水ポテンシャル
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水ポテンシャル | |
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量記号 | Ψw |
次元 | T-2 L-1 M |
SI単位 | Pa |
水ポテンシャル︵みずぽてんしゃる︶は水の標準状態に対する単位体積あたりのポテンシャルエネルギーであり、浸透圧、重力、圧力、毛細管現象によるマトリック効果によって、水が移動するための駆動力を示す。水ポテンシャルの概念は、植物、動物や土壌の中の水の動きを理解して計算するために重要な概念である。水ポテンシャルは、通常は水の単位体積あたりのポテンシャルエネルギーとして定量化され、国際単位系における単位はPa︵パスカル︶である。
土壌中の水ポテンシャルが小さいと、土壌に水が強い力で保持されているため、植物にとってはその土壌から水を吸水しにくくなる。そのため、水ポテンシャルは水分ストレスを示す指針として用いられる。
をいくつかの構成要素の和として
と表される。ここで
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‥基準補正
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‥浸透ポテンシャル
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‥圧力ポテンシャル
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‥重力ポテンシャル
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‥湿度によるポテンシャル
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‥マトリックポテンシャル
である。植物や土壌のように分野に応じて若干異なった構成要素の分け方がされる。
ここで、Mは溶質のモル濃度、iはファントホッフ係数、Rは気体定数、Tは絶対温度である。
浸透ポテンシャルは多くの生物にとって重要な意味を持っている。生物の細胞が高濃度の溶液にさらされると、細胞は外部の負のポテンシャルによって水を奪われがちである。海水中の生物や、塩害の環境下で育つ植物では、このような現象が起きる。