放生会 (筥崎宮)
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放生会︵ほうじょうや︶は福岡県福岡市東区の筥崎宮で毎年9月12日から9月18日まで開催される祭りである。
博多どんたく、博多祇園山笠と並ぶ博多三大祭りの一つである[1]。7日間にわたり様々な神事や神賑わい行事が行われるほか、2年に一度︵西暦の奇数年︶、御神幸︵神幸祭︶が行われる。神道の放生会の一種であるが、当宮の行事は読みが﹁ほうじょうえ﹂ではなく﹁ほうじょうや﹂である。
参道
夜の参道
●9月12日
●初日祭
●献菓祭 - 菓子を供える︵年により9月13日に開催されることもある︶。
●本宮夕御饌祭 - 奇数年のみ開催。
●御神幸行列︵お下り︶ - 奇数年のみ開催。神輿3体の行列が18時に本宮を出発し、馬出・千代・妙見・吉塚駅前・箱崎の各地区を約4時間かけて練り歩き、国道3号そばにある頓宮まで移動する。
●9月13日
●二日祭 - 偶数年のみ開催。
●頓宮朝御饌祭 - 奇数年のみ開催。
●頓宮夕御饌祭 - 奇数年のみ開催。
●献茶式 - 茶を供える。
●9月14日
●三日祭 - 偶数年のみ開催。
●頓宮朝御饌祭 - 奇数年のみ開催。
●頓宮夕御饌祭 - 奇数年のみ開催。
●御神幸行列︵お上り︶ - 奇数年のみ開催。お下りと同様の行列が19時に頓宮を出発し、箱崎地区を約1時間かけてお下りと逆の経路で練り歩き、本宮に戻る。
●9月15日
●放生会大祭
●献華祭 - 花を供える。
●9月16日
●五日祭
●9月17日
●六日祭
●9月18日
●納祭
●放生神事 - 納祭終了後に開催。稚児行列・童児育成祈願祭の後に放生神事を行い、稚魚と鳩を放つ。
起源・歴史[編集]
筥崎宮の放生会は﹁万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する﹂という趣旨により行われる。期間中に行われる供養祈願祭では、やむを得ず殺生した生き物や、死亡したペットなどの供養と、商売繁盛、家内安全の祈願を行う[1]。 放生会は﹁合戦の間多く殺生すよろしく放生会を修すべし﹂という神託により始められたとされ、延喜19年︵919年︶に筥崎で放生会があったという記録がある。元中6年︵1389年︶に九州探題の今川貞世が筥崎宮大宮司五智輪院に宛てた文書に﹁放生会不可怠﹂という記述がある。慶長年間に途絶えたのち延宝3年︵1675年︶に再興し、毎月15日に法会として行っていたが、明治時代の神仏分離により法会としては消滅した。 御神幸︵神幸行事︶は古くは筥崎宮から博多湾を船で渡り、博多の夷町にあった頓宮︵現在の博多区大博町の恵比須神社のある場所︶へ渡御を行っていたが、天正年間に戦乱により途絶えたとされる。元禄14年︵1701年︶に神職等の願いにより当時の福岡藩藩主黒田綱政が寄進を行い、海岸部に頓宮を設け、本宮と頓宮の間を往復する形態で再開された[2]。神幸行事は福岡市指定無形民俗文化財[2]。 祭りの期間中の来訪者数は延べおよそ100万人とされる[1]。祭の様子を表す言葉として﹁ナシもカキも放生会﹂と言われる[3]。日程[編集]
神事[編集]
その他のイベント[編集]
神賑わい行事︵各種芸能の披露など︶が祭り期間中毎日開催されるほか、廻廊でぼんぼり献燈、池坊いけばな展、放生会ちゃんぽん・おはじきの展示が行われる。 国道3号沿いから一之鳥居︵本殿に最も近い鳥居︶までの参道周辺部には約500軒の露店や見世物小屋・お化け屋敷などが出店する。かつては自転車の曲乗りや、ストリップショーが開催されたこともあったという[3]。また、以前は古本市も開催されていたが、現在は行なわれていない。縁起物[編集]
脚注[編集]
(一)^ abc放生会 - 筥崎宮 (二)^ ab筥崎宮神幸行事 - 福岡市の文化財、福岡市経済観光文化局文化財活用部文化財活用課 (三)^ abNo.18 放生会 - ふるさと歴史シリーズ﹁博多に強くなろう﹂、西日本シティ銀行・西日本新聞社、1981年8月 (四)^ 放生会名物チャンポン絵付け始まる - 読売新聞、2016年7月28日︵インターネット・アーカイブ︶ (五)^ 放生会おはじきに関するお知らせ (PDF) - 筥崎宮、2017年6月 (六)^ 放生会おはじき レアすぎて中止 福岡・筥崎宮名物 行列に苦情、転売苦慮 代替品の通年販売を検討 - 西日本新聞、2017年5月26日︵インターネット・アーカイブ︶関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 放生会 - 筥崎宮
- 博多の豆知識vol.44 新ショウガと博多チャンポン、それに放生会おはじき - 福岡市役所市長室広報戦略室広報課、2010年9月1日