レイン・ドッグ
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『レイン・ドッグ』 | ||||
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トム・ウェイツ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック、ブルース、フォーク、実験音楽 | |||
時間 | ||||
レーベル | アイランド・レコード | |||
プロデュース | トム・ウェイツ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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トム・ウェイツ アルバム 年表 | ||||
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﹃レイン・ドッグ﹄︵Rain Dogs︶は、トム・ウェイツが1985年に発表したアルバム。
母国アメリカではヒットしなかったが、トムの代表作の一つとされ、﹃ローリング・ストーン﹄誌が2003年に選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500で397位︵後の改訂では357位[7]︶。ピッチフォーク・メディアが選出した1980年代トップアルバム100枚で、第8位[8]。
解説[編集]
ギターを重視した音作りを行い、キース・リチャーズ︵ローリング・ストーンズ︶、マーク・リボー︵後にジョン・ゾーンと共に活動︶、G.E.スミス︵ホール&オーツのサポート・メンバー︶、クリス・スペディング︵ジャック・ブルースやブライアン・フェリー等と共演︶、ロバート・クワイン︵元リチャード・ヘル&ヴォイドイス︶といった著名なギタリストを起用した。その他、後にボブ・ディランのサポート・ベーシストとなるトニー・ガルニエ、キング・クリムゾンのトニー・レヴィン、ホール&オーツのサポート・ドラマーのミッキー・カリー等が参加。 キース・リチャーズとの出会いに関しては、トム自身が﹁親戚同士だった﹂﹁ランジェリー・ショップで出会った﹂等のホラ話を語っているが、真相は、トムがキースのファンであったことから、断られることを承知でスタッフがキースに連絡を取ったからである[9]。参加を快諾したキースはトラック数台分もの楽器、アンプ類を持参し、スタジオに現れて、トムやスタッフを仰天させたという。両者の交流はその後も続き、トムはローリング・ストーンズ﹃ダーティ・ワーク﹄︵1986年︶のレコーディングに参加し、キースもトムのアルバム﹃ボーン・マシーン﹄︵1992年︶に再びゲスト参加。 ﹁ダウンタウン・トレイン﹂はミュージック・ビデオが制作され、元プロボクサーのジェイク・ラモッタが出演。﹁ジョッキー・フル・オブ・バーボン﹂﹁タンゴ﹂は、トムの初主演映画﹃ダウン・バイ・ロー﹄︵監督:ジム・ジャームッシュ︶のサウンドトラックに提供された。 R.E.M.のマイケル・スタイプは、1985年に特に愛聴したアルバムの一つとして、本作を挙げている[9]。収録曲[編集]
特記なき楽曲はトム・ウェイツ作。
(一)シンガポール - "Singapore" - 2:46
(二)クラップ・ハンズ - "Clap Hands" - 3:47
(三)セメタリー・ポルカ - "Cemetery Polka" - 1:51
(四)ジョッキー・フル・オブ・バーボン - "Jockey Full of Bourbon" - 2:45
(五)タンゴ - "Tango Till They're Sore" - 2:49
(六)ビッグ・ブラック・マリア - "Big Black Mariah" - 2:44
(七)ダイヤモンド&ゴールド - "Diamonds & Gold" - 2:31
(八)ハング・ダウン・ユア・ヘッド - "Hang Down Your Head" (Kathleen Brennan, Tom Waits) - 2:32
(九)タイム - "Time" - 3:55
(十)レイン・ドッグ - "Rain Dogs" - 2:56
(11)ミッドタウン - "Midtown" - 1:00
(12)ナインス&ヘネピン - "9th & Hennepin" - 1:58
(13)ガン・ストリート・ガール - "Gun Street Girl" - 4:37
(14)ユニオン・スクウェアー - "Union Square" - 2:24
(15)ブラインド・ラブ - "Blind Love" - 4:18
(16)ウォーキング・スパニッシュ - "Walking Spanish" - 3:05
(17)ダウンタウン・トレイン - "Downtown Train" - 3:53
(18)ブライド・オブ・レイン・ドッグ - "Bride of Rain Dog" - 1:07
(19)レイ・マイ・ヘッド - "Anywhere I Lay My Head" - 2:48
カヴァー[編集]
●﹁ダウンタウン・トレイン﹂は、1989年にロッド・スチュワートによるカヴァー・ヴァージョンが世界的にシングル・ヒットした︵全英10位、全米3位︶。エヴリシング・バット・ザ・ガールもアルバム﹃アコースティック﹄︵1992年︶で同曲をカヴァー。 ●﹁ブラインド・ラブ﹂は、ボブ・シーガーがアルバム﹃The Fire Inside﹄︵1991年︶でカヴァー。 ●﹁タイム﹂は、トーリ・エイモスがカヴァー・アルバム﹃ストレンジ・リトル・ガールズ﹄︵2001年︶で取り上げた。 ●﹁レイ・マイ・ヘッド﹂︵Anywhere I Lay My Head︶は、スカーレット・ヨハンソンが2008年に発表したトム・ウェイツのカヴァー・アルバム﹃レイ・マイ・ヘッド﹄のタイトルとなった。参加ミュージシャン[編集]
●トム・ウェイツ – ボーカル、ギター、オルガン、ピアノ、バンジョー ●キース・リチャーズ - ギター、バッキング・ボーカル ●マーク・リボー - ギター ●クリス・スペディング - ギター ●ロバート・クワイン - ギター ●G.E.スミス - ギター ●ラリー・テイラー - ベース ●トニー・ガルニエ - ベース ●グレッグ・コーエン - ベース ●トニー・レヴィン - ベース ●マイケル・ブレア - パーカッション、ドラムス、マリンバ、コンガ、ミュージックソー ●ステファン・アーヴィズ・テイラー・ホッジズ - ドラムス ●ミッキー・カリー - ドラムス ●ロバート・プレヴィット - パーカッション、マリンバ ●ロバート・キルゴア - オルガン ●ウィリアム・シメル - アコーディオン ●ロバート・ムッソ - バンジョー ●ハリウッド・ポール・リテラル - トランペット ●ボブ・ファンク - トロンボーン ●ラルフ・カーネイ - サックス、クラリネット ●アーノ・ヘヒト - テナー・サックス ●ジョン・ルーリー - アルト・サックス ●クリスピン・スィーオー - サックス ●ロス・レヴィンソン - ヴァイオリン脚注[編集]
- ^ swedishcharts.com - Tom Waits - Rain Dogs
- ^ norwegiancharts.com - Tom Waits - Rain Dogs
- ^ charts.org.nz - Tom Waits - Rain Dogs
- ^ dutchcharts.nl - Tom Waits - Rain Dogs
- ^ Tom Waits - Rain Dogs - austriancharts.at
- ^ ChartArchive - Tom Waits
- ^ “The 500 Greatest Albums of All Time” (英語). Rolling Stone (2020年9月22日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ Top 100 Albums of the 1980s | Pitchfork Media | Lists
- ^ a b 『トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使』(パトリック・ハンフリーズ:著、金原瑞人:訳、東邦出版、ISBN 978-4-8094-0705-5)p.294-296