デジタル大辞泉 「一節」の意味・読み・例文・類語 いっ‐せつ【一節】 1 文章・音楽などのひとくぎり。「詩の一節」2 プロ野球などの日程のひとくぎり。[類語]部分・箇所かしょ・ところ・部位・一部・一部分・局部・局所・細部・断片・一端いったん・一斑いっぱん・件くだり・パート・セクション・点 ひと‐ふし︻一節︼ 1竹・木・草などの一つの節。 2 音楽などのひと区切り。1曲。また、一(いっ)節(せつ)。﹁さわりを一節聞かせる﹂ 3 一つの特有の点。ひとかど。 ﹁―あはれともをかしとも聞きおきつるものは﹂︿枕・四〇﹀ 4 一つのけじめとなった事柄。さきの折。 ﹁君の御身には、かの―の別れより﹂︿源・若菜下﹀ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「一節」の意味・読み・例文・類語 ひと‐ふし【一節】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 竹・草木・関節などの一つの節(ふし)。 (一)[初出の実例]﹁ひとふしに千世をこめたる杖なればつくともつきじ君がよはひは︿大中臣頼基﹀﹂(出典‥拾遺和歌集︵1005‐07頃か︶賀・二七六) (三)② 一つの特徴ある点。興味をひかれる点。また、気にかかる点。一つのこと。 (一)[初出の実例]﹁ひとふしあはれともをかしとも聞きおきつるものは、草・木・とり・むしもおろかにこそおぼえね﹂(出典‥枕草子︵10C終︶四〇) (四)③ 前にあった特別な出来事。先の一件。 (一)[初出の実例]﹁かのひとふしの別れより、︿略﹀心乱り給許﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶若菜下) (五)④ ( 形動 ) ただ一つの事を思いつめること。また、そのさま。ひとすじ。 (一)[初出の実例]﹁ひとふしに怨なはてそ笛竹のこゑの内にも思ふ心あり︿よみ人しらず﹀﹂(出典‥後撰和歌集︵951‐953頃︶雑二・一一八五) (六)⑤ 音楽・舞踊・語りことばなどの一調子。一曲。ひとおれ。また、その一部分。 (一)[初出の実例]﹁竹かはのはしうちいでし一ふしにふかき心のそこはしりきや﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶竹河) (二)﹁旦那様のお言葉を、一節(ヒトフシ)なりと聞いたならば﹂(出典‥良人の自白︵1904‐06︶︿木下尚江﹀後) (七)⑥ 魚の身をたてに四分したものの一つ。鰹(かつお)についていうことが多い。︹日葡辞書︵1603‐04︶︺ (一)[初出の実例]﹁ぷりぷりする鰹が一節(ヒトフシ)九文さ﹂(出典‥滑稽本・浮世風呂︵1809‐13︶四) いっ‐せつ︻一節︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① 一区切りの意。文章、詩歌、音楽などの一区切り。また、四肢などのひとふし。 (一)[初出の実例]﹁一節の歌を以て幾千万の人心を繋ぎ﹂(出典‥帝室論︵1882︶︿福沢諭吉﹀) (二)[その他の文献]︹列子‐楊朱︺ (三)② 禅宗寺院における四つの行事で一年を分けた一区切り。結夏(けつげ)・解夏(げげ)・冬至・年朝の四節の一つ。日本の場合は結夏︵四月一五日︶と冬至︵多く一一月︶を中心に一年を二分することが多い。 (一)[初出の実例]﹁近年諸五山依レ無二入院一再住有レ之。纔一節住耳﹂(出典‥蔭凉軒日録‐延徳三年︵1491︶三月一五日) (四)③ 商品取引や戦前の株式取引で、午前、午後にそれぞれ売買取引が始まるときの、最初の立会い。︹取引所用語字彙︵1917︶︺ (五)④ プロ野球やサッカーなどのリーグ戦で、日程の一区切り。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例