太上皇后

太上皇后︵たいじょうこうごう︶とは、東アジアにおいて、太上皇の正妻に対して用いられた称号である。その夫が生存しているため、皇太后と区別して用いられた。

中国[編集]

(一)某氏︵中国語版︶ - 前漢の太上皇劉太公の継妻。高祖劉邦は父を尊称して太上皇とし、継母を太上皇后とした。 (二)胡氏 - 北斉の武成帝高湛の皇后。河清4年︵565年︶、武成帝は太子高緯に位を譲って太上皇となり、胡皇后は太上皇后となった。 (三)穆邪利 - 小字は黄花、北斉の後主高緯の3番目の皇后。隆化2年︵577年︶、北周が副都晋陽を陥落させようとしたとき、高緯は幼主高恒に位を譲り、高恒の母穆邪利を尊称して太上皇后とした。 (四)荘憲皇后王氏︵中国語版︶ - 唐の順宗李誦の良娣。永貞元年︵805年︶、順宗は即位して間もなく太子李純に譲位することを迫られ、退位して太上皇となり、王良娣は太上皇后となった。 (五)宣穆皇后何氏︵中国語版︶ - 唐の昭宗李曄の皇后、歴史上、積善太后と称される。光化3年︵900年︶、劉季述が昭宗の長男李裕を皇帝に擁立し、昭宗は太上皇、何皇后は太上皇后となった。 (六)顕粛皇后鄭氏 - 北宋の徽宗趙佶の2番目の皇后。宣和7年︵1126年︶、徽宗は長男の趙桓に位を譲り、鄭皇后は太上皇后とされた。 (七)憲聖慈烈皇后呉氏 - 南宋の高宗趙構の2番目の皇后。紹興32年︵1162年︶、高宗は趙眘に位を譲り、呉皇后を太上皇后とした。 (八)慈懿皇后李鳳娘 - 南宋の光宗趙惇の皇后。紹熙5年︵1194年︶、光宗がその子趙拡に譲位した後、李鳳娘を太上皇后とした。

ベトナム[編集]

陳朝大越では代々、皇帝が位を譲って太上皇となったとき、その皇后は太上皇后︵中国語版︶とされた。

(一)順貞皇后陳氏容︵ベトナム語版、中国語版︶ - 太祖陳承︵中国語版︶の姉妹。李朝の恵宗の皇后。恵宗は昭皇に位を譲って太上皇となり、陳氏容は太上皇后となった。王朝は陳朝に交代し、陳氏容は公主になった。後に陳守度の妻。 (二)元聖天感皇后陳氏韶︵ベトナム語版、中国語版︶ - 聖宗の皇后。 (三)欽慈保聖皇后陳氏楨︵ベトナム語版、中国語版︶ - 仁宗の皇后。 (四)宣慈皇后陳氏︵ベトナム語版、中国語版︶ - 仁宗の2番目の皇后。 (五)保慈順聖皇后陳氏︵ベトナム語版、中国語版︶ - 英宗の皇后。 (六)憲慈宣聖皇后黎氏︵ベトナム語版︶ - 明宗の皇后。

中国[編集]

ベトナム[編集]

関連項目[編集]