利賀村水無
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利賀村水無 | |
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北緯36度20分14.3秒 東経137度1分30秒 / 北緯36.337306度 東経137.02500度 | |
国 |
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都道府県 |
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市町村 |
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地域 | 利賀地域 |
地区 | 大勘場地区[1] |
面積 | |
• 合計 | 50.358550 km2 |
標高 | 940 m |
人口 | |
• 合計 | 0人 |
• 密度 | 0.0人/km2 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
939-2519 |
ナンバープレート | 富山 |
利賀村水無(とがむらみずなし)は、富山県南砺市にある大字。かつて富山県最南端の集落があった。
歴史
[編集]
水無集落の開村は、加賀の殿様が鷹の雛を捉えるために一軒の家を置いたのが始まりとされ、その名残として御鷹巣山︵標高1,440 m︶の名が残り、牛首峠から楢峠までの県境一帯を巣原と称する。
集落東側のノタノオ峠には、かつては利賀道︵羽根道︶の飛越国境の関所があった[3]。
1889年︵明治22年︶4月1日、町村制の施行により利賀村が発足し、利賀村の大字である﹁水無﹂が成立した。2004年︵平成16年︶11月1日、南砺市の発足時により南砺市の大字となり、旧村名を入れた﹁利賀村水無﹂に改称した。
1930年︵昭和5年︶には利賀村立利賀小学校水無分校が開校した。へき地等級5級で、1959年︵昭和34年︶時点での児童数は9名だった。1965年︵昭和40年︶に休校となり、1967年︵昭和42年︶に閉校した[4]。
1970年︵昭和45年︶に廃村となったものの、2020年︵令和2年︶まで1戸だけ戸籍が置かれ[6]無雪期に居住していたが[7]、翌年春までに戸籍上でも人口0人となり消滅集落となった[9][10]。
地理
[編集]経済
[編集]主な産物は塩硝、ジコウ茸、栗茸。高度1,000 m近い高冷地ゆえに度々凶作に見舞われた。幕末での高は免一ッであった[11]。
名所
[編集]水無八幡宮
[編集]水無集落にある八幡宮で、集落の歴史について刻まれた石碑がある。今でも手入れがなされている。
水無湖キャンプ場
[編集]利賀川ダム貯水池の水無湖のほとりにあるキャンプ場で、トイレ1棟、水洗設備1基、テーブル、椅子数基がある。携帯電話は圏外だが、公衆電話がある[12]。
その他の名所
[編集]- 水無平湿原のミズバショウ群生地 - 当該項目参照
- 水無山 - ブナ純林が広がる山で、北側には準平原遺物が見られる。
- 金剛堂山 - メインルートではないが、水無集落側にも登山口(東俣登山口)がある。山頂は隆起準平原の草原が広がる。
- 利賀川ダム
地名の由来
[編集]水無谷の川の流れが伏流したことによるという。
地形
[編集]集落は利賀川支流水無谷にある。水無谷は活断層である牛首断層による構造谷であり、破砕帯を観察することができる。
アクセス
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村全体が秘境と言われる利賀村の中でも最も山奥︵南部︶に位置し、集落跡へのアクセスは極めて難しい。
富山市街地から水無集落までは75 kmほどの位置にあり、南砺市利賀市民センターから向かっても25 km程の行程である。
道路は主要地方道である富山県道・岐阜県道34号利賀河合線があるが、大半が隘路であり随所に洗い越しが見られ、冬季は通行止めになる他、しばしば土砂災害で通行止めとなっていた。しかし2008年より富山県では落石災害の有無に関わらず大勘場と利賀川ダム双方のゲートを施錠し、関係者以外の自動車での往来を禁じているため、現在は未舗装かつ狭隘路が続く林道牛首線と林道上百瀬線を利用することになる。
利賀市街地から利賀村水無までは、林道上百瀬線経由で約19 km、車で約1時間かかる。(浅原 2020)
脚注
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(一)^ 利賀村の地域概況と歴史 2021年2月5日閲覧。
(二)^ 分校跡の標高。(浅原 2020)
(三)^ 橋本・佐伯 2001, p. 223.
(四)^ 廃絶集落一覧表︵富山県過疎化対策協議会発行︶
(五)^ “行政区別人口世帯数統計表”. 南砺市. p. 4 (2020年3月2日). 2020年3月10日閲覧。
(六)^ 2020年︵令和2年︶2月末現在[5]
(七)^ 山村調査グループ 1995.
(八)^ “行政区別人口世帯数統計表”. 南砺市. p. 4 (2021年4月1日). 2021年4月9日閲覧。
(九)^ 2021年︵令和3年︶3月末現在[8]
(十)^ “行政区別住基人口及び世帯数”. 南砺市 (2020年4月1日). 2021年4月9日閲覧。
(11)^ 平凡社地方資料センター 1994, p. 877.
(12)^ “キャンプ場”. 富山県利賀川ダム管理事務所. 2020年1月4日閲覧。
参考文献
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●山村調査グループ 編﹃村の記憶﹄︵増補︶桂書房、1995年3月。ISBN 4905564786。
●橋本廣、佐伯邦夫 編﹃富山県山名録﹄桂書房、2001年6月。ISBN 4905564298。
●平凡社地方資料センター 編﹃富山県の地名﹄平凡社︿日本歴史地名大系﹀、1994年7月。ISBN 4582490166。
●浅原昭生 編﹃日本廃村百選―ムラはどうなったのか﹄秋田文化出版、2020年2月20日、144頁。ISBN 978-4-87022-589-3。