デジタル大辞泉 「八百屋」の意味・読み・例文・類語 やお‐や〔やほ‐〕【八百屋】 1野菜類を売る店。また、その人。青物屋。青果商。 2 深くはないが学問・技芸・趣味などについていろいろ知っていること。また、その人。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「八百屋」の意味・読み・例文・類語 やお‐ややほ‥【八百屋】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 野菜を売る商家。また、それを業とする人。青物屋。やおものや。やおやみせ。やおやだな。 (一)[初出の実例]﹁八百屋にもうるやつるめせ弦いちご︿如酔﹀﹂(出典‥俳諧・桜川︵1674︶夏一) (三)② 学問・技芸・趣味などの雑駁(ざっぱく)なこと。なんにでも興味を示し手を出すこと。転じて、事業や研究などを手広くやる人。なんでも屋。 (一)[初出の実例]﹁八百屋だから何をやり出すか分りゃしません﹂(出典‥伊豆の踊子︵1926︶︿川端康成﹀四) 八百屋の補助注記 ( ①について ) ﹁人倫訓蒙図彙‐四﹂︵一六九〇︶には﹁一切(いっさいの)精進の調菜、乾物(ひもの)、海草(うみくさ)、木実、草の根、あらゆるもの也﹂とあり、﹁八百屋﹂が多種のものを扱っていたことが知られる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「八百屋」の意味・わかりやすい解説 八百屋 (やおや) 野菜などを販売する商人の店。自家生産の野菜を町に振売︵ふりうり︶することが平安時代にはみられた。江戸時代に入ると都市の発達に伴って,住民の消費にこたえる店売が始まった。そのころは,あらゆる精進の調菜,乾物,海藻,木の実,草根などを扱っていたので八百屋といった。18世紀には野菜類に限定され,葉菜の青物,根菜の土物,果菜の前栽物に区別されていた。 都市の青物市が近郊の農家から集荷して,小売の八百屋はそこから仕入れた。また,担い売は八百屋だけでなく近郊農家によっても行われ,青物売と呼ばれた。担い売は,今日も担ぎ屋の女性として続いている。近代では小売は果物も扱い青果物商となり,さらに第2次大戦後はスーパーや遠距離からの産地直売が広まり,缶詰,瓶詰類も置く食料品店と化しつつある。成立当時の八百屋に戻ったということができる。 執筆者‥遠藤 元男 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「八百屋」の意味・わかりやすい解説 八百屋やおや 野菜類を販売する商人または店。自家生産の野菜類を町で振売りする小商人はすでに10世紀ころからみられた。都市住民の生活向上に伴い、その需要に応ずる店売りは17世紀に始まった。そこではいっさいの精進(しょうじん)の調菜︵副食物︶、乾物、海藻、木の実、草根などを扱っていたので八百屋といった。これが18世紀に入ると、商品は野菜類に限られ、葉菜類︵青物︶、根菜類︵土物(つちもの)︶、果菜類︵前栽(ぜんさい)物︶だけが店頭で商われた。都市の青物市場へは近郊の農家から集荷された。八百屋はそれを仕入れて小売りをした。また、担売りもあり、これは八百屋のほかに近郊農家のものも多く、青物売りとよばれた。19世紀後半になると、小売りの八百屋は果物も扱って青果物商となり、また第二次世界大戦後はスーパーマーケットや産地直売の普及につれて、缶詰、瓶詰類も置く食料品店化しつつあり、成立当初の八百屋に戻っているといえる。なお、野菜を行商する女性は今日でもみられる。 ﹇遠藤元男﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「八百屋」の解説 八百屋(通称)やおや 歌舞伎・浄瑠璃の外題。元の外題七種福寿曾我 など初演享保3.1(江戸・市村座) 出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報