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四体液説

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「血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁」の四体液説と「気・水・火・地」の四大元素との対応、「熱・冷・湿・乾」の4つの基本性質の関係。

: humorismhumoralism4: humoral pathology: humor: χυμόςchymos[1]調EucrasiaDyscrasia

西19

holism[]

Liber Divinorum Operum13Universal Man[2]

holism[3]

[4][5]holism

西洋の体液病理説[編集]

古代ギリシャ・ローマ[編集]

壁画に描かれたヒポクラテスとガレノス、12世紀イタリアのアナーニ

100460 - 37024[6]129 - 1994西19

[]


[4]

Gk. haima調Gk. phlegmaphlego [7][6]Gk. choleGk. melan chole[7]

44[8][6]

1888-1968[9]

[]


調調[4]

調[10]調尿[11]

調[12]([13]2

体液の性質と治療[編集]

古代ギリシャの壺に描かれた瀉血の様子

[14]湿

[15][16]

使

アラビア、ヨーロッパへの伝播[編集]

ミニアチュールに描かれたイブン・スィーナー

[17]

Shukuk 'ala alinusor)[18][19]al-Qānūn fī al-ibb2[20][21]

11

中世以降のヨーロッパ[編集]

四気質[編集]

Grande Commande,ヴェルサイユ宮殿の庭のために作られた彫像のデザイン、四気質を擬人化したもの(17世紀)。左から黄胆汁質, 多血質, 黒胆汁質, 粘液質
ドイツ・フランクフルトの建物の壁飾り。左から、黄胆汁質、黒胆汁質、多血質、粘液質それぞれの表情

[22]

, 1213

en.Choleric

[7][23][7][24][24]

en.Melancholic

[7][24][7][25]尿[24]

en.Sanguine

[7][26][7][26][24][24][26]

en.Phlegmatic

[7]湿[27][7]

[]


[28] 湿[29]

食文化への影響[編集]

西洋では万物が四大元素からなると考えられたため、薬も食材も「熱・冷・湿・乾」のうち2つの性質を持つとされた。摂取する食材の性質が体液に影響を与えるため、中世ヨーロッパでは、医師の治療の中心は日常的な食事療法だった。健康にいい性質の食材を採ること、性質が合わない食物を混ぜないこと(合食禁)などが重視された。また、食べた物が体内で適切に「調理」され、栄養素がきちんと吸収されるように、正しい順序で腹を満たすことが大切だと考えられ、そのようにコースが組み立てられた。まず消化しやすいものが出され、徐々に腹持ちのいい料理に移行した。この養生法を軽んじると、食べた物が十分に消化されず、胃の中に悪い体液が引き込まれると思われていた[30]

食材や薬剤の性質は本草書、農書などに記され、養生書では食事に多くの頁が割かれた。キリスト教徒でアラブ人の医師イブン・ブトラーン(11世紀)は、バグダードで学んだ医学をTaqwīm al-Sihha(『健康表』、または『健康全書』)にまとめているが、これは食材やハーブの性質とその度合いなど、健康のために役立つ情報を表にしたものであった[31]

医療占星術[編集]

人体と黄道十二宮の対応を示す「獣帯人間英語版」(1702年)

en:Iatromathematica[32]1516

















[33]

ユーモアと気質喜劇[編集]


 :χυμός chymos humorhumor調調使[34]

17[34][35]

対応関係[編集]

次の表は、四体液と各項目の対応を示す。

体液 元素 性質 関係する部位 季節 方角 年齢 気質 性格 黄道十二宮 惑星
血液
(Gk. haima)
空気 熱 + 湿 心臓 子ども 多血質 社交的, 楽天的, 好色, 無教養 白羊宮
金牛宮
双子宮
木星
黄胆汁
(Gk. chole)
熱 + 乾 肝臓 青年 黄胆汁質
(胆汁質)
熱血, 野心家, 短気, 気難しい 巨蟹宮
獅子宮
処女宮
火星
太陽
黒胆汁
(Gk. melan chole)
冷 + 乾 脾臓 西 壮年 黒胆汁質
(憂鬱質)
思索的, 孤独癖, 神経質, 利己的 天秤宮
天蠍宮
人馬宮
土星
水星
粘液
(Gk. phlegma)
冷 + 湿 脳/肺 老年 粘液質 おだやか, 公平, 無気力, 臆病 磨羯宮
宝瓶宮
双魚宮
金星

