリス英語:/daɪˈvɜːsɪti/, アメリカ英語: /dɪˈvɝsəti/︶とは、無線信号を2つ以上の複数のアンテナで受信することによって通信の質や信頼性の向上を図る技術のことである。具体的には、電波状況の優れたアンテナの信号を優先的に用いたり、複数のアンテナで受信した信号を合成してノイズを除去したりする。受信でなく送信に対して適用したものは送信ダイバーシティという。古い文献などでは﹁ダイバーシチ﹂と表記されている場合もある。
例えば大きなビルの側で携帯電話を使うと、直接届く電波と、ビルに反射して届く電波があり、2つの電波はわずかに到達時間に差が生じ︵マルチパス︶、2つの電波が干渉して通信の質が落ちる。このような干渉性フェージングには、ダイバーシティのうち特に空間ダイバーシティが効果的である。
ダイバーシティの種類[編集]
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応用[編集]
フェージングによる影響を強く受けやすい移動体通信全般に広く用いられる。
携帯電話・PHSの基地局[編集]
ダイバーシティは、ほとんどの携帯電話やPHSの基地局に用いられる。特にPHS基地局では、小出力のものも含めてそのほとんどはアンテナを複数本使用したダイバーシティ方式である。携帯電話・PHSの移動局[編集]
携帯電話やPHSの移動局︵端末︶においては、アンテナを2系統以上有し、電波状況の優れたほうのアンテナを優先的に利用し、通話の安定性を高めるために広く採用される。 2本のアンテナが1/2波長以上離れていれば、それぞれのアンテナの受信状態の相関はないといわれている[2]。ところで、NTTドコモの携帯電話﹁mova﹂が使っている800MHz帯の場合、1/2波長は18cm程度となり上述の条件を満たさないが、実際は地板の不完全さにより、相関は低くなることが報告されている[3]。 携帯電話やPHSのアンテナは、端末筐体外部から見えるものは通常1本だが︵ただし、全て外部から見えない内蔵アンテナを複数持つ場合も近年は多い︶、本体内部に複数のサブアンテナが入っているものもある。 例えば、NTTドコモの携帯電話﹁mova﹂では本体に2系統のアンテナを有している。CDMA技術を使った携帯電話ではレイク受信により、ダイバーシティと同等の効果が得られるため、アンテナは1系統でよい。その他[編集]
- ラジオコントロールカーの分野でも、ダイバーシティアンテナの使用が始まっている。
- 双葉電子工業からダイバーシティを使った受信機が発売されている(R603FS,R604FS,R604FS-E)。
- カーオーディオではFM放送受信時のマルチパスノイズを低減し、電波状況の良いアンテナに切り替えて受信するために採用される。また車載テレビではノイズやゴースト障害の発生を抑え、安定した音声と映像を得るためダイバーシティアンテナを採用する機種が多い。
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