トゥルー・グリット
トゥルー・グリット | |
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True Grit | |
監督 |
ジョエル・コーエン イーサン・コーエン |
脚本 |
ジョエル・コーエン イーサン・コーエン |
原作 |
チャールズ・ポーティス 『勇気ある追跡』 |
製作 |
スコット・ルーディン イーサン・コーエン ジョエル・コーエン |
製作総指揮 |
スティーヴン・スピルバーグ ポール・シュウェイク ミーガン・エリソン デヴィッド・エリソン ロバート・グラフ |
ナレーター | エリザベス・マーヴェル |
出演者 |
ジェフ・ブリッジス ヘイリー・スタインフェルド マット・デイモン ジョシュ・ブローリン |
音楽 | カーター・バーウェル |
撮影 | ロジャー・ディーキンス |
編集 | ロデリック・ジェインズ |
製作会社 |
パラマウント映画 スコット・ルーディン・プロダクションズ スカイダンス・プロダクションズ マイク・ゾス・プロダクションズ |
配給 | パラマウント映画 |
公開 |
2010年12月22日 2011年3月18日 |
上映時間 | 110分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $38,000,000[1] |
興行収入 |
$171,243,005[1] $252,276,927[1] 2億円[2] |
﹃トゥルー・グリット﹄︵原題: True Grit︶は、コーエン兄弟監督、製作、脚本による2010年のアメリカ映画。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を執った。1969年にジョン・ウェインが主演を務めた西部劇映画﹃勇気ある追跡﹄をリメイクしたもので、チャールズ・ポーティスが著した原作小説の再映画化である。主演はジェフ・ブリッジスで、共演にヘイリー・スタインフェルド、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、バリー・ペッパーなど。
第61回ベルリン国際映画祭ではオープニング作品として上映された[3]。
ストーリー[編集]
14歳の少女マティ・ロスは、フォート・スミスで牧場の使用人トム・チェイニーに父を殺され、馬と金貨と銃を盗まれた。父のかたきをうつために彼女は腕利きと評判の連邦保安官︵マーシャル︶ルースター・コグバーンを雇うことにした。コグバーンは元泥棒で大酒飲みだが、マティの真摯な気持ちと金に動かされてチェイニーを狩ることにする。仲間にテキサス・レンジャーで、テキサス州議員を殺した賞金のためにチェイニーを追うラ・ビーフも加わるが、マティに対する方針の違いとコグバーンとの不仲から喧嘩別れになってしまう。 チェイニーがお尋ね者ラッキー・ネッド一味と合流しているのを知ったマティとコグバーンは、彼らの仲間のムーンとクィンシーが隠れ住む小屋に入り込むが、手ちがいで二人とも殺してしまう。夜中にやって来たネッド一味の一人を殺し、彼らを追跡していたラ・ビーフと再び合流したあと、一行はネッドらのアジトを目指して出発する。 道中、コグバーンはたった一人で七人と決闘して勝ったことを、ラ・ビーフは超遠距離からの狙撃を成功させたことを自慢するが、互いに相手の話を信じず喧嘩になってしまう。途中で水を汲みに行ったマティは川でいきなりチェイニーと遭遇し、父の遺産だったコルト・ドラグーンで彼を撃ち重傷を負わせるが、逆に捕まってしまう。 マティを人質に取られたコグバーンはネッド一味の残り4人と決闘をおこなって3人を殺し、ネッドに致命傷を負わせて勝利するも、落馬してしまう。コグバーンは瀕死のネッドに殺されそうになるが、ラ・ビーフのカービン銃による狙撃で救われる。チェイニーと一緒に残されたマティは、不意打ちでラ・ビーフを襲ったチェイニーを父の銃で殺すが、銃を撃った勢いでガラガラ蛇の穴に落ちて蛇に噛まれる。 マティを救うためにコグバーンは馬を走らせ、馬が死ぬと最後には彼女を抱えて一晩中走り続け、マティを人里に届ける。マティは一命を取り留めるが、彼女が回復するまでずっと傍にいたというコグバーンは、目を覚ました時にはいなくなっていた。マティはコグバーンに手紙を書くが返事はなく、ラ・ビーフのその後は不明である。 冒険は終わった。それから25年後、毒の治療で片腕を失って成長したマティは、必死に父の事業を引き継いで働いてきた為ずっと独身だった。ついにワイルド・ウエスト・ショーで働くコグバーンから手紙が届き彼の消息を知るが、彼女が訪ねて行ったときにはその3日前に死んでおり、南軍の共同墓地に葬られていた。コグバーンが﹁ナイトホース病にかかった﹂と言っていた事を笑いながら話すショーの興行主、かつての﹁敵﹂の同類であるコール・ヤンガーを﹁クズ!﹂と罵ったマティは、コグバーンの遺体を引き取って、自分のそばに埋葬し供養した。マティは生きていれば老人であろうラ・ビーフを探し続ける。キャスト[編集]
※括弧内は日本語吹き替え ●ルースター︵ルーベン・J︶・コグバーン - ジェフ・ブリッジス︵有川博︶ 眼帯が特徴の連邦保安官。 ●マティ・ロス - ヘイリー・スタインフェルド︵三村ゆうな︶ 父をチェイニーに殺され復讐を誓い、コグバーンを雇う。 ●ラ・ビーフ - マット・デイモン︵平田広明︶ テキサスレンジャー。チェイニーを追ってきた。 ●トム・チェイニー - ジョシュ・ブローリン︵谷昌樹︶ マティの父親を殺害した。 ●ラッキー・ネッド・ペッパー - バリー・ペッパー︵廣田行生︶ ●ストーンヒル - デイキン・マシューズ︵小山武宏︶ ●葬儀師 - ジャーラス・コンロイ︵島香裕︶ ●エメット・クインシー - ポール・レイ︵坂本くんぺい︶ ●ムーン - ドーナル・グリーソン︵茶花健太︶ ●マティ・ロス︵大人︶ - エリザベス・マーヴェル︵塩田朋子︶製作[編集]
