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多体波動関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

量子力学における多体波動関数とは、多粒子系の状態を表す波動関数のこと。

同種な多粒子系の状態を占有数表示で表すことを第二量子化と呼ばれるのに対し、多体波動関数で状態を表すことを第一量子化と呼ばれることがある。

多体波動関数の意味

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1

22121313[1]

対称性と反対称性

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22

222+1-1

+1


-1



置換

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[1]1NN


N!N 2






N
(粒子がボース粒子の場合)
(粒子がフェルミ粒子の場合)

1粒子波動関数からの構成

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Ni 


1N


NN

ボース粒子

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ボース粒子の場合、次のような対称化演算子によって多体波動関数は対称化される。

ここでは規格化定数であり、和はN!個の置換全てについての和を表す。これはij 列行列要素にもつN×N行列パーマネント (数学)である。

フェルミ粒子

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フェルミ粒子の場合、次のような反対称化演算子によって多体波動関数が反対称化される。

これはij 列行列要素にもつN×N行列行列式であり、スレーター行列式と呼ばれる。

参考文献

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  1. ^ a b 田崎晴明『統計力学I』培風館、2008年。ISBN 4563024376 

関連項目

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