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家範︵かはん︶は、華族各家が定めた法規。
華族令第8条に基づくもので、有爵者は法令の範囲内において、自らの家の家政規則を定めることができた。制定改廃に際しては、宮内大臣の認許を得る必要があった。ただし、有爵者が未成年者や禁治産者であるときは、制定改廃は認められなかった。
各家の家範には、一族の心構えを説く家訓的な条文もあったが、配偶者や養子の資格[1]や財産処分の手続き[2]について独自の規定を定めることができた。もし家範に違反した場合、宮内大臣は華族戒飭令の規定に基づき懲戒処分を下すことができた。
家範を定めるのは華族の義務ではなかったので、家範を制定しない華族や、中には成文の家政規則を定めていながら、敢えて宮内大臣の認許手続きをしない華族も多かった。
(一)^ 例えば、﹁華族以上に限る﹂といった条文など。
(二)^ 例えば、﹁○○家会議の議決を経なければならない﹂といった条文など。
参考文献[編集]
●森岡清美﹁華族の家憲と家の継承﹂﹃淑徳大学社会学部研究紀要﹄31号、淑徳大学、1997年。
●森岡清美﹁華族の家憲﹂﹃歴史読本﹄2001年3月号、新人物往来社。
関連項目[編集]
●家訓