商人(読み)ショウニン

デジタル大辞泉 「商人」の意味・読み・例文・類語

しょう‐にん〔シヤウ‐〕【商人】

商業を営む人。あきんど。「御用商人
商法上、自己の名をもって商行為をなすことを業とする者。
[類語]商売人あきんど豪商御用商人御用達政商画商貿易商小売商

あきんど【人】

《「あきびと」の音変化》商いを仕事とする人。しょうにん。あきゅうど。
[類語]商人しょうにん商売人豪商御用商人御用達政商画商貿易商小売商

あき‐びと【商人】

あきんど」に同じ。
「いはば―の良ききぬ着たらむがごとし」〈古今・仮名序〉
 

 
︿  

あき‐うど【人】

あきゅうど

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精選版 日本国語大辞典 「商人」の意味・読み・例文・類語

しょう‐にんシャウ‥【商人】

 

(一)  
(二) 
(一)[](765)
(二)(1808)
(三)[]
(三) 
 

あき‐びと【商人】

  1. 〘 名詞 〙あきんど(商人)
    1. [初出の実例]「又商客(アキヒト)(ふね)を断へて、悉に以て奪ひ取る」(出典:日本書紀(720)雄略一三年八月(前田本訓))
 

 

(一)   (  ) 
(一)[]()()()(10801110)
(二)()(1910︿)
 

あきゅうどあきうど【商人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あきびと」の変化した語 ) =あきんど(商人)
    1. [初出の実例]「商、アキウト」(出典:法華経音訓(1386))
    2. 「商賈はあきうどのことに六衢のことあるやら」(出典:玉塵抄(1563))
 

 

(一)   
(一)[]()()西(1050)
 

あき‐うど【商人】

  1. 〘 名詞 〙あきゅうど(商人)

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改訂新版 世界大百科事典 「商人」の意味・わかりやすい解説

商人 (しょうにん)


︿使︿︿

1︿2︿41︿︿42123522

 50簿


西退︿姿鹿︿

 西

 使︿

 300400︿貿




 調

 17貿綿

 退

 

 西調

 12貿34

1883817貿貿1904

 貿186815︿1870貿貿18932
 簿




 3使175722貿1貿貿貿

 2使

 ︿西西1920
   


調17︿貿貿1905


5西西811

 西1112沿簿131415

 16︿貿貿貿貿148516merchant adventurers

 16︿17︿貿17︿貿1571-1641貿1664︿貿貿1619-83貿

 18貿貿


西貿tājir貿

 使

 14750-1258khazzānrakkāmujahhizbā`asūqasuwayqa調貿1250-1517貿


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「商人」の意味・わかりやすい解説

商人
しょうにん




(1)41501502

(2)42193813200517549929


歴史


()()西

 ()()()

 綿()

 


民俗

品物を販売する際とられる形態としては、行商、市、常設店舗の3種がある。商人の理想としては店舗を構えることこそ第一である。しかし、そのためには一定地域内で安定した顧客を確保できることが条件であり、とくに前近代社会においてはそれを満たせる所は限られていた。行商や市によらざるをえない商人が大多数を占める時代が、長く続いたのである。とくに行商人は商人のパイオニアといわれる存在であり、一説にはその語源はこれに由来するともいわれている。「商人」はいまは「しょうにん」というが、かつては「あきんど」といわれていた。「あきんど」は「あきうど」が訛(なま)ったものだという。すなわち、収穫を終えた秋、農村にさまざまな物を売りにくる人であるから「あきうど」とよばれるようになったというのである。

 行商人にはさまざまなタイプがみられ、1人で売り歩く小規模なものから、シルク・ロードを往来した隊商のような大規模なものまであった。庶民の生活に密着していたのは、むしろ小規模なものである。その形態も、ほとんど毎日くるものから、決まった季節にのみくるものまで、多様であった。これらは販売法も違っている。たとえば新潟県の岩船地方では、毎日くるイサバとよばれる魚売りは一軒ごとに売り歩くが、盆暮れにくるタベトとよばれる呉服屋は村の決まった家に数日間滞在し、村人がそこまで買いに行った。行商人はいまは少なくなったが、京都の大原女(おはらめ)、富山の薬売りなど、なお行われているものもある。市に出る商人も、回り歩くことは行商人と同じであった。市は、ある地域内で村ごとに日を違えて開かれるのが通例で、商人たちはその開催日にあわせて移動したのである。なお、行商と市の中間形態とされるものに「立ち売り」とよばれるものがある。市に出る商人は、通常仮店舗を構えて終日そこで販売するが、立ち売りは市には出るものの、文字どおり立ったまま販売し、機をみて移動していった。

 常設店舗をもてる商人が増加したのは江戸時代からで、これが多数派になったのはつい近年のことなのである。商人は回り歩くもの、という時代が長く続いたわけだが、この特徴を生かし、彼らは単に品物を販売するだけでなく、外界のようすを知る機会の少ない当時の人々に情報をもたらす役割をも担っていた。経済的側面とともに、さまざまな文化が商人によって各地に伝えられたことには、見逃せないものがある。

[胡桃沢勘司]

