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﹃行け!!南国アイスホッケー部﹄︵ゆけ なんごくアイスホッケーぶ︶は、久米田康治による日本の漫画作品。
概要・あらすじ[編集]
週刊少年漫画雑誌﹃週刊少年サンデー﹄︵小学館︶に、1991年15号から1996年34号まで連載された。単行本は少年サンデーコミックスより全23巻、同ワイド版より全11巻。
カナダからの帰国子女である蘭堂月斗を中心に様々なギャグが展開されるギャグ漫画。
物語はアイスホッケーを行っていた時期と行わなくなった時期で明確に分けられる。
単行本4巻まで[編集]
カナダの有名なアイスホッケー選手だった蘭堂月斗は、監督との縁から弱小アイスホッケー部の助っ人として鹿児島の浜津学園高校に転校してくる。アイスホッケー部は月斗の加入で日増しに強くなるが、さまざまな問題がアイスホッケー部にもたらされるスポーツコメディ。
絵柄は強弱がつけられた線で、比較的リアルな人物造形となっている。また登場人物の大半が鹿児島弁を話していた。
単行本4巻以降[編集]
単行本第4巻第1話﹁秘技!!湯けむりシュート﹂を境にアイスホッケーはほぼ完全に行われなくなり、月斗を中心に巻き起こる下ネタギャグ漫画と化す︵たまにアイスホッケーがギャグのネタに使われることはあったが、本格的な部活動の描写は皆無であった︶。月斗の周囲に、さまざまな有名人をもじった一発キャラ︵名前は下ネタにかけられていることも多い︶が登場し、下ネタギャグが展開される。下ネタのレベルは少年誌掲載ということもあって基本的に軽い表現だが、同性愛に関する極端な表現が原因でワイド版未収録となった話も存在する。時折ラブコメ風の展開になることがあった。下ネタばかりに脚光を浴びがちだが、連載中期は下ネタよりも純粋なダジャレが非常に多かった。
物語後半はアイスホッケーが完全に行われなくなったことから、当初は主要な役割を果たしていた部員もほとんどが出てこなくなった。
絵柄は徐々に線の強弱が失われ、また人物造形も﹁顔が小さく目が大きく﹂﹁腕や足が細長く﹂と言ったデフォルメ化が進行した。そして末期では細く平坦な線で比較的無機質的な人物造型となっており、現在の久米田作品の絵柄の原型が確立されている。
上述の通り絵柄の変化が非常に激しいのも特徴である。次第に線が細くなり、終盤に至るとシャープな線になり、脚や首が非常に長くなっている。作者の久米田康治本人も作品内で絵柄の変わり様についてネタにしたほどである。1話と最終話の絵柄を見比べると、全くと言っていいほど別の画風に変貌している。これは後の久米田作品でもある﹃かってに改蔵﹄や﹃育ってダーリン!!﹄にも共通している。
連載中期から共通するものを列挙するネタが行われ始めるなど、作品の終盤で﹃かってに改蔵﹄や﹃さよなら絶望先生﹄へと繋がる形を確立した。また、社会風刺や作家いじり︵主に北崎拓︶などのネタもこの頃から存在している。
主な登場人物[編集]
蘭堂月斗︵らんどう げっと︶
主人公。カナダからの帰国子女で、浜津学園に入学する。有名なアイスホッケー選手だったが、そのプレイの卑怯さ︵審判の目を盗んだ違反行為の連発︶によってカナダのホッケー界を追放されてしまう。物語の初期はそれなりにスポーツ選手らしくしていたが、物語の中盤以降は自堕落な生活を送り、変態行為が加速してしまい、女性に対して淫らな行為をしばしばやらかす。彼女も無くオナニーに耽る日々を送る。13歳で自慰行為を覚え、48手のスタイルをマスターする。チンコは大きくなく、作中で短小、粗チン扱いされることも多い。﹁はーん﹂が口癖。最終話で正体が明らかになる。
鼻にいつも絆創膏が貼られている。兄に青年実業家の蘭堂抜斗がいるが、アイスホッケーではなく剣の達人であるため風間圭介とタッグを組んでいたという月斗の兄とは別人と見られる。
岡本そあら︵おかもと そあら︶
本作のヒロイン。アイスホッケー部マネージャー。気が強く、本作ではつっこみ役に回ることが多い。月斗の事が好きなようだが、その行動は一貫しない。ポニーテールで70のAという貧乳︵という設定のはずだが、中期~後期には舞子とほぼ同等の巨乳に描かれている︶。ダイエーファン︵平和台時代︶で、とくにカズのファン。成績は優秀。
