イチジク(読み)いちじく(英語表記)fig

翻訳|fig

改訂新版 世界大百科事典 「イチジク」の意味・わかりやすい解説

イチジク (無花果)
fig
Ficus carica L.


2000沿161741 2 3 4 

 湿


Blastophaga psenes1.8mm

 Ficus9002


372119︿︿


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イチジク」の意味・わかりやすい解説

イチジク
いちじく / 無花果
fig
[学] Ficus carica L.


APG3437()()()27()810

 122000沿caricaCaria西152015751769()16241644()()()()

 20191213

品種


4()Blastophaga grossorum()

 1052016

 20191213

食品


7230.20.3()()

 20191213

文化史

聖書には、アダムとイブが禁断の実を食べて裸身に羞恥(しゅうち)を抱き、イチジクの葉をつづって腰に巻いたという「創世記」(3章7節)の説話以外にも数多くイチジクが登場し(アメリカの聖書研究者モルデンケによると少なくとも57か所)、禁断の実もイチジクだとする説がある。イチジクは地中海沿岸から、西はカナリア諸島、東はシリアに至る地域に自生するが、古くから食用にされていたらしく、パレスチナでは紀元前から重要な食物であった。伝説などとの結び付きが強く、ローマの始祖ロムルスとレムスの揺り籠(かご)は、ローマに流れ着いたおりイチジクの根にひっかかって止まったとされる。

[湯浅浩史 2019年12月13日]


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食の医学館 「イチジク」の解説

イチジク

 


 11
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 B1B2便()()
︿
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調


   

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イチジク」の意味・わかりやすい解説

イチジク
Ficus carica; fig

クワ科の落葉高木で西アジアの原産といわれる。湿った場所を好み,高さ 5mにもなる。幹は灰褐色でよく分枝し,葉は大型で掌状に裂け,厚く粗毛がある。茎,葉ともに傷つけると白い乳液が出る。花は独特で,いわゆる隠頭 (イチジク) 花序をなし,これは壺形に肥大した花序の軸の内側に多数の雌性の小花を密集したものである。花はこの壺の中で開き,単為結実すると花序全体が肥大して,いわゆるイチジクの実となる。このように開花状態が外部から認められないため,無花果の名がある。通常は初夏に,葉腋に小さな花序が生じて葉陰で生育し夏の終りから秋に熟するが,そのあと秋から生じる実 (秋実) もある。しかし低温にあうと未熟のまま落果する。イチジクの栽培の歴史はきわめて古く,旧約聖書にもみられる。中国でも唐の時代にはすでに栽培され,日本には江戸時代に伝来した。生食するほかジャムや干しいちじくとする。

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栄養・生化学辞典 「イチジク」の解説

イチジク

 [Ficus carica].イラクサ目クワ科イチジク属の落葉中高木で,果実を食用にする.

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世界大百科事典(旧版)内のイチジクの言及

【アダム】より

…ここでは誘惑者たる悪魔は原則として蛇で描かれるが,中世末期には女性の頭をもつ蛇あるいはトカゲ,ルネサンス美術では角をもった牧神も登場する。知恵の木の実は,ビザンティン美術およびイタリアではイチジクかオレンジ,フランスではリンゴ,ブドウ栽培の盛んな地方ではブドウとして描かれている。そして楽園追放の場面として,〈イチジクの葉で身体を隠すアダムとイブ〉〈楽園追放〉〈労働に従うアダムとイブ〉が続き,例外的に息子カインとアベルの物語中に登場する場合がある。…

【木】より

…アッシリア人も聖なる力と宇宙の再生力の象徴としての聖樹の信仰をもち,前2000年ころから多くの芸術的表現をもつ。このほか,ゴール人はオーク,ゲルマン人はボダイジュ,イスラム教徒はオリーブ,インド人はバニヤンと呼ばれるイチジク,シベリアに住む原住民族はカラマツを,それぞれ聖なる木として崇拝した。これらの木はすべて世界の軸として,天と地が結ばれる場所,神性の通り道となる。…

【有毒植物】より



※「イチジク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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