『『行商と農村』(『定本柳田国男集16』所収・1962・筑摩書房)』『豊田武・児玉幸多編『流通史Ⅰ』(『体系日本史叢書13』1969・山川出版社)』『大隅健一郎著『法律学全集27 商法総則』新版(1978・有斐閣)』『『中世の商人と交通』(『豊田武著作集 第3巻』1983・吉川弘文館)』『北見俊夫著『市と行商の民俗 交通・交易伝承の研究2』(1985・岩崎美術社)』『樺山紘一他編『岩波講座 世界歴史15 商人と市場』(1999・岩波書店)』『吉田伸之編『商いの場と社会』(2000・吉川弘文館)』『佐々木銀弥著『日本商人の源流』(教育社歴史新書)』

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百科事典マイペディア 「商人」の意味・わかりやすい解説

商人【しょうにん】

法律上,自己の名をもって商行為をなすことを業とする者をいう(商法4条)。さらに商行為を業としなくても一定の企業形態を備えて営利を目的とするものも商人になる(擬制商人。商法4条2項)。会社はその形態を問わず常に商人である。公法人も営利以外の事業のみを目的としない限り商人となれる。→小商人
→関連項目士農工商商業帳簿商業登記商号商事会社商標代理商

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「商人」の意味・わかりやすい解説

商人
しょうにん

本来は自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう(固有の商人。商法4条1項)。そのほかに企業の経営形式,設備または形態に着目して,若干の者を商人とみなしている(擬制商人。4条2項)。従来の商法は,商行為概念を中心として商人概念を定めていたので,農業,林業,漁業,鉱業のような原始産業は企業の実質を備えているにもかかわらず,商人概念に含まれていなかった。そこで 1938年の改正商法は,商行為を業としなくても企業設備や企業形態に着目し,店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者,鉱業を営む者を商人とみなすことにした。2005年の会社法の成立により,会社外国会社を含む)がその事業としてする行為およびその事業のためにする行為は商行為とするとしているので(会社法5),会社は当然に商人である。会社の商人資格は,その成立(設立登記。→設立)によって取得され(会社法49,579),その清算の終了をもって喪失する(476,645条)が,会社以外の商人および自然人の商人資格は,営業を開始したときに取得され,営業を終了したときに喪失する。

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普及版 字通 「商人」の読み・字形・画数・意味

【商人】しよう(しやう)にん

 
()()()

 

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世界大百科事典(旧版)内の商人の言及

【商人】より

…生産者の販売会社(自動車メーカーの販売子会社等)とか消費者の生活協同組合などは,それぞれから独立していないので,これに含まれない。広義には,たとえば商法の規定のように,〈自己の名をもって商行為をなすを業とする者(固有の商人)〉および〈擬制商人〉を商人とする定義がある。
【商法上の商人概念】
 商法は営業の主体を商人とするが,具体的には次の二つの方法によって商人を定める。…

【国際商法】より


[日本における諸問題]
 日本で国際商法の問題として扱われるのは,通常次のような事項に関する準拠法決定問題である。(1)総則的問題 (a)商人 ヨーロッパ大陸法系では商人という概念を認め,非商人と異なる特別の権利義務を定めていることが多い。しかし商人と非商人の区別の準拠法は一律に決定すべきでなく,商業登記,商業帳簿の作成義務などは営業所所在地法によるべきであるが,商事の法定利率によるか,民事の法定利率によるかに関しては,契約準拠法により決定されることとなる。…

【士農工商】より

…江戸時代の社会を構成した主要な身分である武士,百姓,職人,商人を指す言葉。四民ともいう。…

【商業】より


181920

【商行為】より

…その決め方には二つの方法がある。第1は特定の行為を商行為として列挙する方法で,その商行為を行うものが商人とされる。商事法(商行為法)主義とよばれる方法である。…

【商法】より

…商法典は実質的意義における商法の発展の歴史の一つの発現形態である。
[商の発展]
 消費者自身による天産物の採取や狩猟による自給自足の自然経済から,ときおり行われる余剰物の交換を経て,計画的な交換経済に入るや,生産者と消費者との間に立って財貨の流通を媒介する営利活動たる〈商〉が発達し,それを業とする〈商人〉が出現し,このような生活関係を規律する原始的な慣習的市場法である〈商法〉が生ずるに至った。10世紀に入りしだいに平和が回復するや食料等農村の生産物を都市に供給し,都市の完成品を近隣で売却するだけの商業から,より大きな利潤を求めて需要の大きな物資を生産地で安く仕入れそれを遠方の有利な消費地に運んで高く転売することを業とする商人が出現した。…

【町人】より

…日本近世における被支配諸身分の中で,百姓や諸職人とともに最も主要な身分の一つ。その基本的性格としては,(1)さまざまな商業を営む商人資本であること,(2)都市における家持(いえもち)の地縁的共同体である町(ちよう)の住民であり,正規の構成員であること,(3)国家や領主権力に対して,町人身分としての固有の役負担を負うこと,などがあげられる。以下(1)~(3)について説明する。…

【のれん分け(暖簾分け)】より

…商家などで奉公人に別家を許すこと。17世紀以降,商人や職人の家屋の軒先に屋号,商品,商標などをデザイン化した暖簾を出すのが一般的になった。商人や職人が暖簾を重視するようになったのは,家業という特定の営業権や技術をもつ経営が成立していったことによる。…

【兵農分離】より

…これは一職(いつしき)支配と呼ばれ,兵農分離の結果もたらされた近世的な社会体制を意味している。
[商人・職人の形成]
 農業生産から遊離した名主百姓のなかには,武士化せずに商人・職人となる者もあった。彼らは町場に居住する場合には町人身分となり,おりから成立しつつあった新たな分業関係に基づいて遠隔地商業に従事し,軍需品や生活必需品の製作にあたった。…

※「商人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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