怪獣ゴルゴ
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怪獣ゴルゴ | |
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Gorgo | |
監督 | ユージン・ルーリー |
脚本 |
ジョン・ローリング ダニエル・ハイアット |
原案 |
ユージン・ルーリー ダニエル・ハイアット |
製作 | ウィルフレッド・イーデス |
製作総指揮 |
フランク・キング モーリス・キング |
出演者 |
ビル・トラバース ウィリアム・シルベスター |
音楽 | アンジェロ・F・ラバニーノ |
撮影 | フレディ・ヤング |
編集 | エリック・ボイド |
配給 | MGM映画 |
公開 |
1961年3月29日 1961年10月27日 1961年1月10日 |
上映時間 | 78分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
怪獣ゴルゴ (Gorgo) は1961年に公開されたイギリスの怪獣映画。
ストーリー[編集]
サルベージ船・トリトン号はアイルランドのナラ島沖合で海底火山の噴火に遭遇、辛くも沈没は逃れたが機関を故障してしまう。乗組員のジョーとサムは島の漁港へ向かい、修理のため停泊許可を得ようとするが、港の人々は素っ気ないうえ、責任者である考古学教授・マッカーチンからも﹁島周辺は調査海域のため長期停泊は不可能﹂と突き返されてしまう。だが島の少年・ショーンは二人に﹁そんな規則は無い﹂と密かに伝える。島の沖合は沈没船が多く眠っており、教授は漁師達を雇って財宝を引き上げさせていたため邪魔が入るのを嫌がったのだ。 真相を知られた教授はジョーとサムを島から追い出そうとするが、その晩、噴火の影響で目覚めた太古の怪獣・オグラが出現し港は大混乱となる。翌朝ジョーとサムは﹁引き上げた財宝を代償にして怪獣を捕獲する﹂ことを提案し、教授は渋々受諾。船の装備をフル活用し、二人は見事怪獣の捕獲に成功する。この話題はたちまち注目の的となり、すぐさまアイルランド大学から貴重な研究資料としての譲渡依頼が来た。だがジョーとサムはロンドンのサーカス興行主からさらに高額の引取依頼が舞い込んだのを受け、船をイギリスへと向かわせる。喜ぶ二人の前に、船に密航していたショーンが現れる。﹁こんなのはおかしいよ、怪獣を海へ返そう﹂と提案するショーンだったが相手にはされなかった。 怪獣はゴルゴと名づけられ、ロンドンで見世物にされ大人気となる。だがアイルランド大学生物学教授・ヘンドリクスは﹁あの個体はまだ幼獣で、成獣がいる可能性が高い﹂と二人に警告。その言葉通り、ナラ島沖からさらに巨大な親怪獣が出現、島を蹂躙しマッカーチンもその犠牲となってしまう。島と音信不通になったことを受けて英海軍が出撃するも、親ゴルゴは砲撃や爆雷をものともせず、幼獣を追うかのごとくイギリスへ向けて一直線に進行を開始。恐怖を感じたサムは﹁怪獣を逃がそう﹂と怯えるがジョーは首を縦に降らない。海軍はNATO軍も動員して防衛線を敷いたものの、親ゴルゴはそれをも突破、ついにテムズ川からロンドンへと上陸する。 陸軍は戦車やミサイルで総攻撃を仕掛けるが、怒り狂った親ゴルゴを阻止することは出来ず、ロンドン橋やビッグ・ベン、ピカデリーサーカスが次々瓦礫と化していく。ジョーはショーンを連れて大勢のロンドン市民がパニックになる中を必死に逃げ惑い、その混乱と凄惨な被害を目の当たりにしてようやく自らの間違いに気付く。軍はヘンドリクス教授の協力を得て、幼獣ゴルゴがいるサーカスの檻の周囲に400万ボルトの高圧線を敷き感電死を図る。作戦は成功するのか、それとも……スタッフ[編集]
●監督‥ユージン・ルーリー ●特殊効果‥トム・ハワード ●音楽‥アンジェロ・F・ラバニーノキャスト[編集]
●ビル・トラバース︵ジョー︶ ●ウィリアム・シルベスター︵サム︶ ●ヴィンセント・ウィンター︵ナラ島の少年・ショーン︶ ●クリストファー・ローデス︵ナラ島の教授・マッカーティン︶ ●ジョセフ・オコーナー︵ヘンドリックス教授︶ ●ブルース・シートン︵フラハーティ教授︶ ●マーティン・ベンソン︵サーカスの興行主・ドーキン︶ ●モーリス・カウフマン︵ラジオレポーター︶ ●バジル・ディグナム︵ブルックス海軍提督︶怪獣ゴルゴ[編集]
●親‥身長76メートル[1][2] ●子‥身長20メートル 海底火山の爆発によって目覚めた太古の怪獣。ナラ島では﹁オグラ﹂と呼ばれており、海の精霊、航海の守り神として言い伝えられていた。ゴルゴという名前の由来はギリシャ神話の怪物ゴルゴンからで、サーカス側が勝手に名付けたものである。劇中では詳しい生態には触れられずゴルゴが恐竜の生き残りなのかは不明である。ゴルゴサウルスという恐竜は実在しており、ゴルゴの名前の由来の一つとされる[3]。 海外の怪獣映画としては珍しく、人類の兵器は一切通用しないという設定である。ただし、火には若干怯む様子が窺える。幼獣は危険を感じると体から燐に似た体液を出す。解説[編集]
●本作は着ぐるみの怪獣を特撮用ミニチュアセットの中で演技させている。日本では1954年の﹃ゴジラ﹄以降、﹁巨大生物モノ﹂に関しては時間や予算的制約から人間が中に入る“着ぐるみ”で撮影するのが一般的だが、モデルアニメーションや機械・操演によるパペット、あるいは本物を大写しにするといった手法が多い海外の特撮作品としては、珍しいタイプの特撮映画といえる。 ●監督のユージン・ルーリーはかつて﹃原子怪獣現わる﹄でもメガホンを取ったが、その映画を自身の娘に見せたところ、その結末に関して大いに不満を漏らした。この経験が、本作のラストに生かされている。 ●企画の段階では、怪獣ゴルゴの上陸地点はフランスの首都・パリということになっていた。だがパリは海から100キロ以上離れた内陸にあったため、海から上陸した怪獣が襲うのは変だということになり、より河口に近いロンドンへ舞台が移された。 ●当初は舞台を日本にした、日英合作の作品にする案であった。 ●ゴルゴの捜索シーンに﹃空の大怪獣ラドン﹄のF-86Fセイバーのフィルムが一部流用されている。 ●キャスト全員が子役も含めて全員男性であり、母ゴルゴを除くと、主要キャストに人間の女性が一切出演しない映画である。 ●本作は製作国であるイギリスに先駆けて日本で先行公開された。日本怪獣映画への影響[編集]
●﹃大巨獣ガッパ﹄のストーリーは本作を元にしている。 ●ゴルゴの輸送シーンは﹃スペクトルマン﹄マウントドラゴン輸送シーン、﹃小さき勇者たち〜ガメラ〜﹄のトト輸送シーンの元になっている。また、ラストの親子で海へ帰るシーンは﹃ゴジラvsメカゴジラ﹄のエンディングの元とされている︵日本語版DVDのパッケージ解説より︶。脚注[編集]
- ^ Keep Watching the Skies: American Science Fiction Movies of the Fifties by Bill Warren
- ^ "Director of Dinosaurs" by Tom Weaver, Starlog #193 (August 1993)
- ^ The 9th Wonder of the World: The Making of 'Gorgo'