太夫 (遊女)
太夫︵たゆう︶とは、遊女、芸妓の位階。最高位である。
歴史[編集]
遊女、芸妓における太夫の称号は江戸時代初期に誕生し、当時は女歌舞伎が盛んで芸達者の役者が﹁太夫﹂と呼ばれたのが始まりだといわれる。やがて遊廓が整えられ遊女の階級制が確立、美貌と教養を兼ね備えた最高位の遊女に与えられ、京の島原、江戸の吉原、大坂の新町、長崎の丸山に配置されるようになった。主に公家、大名、旗本ら上流階級を相手にし︵丸山では中国人、オランダ人も︶、吉野太夫・夕霧太夫・高尾太夫ら︵寛永三名妓︶が輩出した。しかし、太夫を相手にするには高額の費用が必要とされ、江戸では宝暦年間に吉原で太夫が消滅し代わって﹁散さん茶ちゃ﹂と呼ばれる遊女が﹁花おい魁ら﹂と呼ばれるようになりそちらが主流になる。一方京・大坂には﹁太夫﹂の名は残り、別名﹁こったい﹂と呼ばれた。時代の変遷を経て、2017年現在、島原に太夫は5名在籍する。参考文献[編集]
- 『京・嶋原太夫』 石原哲男著、京都書院