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ユートピア︵Utopia︶は、アメリカ合衆国出身のロック・バンド。
同国のマルチプレイヤー、トッド・ラングレン率いるプログレッシブ・ロックユニットとしてスタートし、以降は同氏のサイド・プロジェクトとして1980年代まで活動した。以後、1992年・2011年・2018年と短期の活動をしている。
結成期︵1973年 - 1986年︶[編集]
創設者トッド・ラングレン (2009年)
1973年、ソロアーティストとして成功していたミュージシャン トッド・ラングレンによる、プログレッシブ・ロックを演奏するユニットとして発足し、トッド・ラングレンズ・ユートピア︵Todd Rundgren's Utopia︶の名で活動を始める。
デビュー・アルバムのメンバーは、ケヴィン・エルマン (ドラム)、マーク・“ムーギー”・クリングマン (キーボード)、ジーン=イーヴズ・“Mフロッグ”・ラバット (キーボード)、トッド・ラングレン (ギター)、ラルフ・シュケット (キーボード)、ジョン・シーグラー (ベース)の6人。
2ndアルバム﹃アナザー・ライヴ﹄ではラバットとロジャー・パウエル (キーボード)が、エルマンとジョン・“ウィリー”・ウィルコックス (ドラム)がそれぞれ交代。
﹁ユートピア﹂に短縮改名以降のライブ︵1977年︶
3rdアルバム﹃太陽神﹄からトッド・ラングレン、ロジャー・パウエル、カシム・サルトン (ベース)、ジョン・“ウィリー”・ウィルコックスの4人編成になり、以降はバンド名もトッドの冠を外してユートピアに短縮し、パーマネント・ユニットとなる。
4thアルバム以降からポップ化指向が更に進み、音楽性を変えながら1986年まで活動した。
再集結以降︵1992年、2011年、2018年︶[編集]
1992年に再結成を果たし来日公演が実現。この模様を収めたライブ・アルバムをリリースした。以後は本格始動までには至らず、短期の活動のみで終わっている。
2009年、トッドのライブにロジャー・パウエル、カシム・サルトン、ラルフ・シュケットが客演。
2011年1月、膀胱癌の闘病中であったムーギー・クリングマンの治療費支援を目的に、トッド、シュケット、シーグラー、クリングマン、エルマンが集結し、その後サルトンの合流とジェシー・グレスが新加入した7人で、1992年以来19年ぶりにライブを開催。同年11月には同じメンバーでトッド・ラングレンズ・ユートピア名義のライブを開催しており、クリングマンも参加予定であったが、ライブ直前の11月15日に死去する。
2018年、トッド、サルトン、シュケット、ウィルコックスの4名によるラインナップで、32年ぶりの北米ツアーを開催[2]。しかし開始前にシュケットが健康問題により降板し[3]、代役にイスラエルのロックバンド﹁missFlag﹂のメンバー、ギル・アサヤスを起用した[4]。その後ラルフ・シュケットは、2021年に死去している[5]。
メンバー[編集]
●トッド・ラングレン (Todd Rundgren) - ギター、ボーカル (1973年–1986年、1992年、2011年、2018年)
歴代メンバー[編集]
●M.フロッグ・ラバート (Jean-Yves "M. Frog" Labat) - キーボード、ギター (1973年–1975年)
●デヴィット・メイソン (David Mason) - キーボード (1973年–1974年) ♱RIP2013年
●ハント・セールス (Hunt Sales) - ドラムス (1973年–1974年)
●トニー・フォックス・セールス (Tony Fox Sales) - ベース (1973年–1974年)
●ジョン・シーグラー (John Siegler) - ベース (1974年–1976年、2011年)
●ラルフ・シュケット (Ralph Schuckett) - キーボード (1974年–1975年、2011年) ♱RIP2021年
●ムーギー・クリングマン (Mark "Moogy" Klingman) - キーボード (1974年–1975年、2011年) ♱RIP2011年
●ケヴィン・エルマン (Kevin Ellman) - ドラムス (1974年–1975年、2011年)
●ウィリー・ウィルコックス (John "Willie" Wilcox) - ドラムス (1975年–1986年、1992年、2018年)
●ロジャー・パウエル (Roger Powell) - キーボード、ボーカル (1975年–1986年、1992年)
