伝道(読み)デンドウ(英語表記)mission

翻訳|mission

デジタル大辞泉 「伝道」の意味・読み・例文・類語

でん‐どう〔‐ダウ〕【伝道】

[名](スル)宗教的真理、または教義を伝達し広めること。特にキリスト教で、その教義を未信仰者に伝えて信仰に入ることをすすめること。ミッション
[類語]布教宣教

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精選版 日本国語大辞典 「伝道」の意味・読み・例文・類語

でん‐どう‥ダウ【伝道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 道理を伝え授けること。〔韓愈‐師説〕
  3. 教義を伝えひろめること。特にキリスト教では、イエス‐キリストの福音を、未知未信の人びとに、述べ伝え、その人びとを信徒とする教会の仕事をいう。布教。宣教。
    1. [初出の実例]「阿耨菩提(あのくぼだい)に、伝道受業の仏祖おほし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)谿声山色)

つたい‐みちつたひ‥【伝道】

  1. 〘 名詞 〙 つたわって行く険しい道。
    1. [初出の実例]「沖津風はげしきに、打寄する波もひまなければ、急ぐ潮干の伝ひ道、かひなき心地して」(出典:東関紀行(1242頃)興津より車返)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「伝道」の意味・わかりやすい解説

伝道
でんどう
mission
evangelism


mittoeuangelízesthai()()

 ()()sam.ghareligious ordersmission boardsSūfi brotherhoods

D

仏教


()13()2682322175西302()5385521193

 ()()()()()19316

D

キリスト教


()4865431256778西

 161549181859618611

 4

D

イスラム教

教祖ムハンマド(マホメット)の死後(632)、軍事力としてのイスラム教はシリア、ペルシア、エジプトなどと戦って次々と勝利を得たが、宗教としてのイスラム教の勝利はそれほど早くなかった。アラビア半島を除き、征服された人々は、とくにユダヤ教やキリスト教信者の場合、改宗するかわりに貢ぎ物を納めれば可とされた。シリア、ペルシアなどにおける軍事的勝利以降、その人口のほとんどが改宗するまでに200~300年かかっている。

 イスラム教における本格的な伝道者は、8世紀に生まれた神秘主義的傾向を強く示すスーフィー派からきた。彼らはおもに都会の職工で、兄弟団をつくり、アフリカ、インド、インドネシア、トルキスタン地方、西南ヨーロッパへとイスラム教を伝え、その活動はとくに12~16世紀に盛んであった。1882年(明治15)ごろから日本にも中国を経て伝来した。

[D・リード]

結び

伝道は本来、国境や文化を越えるものである。しかも伝えられるのは単なる観念的な教えではなく、個人生活や社会生活全体に浸透しようとする道である。そこで二つの局面において伝道は宗教学、社会人類学にとって重要である。一つは、文化交流の局面である。ある宗教が一つの文化から他文化へ移入されるとき、受容と排斥との関係において文化はどう変わるか、受容される宗教はどう変わるかが研究問題になる。もう一つの局面は、伝統的な道を離れていく現象である。科学、技術、合理化に伴う工業社会、脱工業社会において、宗教無用論を主張する人々も多いが、同時に数多くの新宗教の存在と誕生もある。この両面の意味をみつけることは重要な課題である。

[D・リード]

『平川彰著『インド・中国・日本仏教通史』(1977・春秋社)』『藤代泰三著『キリスト教史』(1979・日本YMCA同盟出版部)』『中村廣治郎著『イスラム――思想と歴史』(1977・東京大学出版会)』

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改訂新版 世界大百科事典 「伝道」の意味・わかりやすい解説

伝道 (でんどう)
mission
evangelism


︿28:19

 ︿innere Mission2

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伝道」の意味・わかりやすい解説

伝道
でんどう
mission

宗教の普及のための組織だった努力をいい,宣教ともいうが,おもにキリスト教で使う。普及活動をする人を宣教師 missionaryという。原語のミッションは元来派遣を意味し,教団の本質的使命,神ないし教団創立者から世間につかわされてその教えを広めることを示している。キリスト教では全人類の救済という理念のうえからも,伝道は愛の実践として中心問題であり,そのための組織だった問題研究や実際上の施設も多い。そのほか,伝道する対象に応じて,盲人伝道,医療伝道,刑務所伝道などの種別,その方法によって,文書伝道,教育伝道,文化活動などによる間接的伝道などの種別がある。伝道の主体は教会であり,キリスト教会の歴史は伝道の歴史であると考えられてきたが,1950年代から神の伝道 Missio Deiということがあらためて注目されるようになり,伝道の真の主体は神であって,その神の働きに参加する使命を与えられている神の民の群が教会だと考えられ,聖書に基づく新しい視点が強調されてきている。

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普及版 字通 「伝道」の読み・字形・画数・意味

【伝道】でんどう(だう)

 
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