ユゴー(読み)ゆごー(英語表記)Victor Hugo

デジタル大辞泉 「ユゴー」の意味・読み・例文・類語

ユゴー(Victor Marie Hugo)

 
18021885319  

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ユゴー」の意味・読み・例文・類語

ユゴー

  1. ( Hugo ) ⇒ユーゴー

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユゴー」の意味・わかりやすい解説

ユゴー
ゆごー
Victor Hugo
(1802―1885)

フランスの詩人、小説家、劇作家。2月26日、ナポレオン麾下(きか)の将校レオポルド・ユゴーLéopold Hugoとナント生まれの王党派の女性ソフィー・トレビュッシェSophie Trébuchetの三男としてブザンソンに生まれる。幼時はイタリア、スペインなど父の配属地を転々とし、のち別居中の母とともにパリに移り教育を受ける。後年『静観詩集』その他の著名な詩のなかでうたわれるフイヤンティーヌは当時の住居があった所で、母親ソフィーや代父ラオリー、ラテン語を学んだ神父などとともに幼時の精神形成に関与した。

[佐藤実枝]

王党派作家として出発

ユゴーは早くから文学に熱中し、1819年トゥールーズの文華アカデミー・コンクールで一等賞を受賞、『コンセルバトゥール・リテレール』の発刊、処女詩集『オードと雑詠集』(1822)の出版で詩人としてデビューするが、初期作品には母親の影響でカトリック的、王党派的色彩が強い。22年10月アデール・フーシェAdèle Foucherと結婚。この時期の詩集は中世の絵画美への憧(あこが)れを示す『オードとバラード集』(1826)、ギリシア独立戦争に多く取材したエキゾチックな『東方詩集』(1829)で時代の好みへの敏感な反応を示す。小説では『アイスランドのハン』(1823)、サント・ドミンゴの奴隷の反乱を舞台にロマン派的主人公の自己犠牲を描いた『ビュグ・ジャルガル』(1826)、そして『死刑囚最後の日』(1829)ではすでに思想的に左傾化の兆しがみえる。

[佐藤実枝]

ロマン派の指導者


182727cénacle1829()()1()enjambement()mots propres使使


政治的転向


18307731183118351837184030Juliette Drouet183318331838姿43LéopoldineCharles Vacquerie()1841454819


亡命生活


185218551318521853()18561859186518623018661869


不屈な晩年と栄光


187071Charles71François-Victor73931874L'Art d'être grand-père187778()1879188018811882187783

 188180寿1883855225()()200()

 19()()使



A 1961197924 1980219601984

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ユゴー」の意味・わかりやすい解説

ユゴー
Victor Hugo
生没年:1802-85


1827301018293130183118371832183848513191853318561185918861891︿186218661870321877318831874

 19190235
 1840500使G.Cêlestin Nanteuil1813-73

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ユゴー」の意味・わかりやすい解説

ユゴー

 
1822182718301843()184518513191
 

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユゴー」の意味・わかりやすい解説

ユゴー
Hugo, Victor-Marie

 
[]1802.2.26. 
[]1885.5.22. 
使1822 Odes et Poésies diverses60 Cromwell (1827)  Hernani (30)  Les Orientales (29)  Les Feuilles d'automne (31)  Les Contemplations (56)  La Légende des siècles (5983)  Notre-Dame de Paris (31)  Les Misérables (62)  Les Travailleurs de la mer (66)   

ユゴー
Hugo, Valentine

[生]1897
[没]1968?
フランスの女性画家。 O.ルドンの影響を受け,神秘的で幻想的な作風で,シュルレアリストとして活躍。 P.エリュアールの詩『人間と動物』の挿絵や,『オンディーヌ』の舞台装置などで知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ユゴー」の解説

ユゴー
Victor Marie Hugo

1802〜85
フランスの詩人・小説家・劇作家
戯曲『エルナニ』(1830)の上演によってロマン主義指導者としての名声を確立。二月革命以後は政治生活にはいり,自由の擁護者として共和派の立場に立ち,ルイ=ナポレオン(3世)のクーデタに反対して国外追放となる。19年間にわたる亡命生活の間にナポレオン3世を攻撃するいっぽう,名作『レ−ミゼラブル』(1862)を書いた。普仏 (ふふつ) 戦争後帰国して国会議員となり,その死には国葬の礼がとられた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ユゴー」の解説

ユゴー
Victor Marie Hugo

1802~85

フランスの詩人,小説家,劇作家。ロマン派の詩人グループの指導者で,演劇にもロマン派を確立した。小説の代表作『ノートルダム・ド・パリ』『レ・ミゼラブル』。政治家としても活躍した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のユゴーの言及

