デジタル大辞泉 「ビタミン欠乏症」の意味・読み・例文・類語 ビタミンけつぼう‐しょう〔‐ケツボフシヤウ〕【ビタミン欠乏症】 ビタミンの摂取不足によって生じる生理機能障害。ビタミンAでは夜盲症、B1では脚(かっ)気(け)、Cでは壊血病、Dでは佝(くる)僂(びょ)病(う)など。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「ビタミン欠乏症」の意味・読み・例文・類語 ビタミンけつぼう‐しょう‥ケツバフシャウ【ビタミン欠乏症】 〘 名詞 〙 ビタミンの不足から起こる生理機能の障害。特定のビタミンの欠乏に伴って起こる場合、ビタミン名をつけて、たとえばビタミンA欠乏症などと呼ぶ。[初出の実例]「食糧の欠乏よりくる栄養の不良は脚気や夜盲症等のヴィタミン欠乏症を起し」(出典:目撃者の反省(1941)〈杉山英樹〉) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビタミン欠乏症」の意味・わかりやすい解説 ビタミン欠乏症びたみんけつぼうしょう ビタミンは本来、体内では合成されず、つねに外界から補給されなければならない微量の有機化合物であり、おもに補酵素として働き、代謝を支配し、これが不足すると種々の疾患に陥る。この疾患がビタミン欠乏症である。現在までに発見されたビタミンは二十数種にも及ぶが、一般に食物摂取上の欠陥から欠乏症をおこすビタミンは、ビタミンA、D、B1、B2、Cとニコチン酸の六つだけである。パントテン酸、ビオチン、ビタミンB6、B12、Kおよび葉酸などは食物中に広く存在しており、自然発生的に欠乏症をおこすことは少ない。また、腸内細菌もいろいろなビタミンを産生し、ヒトはそれを腸管から吸収、利用している。しかし、食物中のビタミンは不足しておらず、体内にビタミンが十分にあっても、それがなんらかの原因でうまく利用できない場合にも欠乏症状が現れる。たとえば、肝疾患時や抗生物質使用時のビタミンB2欠乏症状、抗結核剤イソニアジド使用時のビタミンB6欠乏症状、腎(じん)不全時のビタミンD活性化障害によるビタミンD欠乏症状などがこの例である。これらのものを二次性ビタミン欠乏症とよんでいる。 おもなビタミン欠乏による病名をあげると、ビタミンB1欠乏症︵脚気(かっけ)、ウェルニッケ脳症︶、ビタミンB2欠乏症︵リボフラビン欠乏症︶、ニコチン酸欠乏症︵ペラグラ︶、ビタミンB6欠乏症︵多発性神経炎︶、葉酸欠乏症︵巨赤芽球性貧血︶、ビタミンB12欠乏症︵悪性貧血︶、ビタミンC欠乏症︵壊血病︶、ビタミンD欠乏症︵くる病、骨軟化症︶、ビタミンK欠乏症︵臓器出血︶、ビタミンA欠乏症︵夜盲症、皮膚乾燥症、角膜軟化症︶である。 ﹇橋詰直孝﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「ビタミン欠乏症」の意味・わかりやすい解説 ビタミン欠乏症【ビタミンけつぼうしょう】 ビタミンの欠乏による各種疾患。原因は主としてビタミンの摂取不足。たとえばビタミンA欠乏では夜盲症,B1欠乏では脚気・神経炎,B2欠乏では口角炎・口内炎・舌炎,B12では悪性貧血,ニコチン酸欠乏ではペラグラ,C欠乏では壊血病,D欠乏ではくる病,E欠乏では溶血の亢進や貧血など,K欠乏では血液凝固障害などがある。治療はビタミン剤の投与。 →関連項目ビタミン|皮膚病 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報