洗濯糊
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洗濯糊︵せんたくのり︶は、衣類の感触を改善したり型崩れを防止するために使用される薬剤。ワイシャツやシーツなどにパリッとした感触をもたらし、汚れが付着しにくくなる効果もある。
成分[編集]
洗濯のりの成分は、化学糊と、デンプンを主成分とした天然糊とに大別できる。化学糊[編集]
化学糊は、半合成糊と合成糊に分類できる。半合成糊[編集]
加工デンプンやカルボキシメチルセルロース (CMC) を主成分とする。合成糊[編集]
●ポリ酢酸ビニル(PVAc) 洗濯機に投入することで、糊付けが可能。水に対してある位程度の耐水性がある。この特性は、逆に糊落ちが悪いとも言え、衣類の用途によっては欠点になる場合もある。 ●ポリビニルアルコール (PVA) PVAcよりも耐水性が低いが、糊落ちがよいとも言える。 ●耐熱性ポリマー 上記二種の合成糊は、耐熱性がなくため焦げるので、糊付け部分にアイロンをかけることはできない。糊付け後に、アイロン掛けする部位には、耐熱性ポリマーを原料とする洗濯糊が用いられる。耐熱性ポリマーとは、物質名ではなく﹁耐熱性を有する高分子﹂を意味する総称である。したがって、その特性は物質により異なる。一般に、PVAcやPVAよりも高価である。天然糊[編集]
●家庭で片栗粉や小麦粉、コーンスターチを材料にして作ることもできる。しかし、カビや虫害による変質のおそれがあるため、糊付けしたままの保管には適さない。剤形[編集]
洗濯糊の剤形は、液状・ジェル状・粉末・スプレータイプなどがある。一般的には、液状や粉末のものはすすぎの後、脱水前に糊を溶いた液に衣類を漬け込む。スプレータイプのものはアイロン掛け時に使用し、襟元など部分糊付けに適する。日本で市販されている主な洗濯糊[編集]
●カネヨノール︵カネヨ石鹸︶ - PVAを主成分としたジェルタイプ ●ハイクリーチ︵大阪糊本舗︶ - PVAを主成分としたジェルタイプ ●キープスターチ︵大阪糊本舗︶ - PVAcを主成分としたジェルタイプ ●クラノール︵株式会社永久糊︶ - PVAを主成分としたジェルタイプ ●北国ノール︵北国糊糧工業︶ - PVAを主成分としたジェルタイプ ●シルバーキング︵シルバー化成工業所︶- PVAを主成分としたジェルタイプ ●ホーライ糊︵ホーライ糊工業︶ ●ダイヤ糊︵ダイヤ糊工業︶ このほか、マルフクケミファ、ロケット石鹸などからも発売されている。日本で終売となった製品[編集]
●カンターチ︵ジョンソン︶ - 天然糊を主成分としたスプレータイプ。2015年終売[1]。 ●キーピング︵花王︶ - 洗濯機用とアイロン用とがある。2022年終売脚注[編集]
- ^ “製造終了製品:製品情報”. 2015年製造終了製品. ジョンソン. 2020年11月3日閲覧。
参考資料[編集]
- 洗濯糊の種類とでんぷん糊の作り方 - 石鹸百科:株式会社 石けん百貨(旧・生活と科学社)