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今井 絵美子︵いまい えみこ、1945年7月2日[1] - 2017年10月8日[2]︶は、日本の小説家、時代小説作家。
広島県福山市生まれ[1]。成城大学文芸学部卒業[3]。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動を開始[4]。
1998年、﹁もぐら﹂が第16回大阪女性文芸賞で佳作に選ばれる[5]。
2000年、﹁母の背中﹂が第34回北日本文学賞で選奨に選ばれる[6]。
2002年、﹃蘇鉄のひと 玉蘊﹄が第2回中・近世文学大賞の最終候補作となり、同作を刊行、小説家デビューを果たす[7]。
2003年、﹁小日向源伍の終わらない夏﹂が第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞[8]。2015年、﹁立場茶屋おりき﹂シリーズが第4回歴史時代作家クラブ賞︵シリーズ賞︶を受賞[9]。同年、﹃群青のとき﹄が第21回中山義秀文学賞で候補作に選ばれる[10]。
2015年5月にステージ4の乳がんと宣告[11]。闘病中も執筆活動をしていたが、2017年10月8日、広島県福山市内の病院で逝去。葬儀終了後に公表された[12]。
2018年2月10日、今井が生前飼っていたキャシー[13]がねこみみ福山、および、保護ねこcafe Familiaに保護され、里親募集されている[14][15][16]。
作品リスト[編集]
立場茶屋おりきシリーズ[編集]
●さくら舞う︵2006年11月 ハルキ文庫︶
●行合橋︵2007年9月 ハルキ文庫︶
●秋の蝶︵2008年4月 ハルキ文庫︶
●月影の舞︵2009年1月 ハルキ文庫︶
●秋蛍︵2009年8月 ハルキ文庫︶
●忘れ雪︵2010年10月 ハルキ文庫︶
●若菜摘み︵2011年5月 ハルキ文庫︶
●母子草︵2011年8月 ハルキ文庫︶
●願の糸︵2011年12月 ハルキ文庫︶
●雪割草︵2012年3月 ハルキ文庫︶
●虎が雨︵2012年6月 ハルキ文庫︶
●こぼれ萩︵2012年9月 ハルキ文庫︶
●泣きのお銀︵2012年12月 ハルキ文庫︶
●品の月︵2013年3月 ハルキ文庫︶
●極楽日和︵2013年7月 ハルキ文庫︶
●凛として︵2013年10月 ハルキ文庫︶
●花かがり︵2014年3月 ハルキ文庫︶
●君影草︵2014年6月 ハルキ文庫︶
●指切り︵2014年10月 ハルキ文庫︶
●由縁の月︵2015年3月 ハルキ文庫︶
●佐保姫︵2015年6月 ハルキ文庫︶
●一流の客︵2015年10月 ハルキ文庫︶
●すみれ野︵2016年3月 ハルキ文庫︶
●幸せのかたち︵2016年6月 ハルキ文庫︶
●永遠(とわ)に︵2016年8月 ハルキ文庫︶
照降町自身番書役日誌シリーズ[編集]
●雁渡り︵2006年8月 廣済堂文庫︶︵2014年5月 角川文庫︶
●寒雀︵2007年4月 廣済堂文庫︶︵2014年7月 角川文庫︶
●虎落笛︵2008年2月 廣済堂文庫︶︵2014年9月 角川文庫︶
●夜半の春︵2008年4月 廣済堂文庫︶︵2014年11月 角川文庫︶
●雲雀野︵2011年2月 廣済堂文庫︶︵2015年1月 角川文庫︶
便り屋お葉日月抄シリーズ[編集]
●夢おくり︵2009年10月 祥伝社文庫︶
●泣きぼくろ︵2011年4月 祥伝社文庫︶
●なごり月︵2011年12月 祥伝社文庫︶
●雪の声︵2012年12月 祥伝社文庫︶
●花筏︵2013年4月 祥伝社文庫︶
●紅染月︵2013年12月 祥伝社文庫︶
●木の実雨︵2014年9月 祥伝社文庫︶
●眠れる花︵2014年12月 祥伝社文庫︶
●忘憂草︵2015年12月 祥伝社文庫︶
●友よ︵2017年3月 祥伝社文庫︶
すこくろ幽斎診療記シリーズ[編集]
●寒さ橋︵2010年2月 双葉文庫︶
●梅雨の雷︵2010年7月 双葉文庫︶
●麦笛︵2011年9月 双葉文庫︶
●きっと忘れない︵2013年6月 双葉文庫︶
●秋暮るる︵2014年1月 双葉文庫︶
●青き踏む︵2014年4月 双葉文庫︶
●親鳥子鳥︵2015年2月 双葉文庫︶
●泣くにはよい日和︵2016年2月 双葉文庫︶
●禊川︵2017年8月 双葉文庫︶
髪ゆい猫字屋繁盛記シリーズ[編集]
●忘れ扇︵2013年12月 角川文庫︶
●寒紅梅︵2014年3月 角川文庫︶
●十六年待って︵2014年8月 角川文庫︶
●望の夜︵2014年12月 角川文庫︶
●赤まんま︵2015年4月 角川文庫︶
●霜しずく︵2015年11月 角川文庫︶
●紅い月︵2016年12月 角川文庫︶
●残りの秋(とき) ︵2017年10月 角川文庫︶
夢草紙人情おかんヶ茶屋シリーズ[編集]
●夢草紙人情おかんヶ茶屋︵2012年4月 徳間文庫︶
●縁の糸︵2012年7月 徳間文庫︶
●今夜だけ︵2013年1月 徳間文庫︶
●夏花︵2013年9月 徳間文庫︶
●うつし花︵2014年7月 徳間文庫︶
●雪まろげ︵2015年9月 徳間文庫︶
●優しい嘘︵2016年10月 徳間文庫︶
出入師夢之丞覚書シリーズ[編集]
●母子燕︵2007年11月 ハルキ文庫︶
●星の契︵2008年10月 ハルキ文庫︶
●梅の香︵2010年4月 ハルキ文庫︶
夢草紙人情ひぐらし店シリーズ[編集]
●暮れがたき︵2008年8月 徳間文庫︶
●恋しい︵2009年5月 徳間文庫︶
●夢の夢こそ︵2012年10月 徳間文庫︶
その他[編集]
●﹃蘇鉄のひと 玉蘊﹄︵2002年7月 郁朋社︶
●︻改題︼﹁蘇鉄の女﹂︵2008年6月 ハルキ文庫︶
●鷺の墓︵2005年6月 ハルキ文庫︶
●雀のお宿︵2006年4月 ハルキ文庫︶
●花あらし︵2007年6月 ハルキ文庫︶
●儚月︵2007年12月 徳間文庫︶
●﹃美作の風﹄︵2008年9月 角川春樹事務所 / 2012年8月 ハルキ文庫︶
●﹃夢の夢こそ﹄︵2012年10月 徳間書店 / 2015年3月 徳間文庫︶
●﹃群青のとき﹄︵2014年12月 KADOKAWA︶
●﹃綺良のさくら﹄︵2015年8月 角川春樹事務所︶
●﹃いつもおまえが傍にいた﹄祥伝社 2016︵エッセイ︶
●ぶぶ漬屋稲茶にございます︵2017年6月 ハルキ文庫︶
肖像写真について[編集]
生前、写真家谷口雅彦が東京・九段会館で撮影した今井氏の肖像写真を気に入り、以降、地元ふくやま文学館で行われた﹁今井氏絵美子企画展示﹂でのポスターなどに使用され、都度、自身の肖像写真を使用する際は、折に触れてその写真を指定していたというエピソードが遺されている。