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ノーウッドの建築業者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノーウッドの建築業者
著者 コナン・ドイル
発表年 1903年
出典 シャーロック・ホームズの帰還
依頼者 ジョン・ヘクター・マクファーレン
発生年 1894年?
事件 ジョナス・オールデイカー氏殺害(冤罪
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"The Adventure of the Norwood Builder"56261903111903103119053The Return of Sherlock Holmes[1]





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調調3!33


備考[編集]

  • この作品は「空き家の冒険」の次に発表されており、時系列的にも「空き家の冒険」の数か月後、「8月の太陽を背に浴びながら探し回った」というホームズの台詞から、1894年8月の出来事と推測される。
  • この時期、密かに手を回したホームズの計らいによりワトソンは医院を売却し、再びベーカー街に下宿するようになっている。
  • ロンドンへの帰還後、「コロンビア元大統領ムリーリョの書類事件」と、危うく命を落としかけたという「オランダ汽船フリースランド号事件」を引き受けた模様だが、ホームズはそれでも退屈しており、冒頭では「モリアーティを倒して以後、入って来る依頼がどれもこれもつまらなくなった」とこぼし、ワトスンに「だがその平和は君によってもたらされた」と宥められている。さらに救援を求めて駆け込んできたマクファーレンに対しても、「逮捕ですって? それは何とも嬉しい話だ」と口を滑らせ、慌てて「――いや、失礼、興味深い話だ」と言い直している。
  • 火災後に見つかった黒焦げの焼死体が何だったのかについては本編中ホームズは結論を出しておらず。終盤で「自分は犯罪になるような事は何もしていない(冤罪は警察の勝手な勘違いだ)」と言い張る真犯人オールデイカーに「あんたの偽名口座も差し押さえられるだろうね。ところであの焼死体は何だったんだ? 犬か?それともウサギ2匹か?」と嘲笑うように聞くが、偽装は発覚済みにもかかわらずオールデイカーはこれには答えず「いつかこの礼はさせてもらいますよ」と述べる描写があるのみである。ホームズは「そうか、答えたくないか」と返した後、「この件について書く時にはウサギとでもしておいてくれ」とワトソンに声を掛ける。これについて英国グラナダTV製作版の「シャーロック・ホームズの冒険」では展開が若干変更され、真犯人の狡猾さと残忍さを描くポイントとしてこれも暴くストーリーが加筆され、原作にいなかった浮浪者が追加登場している。

脚注[編集]

  1. ^ ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、249頁