ユヴァル・アブラハム
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ユヴァル・アブラハム | |||||||||||
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第74回ベルリン国際映画祭でのユヴァル・アブラハム | |||||||||||
生年月日 | 1990年代年 | ||||||||||
国籍 | イスラエル[1] | ||||||||||
民族 | ユダヤ系[1] | ||||||||||
職業 | ジャーナリスト、映画監督、アラビア語-ヘブライ語翻訳者、活動家 | ||||||||||
ジャンル | ドキュメンタリー | ||||||||||
活動期間 | 2017年–現在 | ||||||||||
活動内容 | パレスチナ人への抑圧に対する反対[2] | ||||||||||
公式サイト | https://twitter.com/yuval_abraham | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
『ノー・アザー・ランド』 | |||||||||||
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ユヴァル・アブラハム (ヘブライ語: יובל אברהם; 英語: Yuval Abraham; 1990年代生まれ) は、イスラエルのジャーナリスト、映画監督、アラビア語-ヘブライ語翻訳者、そして活動家である。ヨルダン川西岸地区の入植者による暴力を描いたドキュメンタリー映画﹃ノー・アザー・ランド﹄(2024年)で共同監督を務め、ベルリン国際映画祭で反占領・反アパルトヘイトのスピーチを行い、国際的に注目を浴びるようになった。
生い立ち[編集]
エルサレムを拠点とするアブラハムは、中流階級の家庭に生まれ、イスラエル南部で育った[3]。アラブ系ユダヤ人とヨーロッパ系ユダヤ人の家系で、ユダヤ系イエメン人の祖父は流暢なアラビア語パレスチナ方言話者だった[1]。彼の祖母は当時ドイツの同盟国だったイタリア領リビアの強制収容所で生まれ、もう一人の祖父はホロコーストで家族のほとんどを失った[4]。アブラハムはアラビア語と映画製作を学んだ[5]。キャリア[編集]
アラビア語を学び、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人と出会い、イスラエル国防軍によって家を取り壊された家族の家に滞在することによって、アブラハムは﹁パレスチナ人への抑圧に反対する積極的に発言する活動家﹂になった[6][2]。彼は言語教育に携わり、アラビア語を教えてきた[7]。 2019年、アブラハムは、ガザ地区の著述家コレクティブ﹁ウィー・アー・ノット・ナンバーズ(WANN)﹂を運営するロンドンを拠点とするジャーナリストのアフメド・アルナウクにインタビューを申し入れ、物語をより多くの人に届けたいと願うアルナウク氏が翻訳者とつながる手助けをした[8]。アブラハムとアルナウクは共に、パレスチナ人を人間的に描き、彼らを悪魔的に描写するイスラエルの主流のナラティブに異議を唱えることを目的として、パレスチナ人の物語をヘブライ語に翻訳するプラットフォーム﹁アクロス・ザ・ウォール﹂を設立した[6]。このウェブページには、2021年に100万人以上の訪問者が訪れたと報じられている。このプロジェクトは、2023年11月に幼い子供を含むアルナウクの家族23人がイスラエルの爆撃で殺害された後、無期限に中断している[9]。 2020年時点では、アブラハムは独立系左翼メディア﹃+972マガジン﹄と﹃ローカル・コール﹄でジャーナリスト兼調査報道記者として働いており、これらの場所を﹁エルサレムのパレスチナ人家族の家屋の取り壊しを記録したり、ジェニンで難民に語りかけたりすることで、わが国における抑圧のメカニズムを暴露するために自分の特権を利用しようと試みる﹂ことができる﹁唯一の場所﹂と呼んでいる[10]。また、ソーシャルTVでも働き、ジ・インターセプト[11]、ザ・ネイション、ミドル・イースト・アイなどの出版物に寄稿し、デモクラシー・ナウ![12]やCNN[13]に出演している。 アブラハムは、バセル・アドラ、ハムダン・バラル、ラケル・シザールと共同で監督を務め、イスラエル人入植者の暴力とマサフェル・ヤッタの自宅からの強制退去に抵抗するパレスチナ人であるアドラの長年の試みを描いたドキュメンタリー﹃ノー・アザー・ランド﹄に出演した。このグループはドキュメンタリー制作の事前経験がなく、当初は活動家やジャーナリストとしてこの物語にに取り組んだ[1]。5年以上にわたって協力し、さらにアドラとバラルはアドラの家族からのホームビデオを含むそれ以前の何年もの映像を持っており、このドキュメンタリーはアドラがアブラハムと親しくなる様子を描き、アドラの占領下での生活とアブラハムの自由な生活を並置している[2][14]。﹃ノー・アザー・ランド﹄は、2024年2月の第74回ベルリン国際映画祭 ︵ベルリナーレ︶で公開され高い評価を得て、最優秀ドキュメンタリー映画のパノラマ観客賞[15]とベルリン国際映画祭ドキュメンタリー映画賞[16][17]の2つのドキュメンタリー賞を受賞した。 アブラハムは受賞スピーチの中で、ガザでの停戦と、﹁アパルトヘイトの状況﹂そして被占領ヨルダン川西岸地区における自身とアドラとの間の﹁不平等﹂を終結するよう訴えた[18]。これは、カイ・ウェグナーのようなドイツの政治家たちから反ユダヤ主義との非難を浴び、アブラハムに対する殺害の脅迫と、彼のイスラエルの家族の家へ右翼の暴徒を扇動し、アブラハムはアテネでのストップオーバー中に帰国便をキャンセルすることを余儀なくされた[19][20]。アブラハムはソーシャルメディア上で、 ﹁この言葉の驚愕する誤用は...停戦を支持する私のようなイスラエル人を黙らせるために...反ユダヤ主義という言葉の意味を空虚なものにし、その結果世界中のユダヤ人を危険にさらす﹂とのバズった声明を発表した[20]。彼は、発言がドイツの政治家から発せられていることに﹁特に憤慨している﹂とし、また、﹁暴力的な入植地に囲まれた軍事占領下にある﹂アドラの安全にも懸念を示した[20][21]。ジャーナリスト保護委員会 (CPJ) は、アブラハムとその家族を保護するようイスラエル当局に促した[22]。 2024年3月のコペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭でも﹃ノー・アザー・ランド﹄は観客賞を受賞した[23]。出典[編集]
