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交響曲第3番 (シューマン)

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音楽・音声外部リンク
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Schumann:3. Sinfonie (»Rheinische«) - マレク・ヤノフスキ指揮hr交響楽団による演奏。hr交響楽団公式YouTube。
Schumann:Sinfonie Nr.3 - クリストフ・エッシェンバッハ指揮NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団による演奏。NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団公式YouTube。
Robert Schumann:Derde symfonie in Es-groot, op.97, 'Rheinische' - フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮オランダ放送室内フィルハーモニーによる演奏。AVROTROS Klassiek公式YouTube。

ロベルト・シューマン交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」(Sinfonie Nr. 3 Es-Dur op. 97 "Rheinische" )は、1850年に作曲され、1851年2月6日デュッセルドルフにおいてシューマン自身の指揮によって初演された。シューマンが完成させた交響曲としては、実質的には4番目で最後のものに当たるが、2番目のものは後年改訂出版されて「第4番」とされたため、第3番に繰り上がった。「ライン」の副題はシューマン自身が付けたものではない。演奏時間約35分。

日本初演は1927年9月25日日本青年館にて近衛秀麿新交響楽団によって行われた。シューマンの交響曲の中で最も早く日本で演奏された。

作曲の経緯など[編集]

ローレライ
ケルン大聖堂(1850年代)
1850

1847511

184958100

18509沿911111212)3)4)5

構成[編集]

第1楽章 生き生きと(Lebhaft)[編集]

第1楽章冒頭(メロディ表記)
音楽・音声外部リンク
第1楽章を試聴する
Orkiestra Opery i Filharmonii Podlaskiej - Marcin Nałęcz-Niesiołowski指揮。Opera i Filharmonia Podlaska公式YouTube。
Frascati Symphonic - Kris Stroobants指揮。Frascati Symphonic公式YouTube。

調3/4

1使211185使1

第2楽章 スケルツォ きわめて中庸に(Sehr mäßig)[編集]

第2楽章冒頭(メロディ表記)
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Orkiestra Opery i Filharmonii Podlaskiej - Marcin Nałęcz-Niesiołowski指揮。Opera i Filharmonia Podlaska公式YouTube。
Frascati Symphonic - Kris Stroobants指揮。Frascati Symphonic公式YouTube。

調3/4ABABA

AB調

第3楽章 速くなく(Nicht schnell)[編集]

第3楽章冒頭(メロディ表記)
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Orkiestra Opery i Filharmonii Podlaskiej - Marcin Nałęcz-Niesiołowski指揮。Opera i Filharmonia Podlaska公式YouTube。
Frascati Symphonic - Kris Stroobants指揮。Frascati Symphonic公式YouTube。

変イ長調。4/4拍子。

細かく見れば、ほぼABCBCAの形式と見られるが、各部の区分はあまり明確でない。Aは木管による親密な表情で呼びかけるような旋律、Bは弦による音階上昇の動機、Cは逆に下降する動機が特徴的。金管はほぼ沈黙し、終始静かに演奏される。

第4楽章 荘厳に(Feierlich)[編集]

第4楽章冒頭(メロディ表記)
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Orkiestra Opery i Filharmonii Podlaskiej - Marcin Nałęcz-Niesiołowski指揮。Opera i Filharmonia Podlaska公式YouTube。
Frascati Symphonic - Kris Stroobants指揮。Frascati Symphonic公式YouTube。

楽譜の調記号は変ホ長調だが、実際の響きは変ホ短調。4/4拍子。

当初「厳かな式典の伴奏のような性格で」と記され、ケルンでの枢機卿就任式の儀式の雰囲気を模したことが認められる。金管がコラール風の息の長い旋律[1]を示し、これがカノン風に繰り返される。そこから派生した低弦の動きのある短い動機が加わり、再び初めの旋律に戻るという、ほぼ3つの部分で構成されている。この楽章の素材が次の楽章でも活躍することから、フィナーレへの序奏としての性格も持っていると考えられる。

第5楽章 フィナーレ 生き生きと(Lebhaft)[編集]

第5楽章冒頭(メロディ表記)
音楽・音声外部リンク
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Orkiestra Opery i Filharmonii Podlaskiej - Marcin Nałęcz-Niesiołowski指揮。Opera i Filharmonia Podlaska公式YouTube。
Frascati Symphonic - Kris Stroobants指揮。Frascati Symphonic公式YouTube。

調2/2

1244

[]




19111[ 1][2]






脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ マーラーは4曲すべてを編曲しているが、ブライトコプフのWebカタログ上でマーラー版が掲載されているのは交響曲第3番のみ(2010年2月6日確認)。

出典[編集]

  1. ^ ホルントロンボーンによるコラールは演奏が困難として有名。第1トロンボーンにアルト・トロンボーンが指定(当時は一般的であった)されているせいもあるが、その最高音は変ホ音である。これはラヴェルの『ボレロ』のトロンボーンのソロで使われている音域よりもさらに高く、しかも、いきなり4度上昇して変ホ音に達するため、20世紀以降の普通のオーケストラで使用されているテナー・トロンボーンではしばしば吹き損ねることで知られる(参考文献:近衛秀麿著『オーケストラを聞く人へ』改訂版、音楽之友社、1970年8月)。なお後述するマーラー版は演奏家に配慮した修正が見られるが、この部分は変更していない。
  2. ^ hire material arranged by Gustav Mahler”. www.breitkopf.com. www.breitkopf.com. 2022年1月24日閲覧。

外部リンク[編集]