左うでの夢
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『左うでの夢』 | ||||
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坂本龍一 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1981年7月 - 8月 Studio "A", Tokyo | |||
ジャンル | テクノポップ | |||
レーベル | アルファレコード | |||
プロデュース | 坂本龍一 | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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坂本龍一 アルバム 年表 | ||||
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『左うでの夢』(LEFT HANDED DREAM)は、坂本龍一3作目のオリジナルアルバム。1981年10月5日にリリース。
解説
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﹁歌はうまさじゃなく声色、ヘタでも自己表現としては音楽の中で最高のもの﹂ということで、坂本のヴォーカルが大々的にフィーチャーされている︵10曲中6曲がヴォーカル曲︶。
1、2作目と比較するとシンプルなメロディー・構成の曲が増え、和音によるバッキングやカデンツ︵終止形︶を避けるなど、西洋音楽のボキャブラリーからの脱却がモチーフになっている。またファンク的なリズムを意識的に避けること、﹁祭りの音楽﹂がコンセプトとしてあった。
共同プロデューサーにロビン・スコットが名を連ねているが、後に、このアルバムの数曲を基にロビン主導の12インチ・シングル﹃アレンジメント﹄が作られている。
制作にはキング・クリムゾンのエイドリアン・ブリュー、高橋幸宏、細野晴臣、仙波清彦などが参加した。
発売当時のレコードには、糸井重里の手による﹁スナオサカモト﹂のコピーが付けられていた。タイトルについては、当初ロビン・スコットが﹁同盟﹂というタイトルを提案したが却下、矢野顕子が﹁左うでの夢﹂を提案したところ、それが採用された︵坂本は左利き︶。
1992年、93年にCD化された際にはMIDIレーベルから再発された。
収録曲
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全作曲‥坂本龍一︵特記以外︶
(一)ぼくのかけら
●作詞‥糸井重里
ゆったりとした3/4拍子のリズムに乗り、何本ものシンプルなメロディーが複雑に絡み合っていく。後にダンスリーとの共演アルバム﹃the End of Asia﹄で再演されている。
(二)サルとユキとゴミのこども
●作詞‥糸井重里
三線︵サンシン︶を模したようなチープな音色のシンセ・リフとシンプルなメロディー、朴訥とした歌詞が特徴。ベースは坂本が弾いていると思われる。
(三)かちゃくちゃねぇ
●作詞‥矢野顕子
﹁かちゃくちゃねぇ﹂はごちゃごちゃしていていらいらする様子という意味の津軽弁。ひたすらシンプルな沖縄風のメロディーを繰り返すが、2分24秒あたりからリズムが激しくなり動きが出てくる。また、ディレイ︵エコー︶がリズムにもメロディーにも効果的に使われている。エフェクトされたヴァイオリンをEP-4の佐藤薫が演奏している。
(四)The Garden Of Poppies
ダイナミクスがつけられたパーカッションのリズムと繰り返されるシンセベースの上で、エイドリアン・ブリューのギターが咆哮する。ドラムは坂本が叩いていると思われる︵アルバムレコーディング中に撮影された写真として、坂本・エイドリアンらが3人で1台のドラムセットを叩く場面が残っている︶。
(五)Relâche
●作曲‥坂本龍一、ロビン・スコット、エイドリアン・ブリュー
前曲に続きシンプルなリフが主体の曲。この曲でも、エイドリアン・ブリューのアニマル・ギターが活躍。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え﹁JUST ABOUT ENOUGH﹂のタイトルで12インチ・シングル﹃アレンジメント﹄に収録。
(六)Tell'em To Me
●作詞‥矢野顕子
6/8拍子。マリンバのアンサンブルと坂本のヴォーカルによる暗いハーモニーがメインになっている。中間部では、ブリューのフリーキーなギターソロがフィーチャーされている。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え﹁ONCE IN A LIFETIME﹂のタイトルで12インチ・シングル﹃アレンジメント﹄に収録。
(七)Living In The Dark
●作詞‥かしぶち哲郎
ムーンライダーズのかしぶち哲郎が作詞を担当。
(八)Slat Dance
隙間の多い、たゆたう様な3拍子のリズムとSEのみが前半は続く。後半から現れる完全4度のハモリのメロディーが3回繰り返され、和音は解決しないままに曲を閉じる。
(九)Venezia
●作詞‥かしぶち哲郎
この曲もかしぶち哲郎が作詞。息の長いシンプルなメロディーが、従える和音の色彩を変えながら何度も何度も繰り返される。サックスの音が効果音的に使われている。冒頭からバックで聴こえる16分音符のシーケンスは、レコーディング中にトラック上よりシーケンサーとシンクロする為の情報が何故か消失した為、坂本が手弾きを行なった物。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え﹁THE LEFT BANK﹂のタイトルで12インチ・シングル﹃アレンジメント﹄に収録。
(十)サルの家
リズムボックスのビートに乗って、サルが戯れる。ミキサー卓上のスイッチングで曲が構成されている。
脚注
[編集]- ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、149頁。ISBN 4871310256。