(一)^ abcdSalwa, Ola (2024年2月28日). “Basel Adra, Yuval Abraham • Directors of No Other Land”. CinEuropa. 2024年3月4日閲覧。
(二)^ abcVivarelli, Nick (2024年2月16日). “Palestinian, Israeli Activists Talk 'No Other Land' Doc on Eradication of Palestinian Villages and Hopes It Can Help 'Find a Political Solution'” (英語). Variety 2024年2月25日閲覧。
(三)^ Keane, Fergal (2023年11月6日). “The writers who reached out across the divide”. BBC News. 2024年3月4日閲覧。
(四)^ “Together but apart: Israeli-Palestinian duo's West Bank story at Berlinale” (2024年2月17日). 2024年3月4日閲覧。
(五)^ “Yuval Abraham”. Just Vision. 2024年3月4日閲覧。
(六)^ abAlnaouq, Ahmed (2022年7月26日). “Across the wall: The role of Palestinian stories in Hebrew”. 2024年3月4日閲覧。
(七)^ “Yuval Abraham”. Middle East Eye. 2024年3月4日閲覧。
(八)^ Noy, Orly (2020年1月6日). “Palestinians in Gaza are bringing their stories of siege to Israelis”. 2024年3月4日閲覧。
(九)^ Dayan, Linda (2023年11月2日). “Ahmed Wanted Israelis to Listen to Gazans. Then 23 of His Family Members Were Killed”. 2024年3月4日閲覧。
(十)^ “Support +972, a critical anti-occupation voice in Israel-Palestine - Yuval Abraham, writer”. Jewish Voice for Labour (2021年12月31日). 2024年3月4日閲覧。
(11)^ “Yuval Abraham, Author at the Intercept”. 2024年3月4日閲覧。
(12)^ “Shows featuring Yuval Abraham”. Democracy Now! (2023年12月1日). 2024年3月4日閲覧。
(13)^ Golodryga, Bianna (2024年1月11日). “Some Israeli intel officers 'shocked by what they were asked to do' in Gaza, says Israeli journalist”. CNN. 2024年3月4日閲覧。
(14)^ Rapold, Nicolas (2024年2月27日). “"There is No Nice Way to Bulldoze a School": Basel Adra and Yuval Abraham on No Other Land”. 2024年3月4日閲覧。
(15)^ Roxborough, Scott (2024年2月24日). “Berlin: Memories of a Burning Body, No Other Land Win Panorama Audience Awards”. The Hollywood Reporter 2024年2月24日閲覧。
(16)^ Abbatescianni, Davide (2024年2月24日). “Mati Diop’s Dahomey bags the Berlinale Golden Bear” (英語). Cineuropa 2024年2月25日閲覧。
(17)^ 日本放送協会 (2024年2月25日). “ベルリン国際映画祭 最高賞﹁金熊賞﹂にドキュメンタリー映画 | NHK”. NHKニュース. 2024年3月25日閲覧。
(18)^ “"The Apartheid Has to End": Director Yuval Abraham Highlights Palestinian Plight in Berlinale Speech”. Democracy Now! (2024年2月26日). 2024年3月4日閲覧。
(19)^ Mouriquand, David (2024年2月24日). “Antisemitism accusations, hacks, and criminal charges: The Berlinale controversy explained”. euronews 2024年2月29日閲覧。
(20)^ abc“イスラエルの﹁アパルトヘイト﹂を批判した同国の映画監督、殺害予告を受けていると明かす”. ハフポスト (2024年3月1日). 2024年3月25日閲覧。
(21)^ Vlessing, Etan (2024年2月27日). “Israeli Filmmaker Slams German Politicians for Branding Berlin Award-Winning Speech "Antisemitic"”. 2024年2月28日閲覧。
(22)^ “Media watchdog urges protection of Israeli journalist facing death threats after pro-Palestine speech” (2024年3月1日). 2024年3月4日閲覧。
(23)^ Pedersen, Lise (2024年3月22日). “‘The Flats,’ ‘Two Strangers Trying Not to Kill Each Other’ Pick Up Top Awards at CPH:DOX” (英語). Variety. 2024年3月25日閲覧。
外部リンク[編集]
- ユヴァル・アブラハム - IMDb(英語)
- 第74回ベルリン国際映画祭 - 『ノー・アザー・アザーランド』 (英語)