デジタル大辞泉 「冗談」の意味・読み・例文・類語 じょう‐だん【冗談】 ﹇名・形動﹈ 1 遊びでいう言葉。ふざけた内容の話。﹁冗談を交わす﹂﹁冗談を真に受ける﹂ 2 たわむれにすること。また、そのさま。いたずら。﹁冗談が過ぎる﹂ ﹁―な女どもだ。みんな着物をかぶってくるは﹂︿滑・膝栗毛・六﹀ [補説]曲名別項。→冗談 [類語]ジョーク・軽口・洒落・駄洒落・諧謔 じょうだん︻冗談︼﹇曲名﹈ ︽原題、︿ドイツ﹀Der Scherz︾ハイドンの弦楽四重奏曲第38番変ホ長調の通称。1781年作曲。ロシア四重奏曲の第2番。全4楽章。通称は最終楽章におけるユーモアに満ちた終端部に由来する。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「冗談」の意味・読み・例文・類語 じょう‐だん【冗談・戯談・串戯】 (一)〘 名詞 〙 (二)① ( 形動 ) 余計なことを言うこと。また、そのさま。むだぐち。むだばなし。 (一)[初出の実例]﹁でうだんな事、かしましういふまい﹂(出典‥虎明本狂言・鞍馬参︵室町末‐近世初︶) (三)② ふざけて言う話。たわむれの話。常談。 (一)[初出の実例]﹁すべてやくたひのなきじゃうだんをこのむ国風なり﹂(出典‥洒落本・魂胆惣勘定︵1754︶中) (四)③ ( ━する )( 形動 ) ふざけること。たわむれること。また、そのさま。いたずら。冗談事。 (一)[初出の実例]﹁そちがつねづねじゃうだんする故じゃ。ちとたしなめ﹂(出典‥狂言記・荷文︵1700︶) (五)④ ( ━する ) むだばなしをして時間をつぶすこと。さぼること。 (一)[初出の実例]﹁道寄りして隙入れ遅ふ戻ると︿略﹀どこに串戯(ジャウダン)してをったと、睨め付らるる﹂(出典‥浮世草子・世間手代気質︵1730︶三) 冗談の語誌 (1)狂言など中世・近世の仮名書きの例については、どのような漢字を当てるのが適切か必ずしも明らかでない。①は雑談の意味の﹁常談﹂に近いが、②③は﹁しょうだん︵笑談︶﹂に意味が近く、これが俗語で﹁ジョウダン﹂と濁音化したものか。 (2)これら語形・意味の類似している語が影響を与えあう中で、明治時代には﹁戯談﹂﹁戯言﹂﹁串戯﹂等が当てられており、異表記は計十数種類に及んだ。 (3)﹁冗談﹂に定着したのは大正時代以後のことと見られる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「冗談」の意味・わかりやすい解説 冗談じょうだんŽert チェコの作家クンデラの長編小説。1967年刊。学生時代、女友達への葉書に書いた冗談︵楽天主義は人類のアヘンだ! 健全な精神なんてあほくさい。トロツキー万歳!︶がもとで党を追放され﹁黒い懲罰隊﹂で苦労したヤーンは、十数年後、彼の追放劇に主役を演じた旧友に対し、その妻である放送記者を誘惑して復讐(ふくしゅう)を遂げようとする。自分の生まれ故郷での祭りに乗じてその意図は成功したかに思われたが、旧友夫妻の仲はすでに終わっていたことを知り、やりきれぬむなしさのみが残る。非人間的な体制への無力な人間の抵抗が、黒いユーモアに満ちた文体で語られており、いくつもの外国語に翻訳されて評判をよんだ。 ﹇飯島 周﹈ ﹃関根日出男・中村猛訳﹃冗談﹄︵2002・みすず書房︶﹄ [参照項目] | クンデラ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
デジタル大辞泉プラス 「冗談」の解説 冗談 オーストリアの作曲家ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲第38番(1781)。原題《Der Scherz》。ロシア四重奏曲の第2番。名称は最終楽章の終端部がユーモアに満ちたものであることに由来する。 出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
世界大百科事典(旧版)内の冗談の言及 【冗談関係】より …実際の親密度とはかかわりなく,互いに相手をからかい中傷することや通常なら無礼と非難される行為が許され,時にそうすることが期待されるような関係を社会制度としてもつ場合,その関係を冗談関係という。許される行為は,軽い冗談から,相手の物を盗んだり相手を呪ったり,さらに猥褻︵わいせつ︶なあるいは侮辱的な行動をとり言葉を浴びせるなど,場合によりさまざまだが,こうした行為がかえって相手に幸福をもたらすとされたりする。… ※「冗談」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」