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多聞院︵たもんいん︶は、奈良県平群町信貴畑にある、信貴山真言宗の寺院。山号は、米尾山︵よねおさん︶。本尊は、毘沙門天像︵﹁汗かき毘沙門天王﹂︶。信貴山朝護孫子寺の奥之院である。
朝護孫子寺の本堂より2km程北にある。
毘沙門天出現、最初の地とされている。
境内の浄域から焼米が出ることで有名で、山号︵米尾山︶の由来となっている。
山門を入って左に曲がると、右手に客殿があり、左手を登ると本堂がある。本堂は、入母屋造本瓦葺きで、内陣中央に毘沙門天を安置する厨子がある。檀上に弁財天立像、毘沙門天立像、不動明王、愛染明王像、弘法大師像、十一面観音像などが祀られている[1]。
本尊は、寺伝によると聖徳太子が物部守屋大連を追討の時、この毘沙門天が先鋒を振るわれて御尊像に汗をかかれたといい、﹁汗かき毘沙門天王﹂と称し霊験あらたかな尊像として秘仏として護持されている[2]。毘沙門天像は宝冠をいただき、いわゆるふん怒像ではない。正3月日間と、7月3日のみ公開される。
宝物に紙本涅槃画像があるが、享和二年の裏書がある。なお、本堂に隣接して鉄筋の護摩堂があり、三宝荒神を安置するほか、毘沙門天立像と不動明王像などが祀ってある[1]。また、同境内に多聞院並びに、信貴畑の鎮守社の素戔嗚神社がある。
同院は、大和北部八十八ヶ所霊場の第45番札所である。
コミュニティバス﹁信貴畑集落センター﹂から、徒歩2分の信貴畑字勧請に、天文二十一年在銘の十三仏碑がある。
アクセス[編集]
近鉄生駒線﹁平群駅﹂から、コミュニティバスで﹁信貴畑集落センター﹂下車、徒歩8分。
- ^ a b 『平群町史』平群町役場、709-710頁。
- ^ 多聞院掲示板