企画は2008年2月頃に噂されたが[4]、その後2009年3月にコーエン兄弟が監督に決まるまで音沙汰が無かった[5]。本作の脚本は父を殺された少女の視点となっており、1969年版よりも原作に近くなっている[6]。イーサン・コーエンは﹁リメイクした理由はチャールズ・ポーティスの原作に強く惹かれたから﹂、﹁オリジナル版は子供の頃に観たきりで全く覚えていないため、影響は全く受けていない﹂と明かしている[7]。 2009年11月にマティ・ロス役のためのキャスティング・セッションがテキサスで行われ、1万5000人の候補者から選考されたが中々見つからず、最終的にロサンゼルス出身のヘイリー・スタインフェルド︵当時13歳︶に決定した[7][8][9]。 撮影は2010年3月から4月にかけてテキサス州グレンジャー及びオースティンと、ニューメキシコ州サンタフェで行われた[10]。撮影中は天候に恵まれなかった[7]。評価[編集]
興行成績[編集]
2010年12月22日にアメリカとカナダで公開され、初週末3日間で2483万443ドルを稼いで初登場2位となった[11]。2週目も2位を維持し[12]、3週目には1位となった[13]。2011年2月24日までに北米で1億6479万7553ドルを稼いでおり[1]、コーエン兄弟の監督作では最大のヒット作となっている[14]。また、西部劇映画としては﹃ダンス・ウィズ・ウルブズ﹄に次いで歴代2位の北米興行収入である[15]。批評[編集]
Rotten Tomatoesには259件のレビューで支持率が96%、平均点が8.3/10となった[16]。Metacriticでは41のレビュー中肯定的なものが39で、平均点は100点満点で80点だった[17]。 ロジャー・イーバートは4つ星満点中3.5つ星を与えた[18]。﹃ローリング・ストーン﹄誌のピーター・トラヴァースが選ぶ2010年の映画トップ10では4位となった[19]。他に映画監督のクエンティン・タランティーノも本作を2010年のベストの一つに挙げている[20]。 第83回アカデミー賞では作品賞を含む10部門にノミネートされたが、無冠に終わった。出典[編集]
(一)^ abcd“True Grit (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2011年11月6日閲覧。
(二)^ ﹁キネマ旬報﹂2012年2月下旬決算特別号 211頁
(三)^ “Coen Brothers’ True Grit to Open the 61st Berlinale”. berlinale.de. 2010年12月15日閲覧。
(四)^ “Joel and Ethan Coen saddle up for truly gritty remake of Western classic”. Daily Mail. 2010年2月16日閲覧。
(五)^ “Coen brothers to adapt 'True Grit'”. Variety. 2010年2月16日閲覧。
(六)^ “True Grit Exclusive – Movies News at IGN”. IGN. 2010年2月16日閲覧。
(七)^ abc“コーエン兄弟を直撃、初めてのウエスタン作品について語る!”. シネマトゥデイ (2010年12月23日). 2011年2月25日閲覧。
(八)^ “True Grit Film – casting Call”. Truegritcasting.com. 2010年2月16日閲覧。
(九)^ Carr, David (2010年12月16日). “The Coen Brothers, Shooting Straight”. New York Times 2010年12月22日閲覧。
(十)^ “Coen Brothers to film 'True Grit' remake in NM”. Boston Herald. 2010年2月16日閲覧。
(11)^ “Weekend Box Office Results for December 24-26, 2010” (英語). Box Office Mojo. 2011年2月25日閲覧。
(12)^ “Weekend Box Office Results for December 31-January 2, 2011” (英語). Box Office Mojo. 2011年2月25日閲覧。
(13)^ “Weekend Box Office Results for January 7-9, 2011” (英語). Box Office Mojo. 2011年2月25日閲覧。
(14)^ “Ethan Coen Movie Box Office Results” (英語). Box Office Mojo. 2011年2月25日閲覧。
(15)^ “Western Movies at the Box Office” (英語). Box Office Mojo. 2011年2月25日閲覧。
(16)^ “True Grit (2010)” (英語). Rotten Tomatoes. Flixster. 2011年2月25日閲覧。
(17)^ “True Grit Reviews, Ratings, Credits, and More at Metacritic”. Metacritic. 2011年2月25日閲覧。
(18)^ “True Grit”. rogerebert.suntimes.com (2010年12月21日). 2010年12月22日閲覧。
(19)^ “﹁ローリング・ストーン﹂誌が選ぶ2010年の映画トップ10”. 映画.com (2010年12月10日). 2011年2月25日閲覧。
(20)^ “クエンティン・タランティーノ監督が選ぶ2010年の映画ベスト20”. 映画.com (2011年1月5日). 2011年2月25日閲覧。