山号寺号
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山号寺号︵さんごうじごう︶は、落語の演目の一つ。恵方詣り︵えほうまいり︶とも。
概要[編集]
登場人物が言葉遊びを繰り広げる、非常に短い噺。この言葉遊びは、寄席の大喜利における古典的な出題としても知られる。 同様の言葉遊びは上方落語の初代露の五郎兵衛が1707年︵宝永4年︶に出版した笑話本﹃露休置土産﹄の﹁はやる物は山号寺号﹂や、﹃甲子夜話﹄にみられる。あらすじ[編集]
ある商家の若旦那が、なじみの幇間・一八と出会う。一八が﹁どこへ行くんですか﹂とたずねると、若旦那は﹁浅草の観音様だ﹂と答える。﹁ああ、金龍山浅草寺ですか﹂﹁俺が行くのは浅草だよ﹂﹁ですから、あそこは本当は金龍山浅草寺というんです。お寺には﹃なになに山なになに寺﹄という正しい呼び名があり、この山号と寺号を合わせた﹃山号寺号﹄というのが、どこにでもあります﹂ それを聞いた若旦那は﹁どんなところにも山号寺号があるんだな﹂と念を押して、﹁この場にもあるか。もしあったら金をたんとやる﹂と一八に迫る。 一八は頓智をきかせ、﹁あそこでおばさんが縁側を拭いてますね。﹃おかみさん拭きそうじ﹄﹂﹁乳母︵おんば︶さんが子供を抱いている。﹃乳母さん子を大事﹄﹂などと、次々に﹁山号寺号﹂を披露する︵以下は一例。演者により異なる︶。 ●看護婦さん赤十字 ●車屋さん広小路 ●自動車屋さんガレージ ●時計屋さん今何時 ●肉屋さんソーセージ ●お医者さんイボ痔 ●清子さん水前寺 一八に所持金をほとんど巻き上げられてしまった若旦那は、﹁今度は私がやろう﹂と言うなり、金で満杯になった一八の財布を取り上げてふところに入れ、﹁一目散随徳寺︵いちもくさん ずいとくじ︶﹂と言って逃げる︵﹁随徳寺﹂とは、﹁跡をずいとくらます﹂ことを意味する古い地口[1]︶。逃げられた一八は、 ﹁南無三、し損じ﹂バリエーション[編集]
- 若旦那が参拝する寺院を成田山新勝寺とする演じ方がある。
脚注[編集]
関連項目[編集]
- 山号
- ノックノック・ジョーク - 名前に対して名字を駄洒落で返す形式のジョークである。