和菓子屋の次女で、名前のモチーフはトヨタ自動車の﹁ソアラ﹂。姉にせりか、妹にとれのがおり、未来では娘としてころなが誕生している。コミックスの表紙を飾る事が多い。後に﹃かってに改蔵﹄単行本第7巻第6話﹁人気者でいこう…よ。﹂ にて、天草と舞子と共にゲスト出演を果たしている。
よくアルバイトをしているが、看護師やスチュワーデスのような高校生がアルバイトで働くことが通常では不可能な専門職までやっている。未来では保母さんをやっている。
一時期、ツッコミ用の道具として﹃うしおととら﹄の﹁獣の槍﹂をモチーフにした﹁ケダモノの槍﹂を使用していた。
天草健太郎︵あまくさ けんたろう︶
アイスホッケー部の部長。アイスホッケーをやらなくなった後もキャプテンと呼ばれていた。当初は裸眼だったが、﹁月斗と判別がつかない﹂と読者に指摘されたらしいので眼鏡をかけるようになった。珍獣・オカルトのマニア。右曲がりの巨根らしい。次作﹃太陽の戦士ポカポカ﹄でもキャプテン天草というキャラで再登場している。
多趣味で、その回のテーマとなるものに異常にこだわりを見せる。彼に限らず、浜津学園アイスホッケー部は全国的にも強い部類に入るが、自信が無いのと根本的に小心者な為、﹁自分より弱い﹂と確信した相手にしか実力を発揮出来ない。
朝霧舞子︵あさきり まいこ︶
そあらの友人。巨乳美人でミス浜津にも選ばれている。3サイズは90,58,85。天草の事を好きらしい。いわゆるお色気要員で、パンチラや胸を出すシーンが多い。
ロブ・ドールマン
交換留学生として月斗とほぼ同時期に転入したアイスホッケー部員。月斗と同様にカナダのホッケー界を追放された身だが、月斗とは違い暴力沙汰で追放された。暴走するときには﹁戦いの踊り﹂を踊る。初期は主要キャラであったが、アイスホッケーをやらなくなってからほとんど登場しなくなり、そのことが作中でネタにされたりもした。
鈴木保奈男︵すずき ほなお︶
通称スズキ。アイスホッケー部員。インキンで死にかけた事もある。月斗の次に女性に対する淫らな行為が多く、エロ本や自身の性器を嫌がる女性に見せたり、嫌がる女性の服を無理矢理脱がすといった行動をしている。下着ドロが最も得意。実家はラーメン屋を営む。女運が悪く、彼女が出来ても月斗の所為で振られたり、二股を掛けられたりする事が多い。
伊藤未来男︵いとう みきお︶
通称イトウ。アイスホッケー部員。包茎である事をいつも気にかけている。文化祭で鈴木と一緒にちん立て伏せを披露した際に包茎手術した箇所を負傷した。後半にはかなり出番が減る。
風間圭介︵かざま けいすけ︶
アイスホッケー部コーチ。年齢29歳。昔はアイスホッケーの選手で蘭堂の兄とタッグを組み﹁カミカゼブラザーズ﹂として恐れられていたが、試合中に目を負傷したことにより引退。初期はマジメにアイスホッケー部の強化に取り組む場面が見られたが、次第にスケベ心丸出しの変態オヤジと化していった。オナニーの際に全裸になったり利き手とは反対の手の爪にマニキュアを塗って行為をするという拘りを持っている。
財部光三︵たからべ こうぞう︶
通称は理事長。アイスホッケーが好きで、強引にアイスホッケー部を作った。芸に厳しいが、その割によく自分のギャグがスベる。並外れた財力と九州中のアイスホッケーチームを老若男女問わずに集めて大会を開催出来る程の人脈を持っている。
亀頭雁男︵かめあたま かりお︶
古典教師。彼が試験監督の時は絶対にカンニング出来ないことから、通称﹁カンニングハンター亀﹂と呼ばれる。ある理由で教職を退き、その後も月斗に戦いを挑んでは敗れる。四人兄弟の長男︵次男‥先次郎、三男‥こす郎、四男‥なめ郎︶で、兄弟揃って恥ずかしい髪型をしている。やられた時はいつも﹁必ず復讐してやる﹂と言っている。
毒田︵どくた︶
そあらのおじで、マッドサイエンティスト。様々な発明品の開発・研究をする日々。タイムマシーンを作る事が出来るため、タイムスリップネタではほぼ必ず登場。しかし、このタイムマシーンの外観はゴミ収集車やバキュームカーにしか見えない。
単行本[編集]
小学館より全23巻が刊行。後にワイド版として全11巻が刊行された。ただしワイド版では一部削除された箇所がある。また﹃My First WIDE かってに改蔵﹄および﹃My First BIG SPECIAL 毎月久米田康治﹄では﹁Special Selection!!﹂として、一部の話を掲載している。