齋藤朔郎
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齋藤 朔郎︵さいとう きたろう、1900年︿明治33年﹀1月31日 - 1964年︿昭和39年﹀8月9日︶は、日本の裁判官、弁護士。最高裁判所判事。大阪府出身。
経歴[編集]
1923年︵大正12年︶12月東京帝国大学法学部在学中に高等文官試験行政科・司法科の双方に合格し、翌1924年︵大正13年︶に東京帝国大学を卒業[1]。 戦前、大阪地方裁判所民事部に勤務した後に、司法省民事局に出向して会社更生法の基礎を作成[1]。1941年︵昭和16年︶8月に司法大臣官房人事課長となり、1945年︵昭和20年︶5月に満州国にて最高法院次長、司法部次長を務めた。敗戦によりシベリア抑留となる[1]。 帰国後は一旦は弁護士になるが、1949年︵昭和24年︶4月に再び裁判官となり、東京高裁刑事部に勤務した[1]。違法収集証拠排除法則を示し、適正手続きを重視する姿勢を貫き、﹁斎藤さんのところは、よく無罪判決が出る﹂と噂された[1]。 大阪高等裁判所部総括を経て、1956年︵昭和31年︶12月、参議院法制局長に就任[1]。 1962年︵昭和37年︶5月29日に最高裁判事に任命︵第一小法廷に所属︶。松川事件第二次上告審では無罪判決支持に立ち、有罪説の下飯坂潤夫と激しく論争した[2]。 在任中の1964年︵昭和39年︶8月9日に東京国立第一病院で胃穿孔正腹膜炎で64歳で死去[3]。著作[編集]
著書[編集]
●﹃事実認定論﹄有斐閣、1954年5月。 NCID BN07230569。全国書誌番号:54006039。 ●﹃事実認定論﹄︵オンデマンド版︶有斐閣、2001年11月。 NCID BA69816664。 ●﹃会議の秩序維持について﹄全国都道府県議会議長会事務局︿議会職員執務資料シリーズ No.44﹀、1960年12月。全国書誌番号:21388071。 ●﹃刑事訴訟論集﹄有斐閣、1965年7月。 NCID BN06956751。全国書誌番号:65010899。 ●﹃裁判官随想﹄有斐閣、1966年7月。 NCID BN06272712。全国書誌番号:66006266。論文[編集]
●﹁刑事訴訟の控訴審の性格について﹂﹃法曹時報﹄第3巻第4号、法曹会、1951年4月、47-59頁、NAID 40003496127。 ●﹁裁判所侮辱制裁法案の公聴会の公述意見について﹂﹃法曹時報﹄第3巻第8号、法曹会、1951年8月、50-57頁、NAID 40003495982。 ●﹁公訴事実の同一性について﹂﹃法曹時報﹄第4巻第9号、法曹会、1952年9月、26-47頁、NAID 40003496099。 ●﹁非常上告に関する判例は逆行すべきか﹂﹃ジュリスト﹄第35号、有斐閣、1953年6月、26-30頁、NAID 40001762420。 ●﹁法服論議﹂﹃ジュリスト﹄第42号、有斐閣、1953年9月、24-26頁、NAID 40001762477。 ●﹁裁判と裁判官の中立性﹂﹃法律時報﹄第26巻第2号、日本評論社、1954年2月、124-132頁、NAID 40003513935。 ●﹁不利益変更禁止の存廃について﹂﹃ジュリスト﹄第55号、有斐閣、1954年4月、2-5頁、NAID 40001762451。 ●﹁証拠収集手続の違法と証拠能力の関係﹂﹃法曹時報﹄第6巻第9号、法曹会、1954年9月、1076-1104頁、NAID 40003496049。 ●﹁裁判官の良心﹂﹃ジュリスト﹄第68号、有斐閣、1954年10月、14-18頁、NAID 40001761830。 ●﹁対質と﹁面通し﹂﹂﹃判例時報﹄第44号、判例時報社、1955年2月、1125-1126頁、NAID 40003195608。 ●﹁民刑訴訟における証拠調の限度﹂﹃法曹時報﹄第7巻第4号、法曹会、1955年4月、413-437頁、NAID 40003493440。 ●﹁悪法再論議﹂﹃ジュリスト﹄第85号、有斐閣、1955年7月、NAID 40001745664。 ●﹁自由心証の運用について﹂﹃法曹時報﹄第7巻第8号、法曹会、1955年8月、909-932頁、NAID 40003493449。 ●﹁法と国家権力﹂﹃法哲学年報﹄第1955号、日本法哲学会、1956年2月、1-22頁、NAID 130003426852。 ●﹁裁判の抱束力﹂﹃ジュリスト﹄第99号、有斐閣、1956年2月、NAID 40001745769。 ●﹁蓋然性の濫用﹂﹃法曹時報﹄第8巻第6号、法曹会、1956年6月、764-786頁、NAID 40003493481。 ●﹁東独の刑事訴訟法﹂﹃ジュリスト﹄第114号、有斐閣、1956年9月、NAID 40001745952。 ●﹁事案の真相の究明﹂﹃法曹時報﹄第10巻第2号、法曹会、1958年2月、145-171頁、NAID 40003493547。 ●﹁法原則の作用について﹂﹃ジュリスト﹄第217号、有斐閣、1961年1月、NAID 40001747040。脚注[編集]
参考文献[編集]
- 野村二郎『最高裁全裁判官:人と判決』三省堂、1986年。ISBN 9784385320403。
- 野村二郎『日本の裁判史を読む事典』自由国民社、2004年。ISBN 9784426221126。