【エルナニ】より

…フランスの小説家ユゴーの韻文史劇。5幕。…

【オリエンタリズム】より

…文学においては,ガランによる《千夜一夜物語》の翻訳(1704‐17),モンテスキューの《ペルシア人の手紙》(1721),ボルテールの《マホメット》(1741)などがその早い例で,啓蒙主義的文明批評のにおいが強かったが,しだいにエキゾティシズムに傾いてゆく。ユゴーの《東方詩集Orientales》(1829),ラマルティーヌの《東方紀行》(1835)などがロマン主義文学者による代表例である。音楽では,モーツァルトの《後宮よりの誘拐》(1782)のトルコ趣味が早い例で,後にはベルディの《アイーダ》(1871初演)のような,エジプト風俗に関してかなり歴史的考証を経たものも見られる。…

【バンデの反乱】より

…とくにナントで国民公会議員カリエの指導により実行された大量の銃殺刑,溺死刑はよく知られており,約6000名の反徒とみなされた囚人がほとんど裁判を受けることなく処刑された。なお,ユゴーの歴史小説《93年》や,バルザックの小説《ふくろう党》などには,この革命期の反乱のありさまと背景がよく描かれている。【小井 高志】。…

【フランス演劇】より


【19世紀】

[ロマン派演劇と同時代風俗劇]
 タンプル大通りが〈犯罪大通り〉と呼ばれたのは,そこで流行した〈メロドラム〉(メロドラマ)という勧善懲悪お涙頂戴のサスペンス劇で無闇と殺人が行われたからであるが,G.deピクセレクールを代表とするこの大衆演劇は,1830年代から40年代にかけてのロマン派による文学戯曲変革の演劇的下地を作る。ユゴーによるロマン派演劇宣言《クロムウェルの序文》(1827),コメディ・フランセーズにおけるユゴー《エルナニ》初演(1830)の際の騒動(いわゆる〈《エルナニ》の戦い〉)から《城主》の失敗(1840)までの10年間を中心にするロマン派の詩人や作家の劇作は,〈犯罪大通り〉の繁栄とともに19世紀フランス演劇の第一の大きな時期を構成するが,しかしそこにはすでに,文学史と演劇史との〈ずれゆき〉をかいま見せている。たとえば,シェークスピアを神としたこの世代の最も重要な作品であるミュッセの《ロレンザッチョ》は世紀末まで上演されず,商業的成功としては,大デュマの〈時代物〉(〈マントと剣の劇〉と呼ばれる。…

【森田思軒】より

…同紙にジュール・ベルヌの《仏曼二学士の譚》(1887)などを翻訳連載した。ビクトル・ユゴーの《随見録》《探偵ユーベル》を周密な文体で翻訳し,ユゴーの人道主義を基盤にした批評の筆をふるい,国会新聞社を経て万朝報(よろずちようほう)社に入り同紙を刷新した。ユゴー《死刑前の六時間》《懐旧》などで翻訳王の名をほしいままにした。…

【レ・ミゼラブル】より

…フランスの詩人,小説家ユゴーの長編小説。1862年出版。…

【ロマン主義】より

…しかし,その影響力は大きく,例えばバイロンのギリシア解放戦争への参加と死はヨーロッパに衝撃を与え,ギリシア独立支持運動と古代ギリシア文学愛好熱高揚の引金となった。一方,スコットランドの過去の歴史をよみがえらせ,中世騎士道精神と郷土愛を賞揚するスコットの一連の歴史小説Waverley Novelsは,歴史学と小説に中世賛美の機運を興し,過去の時代の精確な生き生きとした描写を目ざす一種のロマン主義的写実主義とも称すべき傾向を生み,ユゴーの《ノートル・ダム・ド・パリ》やメリメの《シャルル9世年代記》,あるいはミシュレの《フランス史》等に影響を与えた。 ドイツでは,1770年ころからフランスの文化支配を脱し,啓蒙主義に対抗して個人の感性と直観を重視する反体制的な文学運動シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)が展開されたが,そのほぼ20年後にシュレーゲル兄弟,ティーク,シュライエルマハーらによって提唱されたロマン主義文学理論は,この運動の主張を継承し,フランス古典主義に対抗するものとしてのロマン主義を明確に定義づけ,古代古典文学の再評価とドイツに固有の国民文学の創造を主張した。…

【ロマン派演劇】より

…イタリアのロマン派劇は,概して国民主義的・政治的傾向が強かった。 マンゾーニの影響で,フランスでスタンダールが《ラシーヌとシェークスピア》を書いたのは1823年だが,V.ユゴーが《クロムウェル序文》でロマン派演劇の綱要を発表した1827年には,ドイツのロマン派はすでに終わろうとするころであった。ユゴーはシェークスピアの理念を借りて,さまざまのジャンルを総合したドラマを提唱した。…

※「ユゴー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android