●カシム・サルトン (Kasim Sulton) - ベース、ボーカル (1976年–1982年、1982年–1986年、1992年、2011年、2018年)
●ダグ・ハワード (Doug Howard) - ベース、ボーカル (1982年)
●ジェシー・グレス (Jesse Gress) - ギター (2011年) ♱RIP2023年[6]
●ギル・アサヤス (Gil Assayas) - キーボード (2018年)
ディスコグラフィ[編集]
スタジオ・アルバム[編集]
●﹃トッド・ラングレンズ・ユートピア﹄ - Todd Rundgren's Utopia (1974年)
●﹃太陽神﹄ - Ra(1977年) ※旧邦題﹃RA (太陽神)﹄
●﹃悪夢の惑星﹄ - Oops! Wrong Planet (1977年)
●﹃アドヴェンチャーズ・イン・ユートピア﹄ - Adventures In Utopia (1980年)
●﹃ミート・ザ・ユートピア﹄ - Deface The Music (1980年) ※旧邦題﹃ディフェイス・ザ・ミュージック﹄
●﹃スウィング・トゥ・ザ・ライト﹄ - Swing To The Right (1982年)
●﹃T.R.K.W.ユートピア﹄ - Utopia (1982年)
●﹃オブリヴィオン﹄ - Oblivion (1983年)
●﹃POV﹄ - P.O.V. (1985年)
●Disco Jets (2012年) ※1976年に録音した未発表音源
ライブ・アルバム[編集]
●﹃アナザー・ライヴ﹄ - Another Live (1975年)
●﹃'92ライヴ・イン・ジャパン﹄ - Redux '92: Live in Japan (1992年)
●﹃ライヴ・イン・トーキョー’79﹄ - Live In Tokyo '79 (1999年)
●﹃オブリヴィオン・ツアー﹄ - Official Bootleg, Vol. 9: Oblivion Tour (2001年)
●﹃ウープス!ロング・プラネット・ツアー﹄ - Oops! Wrong Planet Tour (2001年)
●﹃ミート・ザ・ユートピア・ツアー﹄ - Deface The Music Tour (2001年)
●﹃ラジオ・ライヴ '79 - オフィシャル・ブートレグ・シリーズVol.2﹄ - Bootleg Series, Vol. 2: KSAN 95FM, Live '79 (2002年)
●Live At Hammersmith Odeon '75 (2012年)
●﹃ライヴ・アット・ザ・エレクトリック・ボールルーム・ミルウォーキー﹄ - Live At The Electric Ballroom – Milwaukee 23rd October 1978 (2014年)
●﹃ライヴ・アット・ザ・フォックス1973﹄ - Live At The Fox 1973 (2015年)
●﹃ライヴ・アット・ジ・ウォルドルフ﹄ - Live At The Old Waldorf (2015年)
コンピレーション・アルバム[編集]
●Trivia (1986年)
●The Collection (1988年)
●Anthology (1974-1985) (1989年)
●Oblivion, POV & Some Trivia (1996年)
●City in My Head (1999年)
●The Road To Utopia: The Complete Recordings 1974-82 (2018年)
(一)^ abc“Utopia - Biography & History”. AllMusic. 2018年9月13日閲覧。
(二)^ “トッド・ラングレン率いるユートピアが70年代のメンバー3人と共に再始動、北米ツアー開催”. amass (2018年2月21日). 2018年3月26日閲覧。
(三)^ “トッド・ラングレンズ・ユートピアの復活ツアー ラルフ・シュケットが健康問題のため不参加、代役の公募が行われる”. amass (2018年3月22日). 2018年3月26日閲覧。
(四)^ “トッド・ラングレンズ・ユートピアの復活ツアーがスタート”. amass (2018年4月20日). 2018年5月11日閲覧。
(五)^ “元ユートピアのキーボーディスト、ラルフ・シュケットが73歳で死去”. MUSIC LIFE CLUB (2021年4月8日). 2021年6月14日閲覧。
(六)^ “トッド・ラングレンのギタリスト、ジェシー・グレスが死去”. amass (2023年2月24日). 2023年2月26日閲覧。
外部リンク[編集]
●Todd Rundgren (toddrundgren) - Facebook