交響曲第2番 (シューマン)
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ロベルト・シューマンの交響曲第2番ハ長調作品61は、1845年から1846年にかけて作曲され、同年11月5日に、メンデルスゾーン指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演された。シューマンが完成した交響曲としては、実質的に3番目にあたるが、2番目のものは後年改訂出版されて﹁第4番﹂とされたため、出版順序によって第2番となった。スウェーデン国王オスカル1世に献呈された。演奏時間約38分。
シューマンの交響曲の中で、最も遅く日本初演されたものであり、1963年3月29日、東京文化会館にてM.ル・ルー指揮、日本フィルハーモニー交響楽団によって行われた。
作曲の経緯[編集]
1843年からロベルト・シューマンはフェリックス・メンデルスゾーンが設立したライプツィヒ音楽院で教鞭を執っていたが、次第に精神障害の症状に悩まされるようになり、1844年に辞任、同年12月にドレスデンへ移った。ドレスデンでは当時同地の宮廷楽長であったリヒャルト・ワーグナーやフェルディナント・ヒラーらと交際し、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの研究にも再び取り組んでいる。しかし、病状は好転しなかった。1845年7月にピアノ協奏曲イ短調を完成させたシューマンは、9月にメンデルスゾーンに宛てた手紙に﹁ハ長調のトランペットが頭に響いている。﹂と書いており、このころから交響曲の作曲に取りかかったと見られる。12月にはスケッチが完了、翌1846年にオーケストレーションが完成した。シューマンのほとんどの交響曲は短期間で一気に書かれているが、この曲の作曲期間は比較的長期にわたっている。楽器編成[編集]
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、弦五部。楽曲構成[編集]
音楽・音声外部リンク | |
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全曲を試聴する | |
Full length - Schumann:Symphony Nr.2 - セミヨン・ビシュコフ指揮ケルンWDR交響楽団による演奏。ケルンWDR交響楽団公式サイトより。 | |
Schumann 2. Symphony - Alpaslan Ertüngealp指揮Slovenian Radio Symphony Orchestraによる演奏。Alpaslan Ertüngealp公式YouTube。 | |
Schumann:Symphony No.2 - 1st movement,2nd movement,3rd movement,4th movement - Aurelio Canonici指揮Sibiu Philharmonic Orchestraによる演奏。Aurelio Canonici公式YouTube。 | |
R.Schumann Symphony No.2 in C Major, Op 61_I. Sostenuto assai,II. Scherzo:Allegro vivace,III. Adagio espressivo,IV. Allegro molto vivace - ソン・ギソン(成基善)指揮梨花女子大学校管弦楽団(Ewha Orchestra)による演奏。Seoul Arts Center(芸術の殿堂)公式YouTube。 |
第1楽章 Sostenuto assai - Allegro ma non troppo[編集]
ハ長調。序奏付きのソナタ形式︵提示部反復指定あり︶。序奏は6/4拍子、49小節。弦のなだらかな動きの上に、トランペットが付点付きの5度跳躍動機を示す。この動機は全曲の統一動機として、随所に現れる。第1主題の動機を予告しながら切迫するが、いったん落ち着き、気分を整えたところで主部にはいる。主部は3/4拍子。第1主題は序奏で現れた動機の反復による、軽快なもの。第2主題はあまり明瞭には認められず、第1主題から派生した音階の上昇・下降によっている。コデッタも第1主題のリズムから派生したものである。展開部は序奏のなだらかな音型も示され、上記シューマン自身の説明にあるように闘争的で、特定の音型、リズムが何度も繰り返し現れる。前半は推移部の素材や第2主題が中心に扱われ、後半になると第1主題も現れてクライマックスを形成していく。245小節からの再現部では第1主題はより強圧的になっているが、後は型どおりに進行する。309小節からのコーダでは序奏のトランペット動機が現れる。