西洋医学における終焉[編集]

ウィルヒョーの細胞図

15-1619[36]16176118011858

姿[37]

[]


[38][39][40]Holistic調[41]

インドの体液病理説[編集]

トリ・ドーシャ説[編集]

トリ・ドーシャと五大(パンチャ・マハーブータ)の関係(使用された色は任意)

3[42][43]

,,)[44][45]

4[46][47]The Sushruta Samhita Bhishagratna

[]


3[48]




トリ・グナとトリ・ドーシャへの影響
要素 本性 作用 増加によるドーシャへの影響
サットヴァ(純質) 喜楽 照明 白色 3つのドーシャの調和
ラジャス(激質) 苦憂 衝撃・活動 赤色 ヴァータ(風)、ピッタ(胆汁)を乱す
タマス(闇質) 暗愚 抑制・隠覆 黒色 カパ(粘液)を乱す

ドーシャのバランスと治療[編集]


1[49]

尿便調[42]

脚注[編集]



(一)^ http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0057%3Aentry%3D%23115103

(二)^   (2011),p.102

(三)^  (2003),p.51

(四)^ abc西  . 

(五)^  (2003),p.62

(六)^ abc (2003),p.53

(七)^ abcdefghij 13寿 . NTT  SPAZIO no.66

(八)^  (1963),p.102

(九)^ Hart GD (December 2001). Descriptions of blood and blood disorders before the advent of laboratory studies. Br. J. Haematol. 115 (4): 71928. doi:10.1046/j.1365-2141.2001.03130.x. PMID 11843802. http://www.bloodmed.com/home/hannpdf/bjh3130.pdf. 

(十)^  (2003),p.59

(11)^  (2003),p.60

(12)^  (1981),p.62

(13)^  (1981),p.61

(14)^  (2009),p.90

(15)^  (2003),p.95

(16)^  (2003),p.79

(17)^  (2003),p.136

(18)^    5822012

(19)^ Al-RAZI (Rhazes) the Encyclopedia of Islam.©1999 Koninklijke Brill NV, Leiden, The Netherlands

(20)^  (1981),p.50

(21)^  (1981),p.51

(22)^  (2003),p.53melas-cholemelaschole

(23)^  (2014),p.64

(24)^ abcdef (2000),p.62

(25)^  (2011),p.103

(26)^ abc (2014),p.62

(27)^  (2014),p.67

(28)^   (2011),p.103

(29)^ ︿2014ISBN 9784582857405 pp.33-45.

(30)^ Scully (1995),p.135-136

(31)^  .  no.28

(32)^  (1944)

(33)^  (2011),p.102

(34)^ ab (1988) ,p.6

(35)^  (2010),p.85

(36)^  (2003),p.147

(37)^  (2009),p.190

(38)^  (2003),p.52

(39)^  (2013)

(40)^ 4 . The New Symphony Orchestra,Tokyo

(41)^ .NPO

(42)^ ab Archived 2014715, at the Wayback Machine..    

(43)^ .  

(44)^ 西 (2006),p.32

(45)^   (2011) ,p.131

(46)^  (2003),p.118

(47)^  (2003),p.54

(48)^ 西 (2006),p.34

(49)^ 西 (2006),p.132

[]


   ︿  901-11963ISBN 4003390113 

︿2003ISBN 978-4061596146 

  2009 

西2006 

82006 

()1944 

, , 2014 

 2014 

   2011 

Scully, Terencehe Art of Cookery in the Middle Ages1995 

 2011 

1996 

 (, )2010 

1988 

 2013 

[]
















I











MBTI




[]


 E.  - 2019330. 

 OUTLINES OF GREEK AND ROMAN MEDICINE1880-1959 - 2019330

  1999494 p.460-470, doi:10.3777/jjsam.49.460

 -- :  1999 199921 p.80-96, doi:10.11460/morpho1979.1999.80

  Museum of Materia Medica, Univ. of Toyama

<>  2010 32 p.416-477