直接メタノール燃料電池
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直接メタノール燃料電池︵ちょくせつメタノールねんりょうでんち、direct methanol fuel cell、DMFC︶は、メタノールを燃料とする固体高分子形燃料電池の一種である。
空気極‥
全反応‥
このように直接メタノール燃料電池においては、メタノールが燃料極で直接酸化される。
反応生成物として、燃料極では二酸化炭素、空気極では水が生成する。
直接メタノール燃料電池の起電力は、メタノール酸化反応の自由エネルギー変化が-698.2kJ mol-1で、6個の電子が反応するから、
E = -ΔGf / zF= 6.98×105 [J mol-1] / (6 × 96485 [C mol-1]) = 1.21 [V]
と計算される。
この値は、水素を燃料とする燃料電池の起電力︵1.23V︶とそれほど変わらない。
しかし、燃料極に供給されたメタノールは電解質膜を透過して空気極に達する︵クロスオーバー現象︶ため、空気極は酸素の還元とメタノールの酸化の両方を反映した混成電位となって、電池の開回路電圧が低下する。
加えて、発電時では、メタノールの酸化反応は水素の酸化反応より遅いため、発電時には活性化分極が大きくなり電圧は低下する。
また、メタノール酸化反応の中間生成物である一酸化炭素が触媒毒となり、電極で用いている白金の触媒活性を低下させる︵一酸化炭素被毒︶。
これらの理由により、一般的に、直接メタノール燃料電池は、水素燃料電池と比較すると性能が低くなる。