合理的期待形成仮説(読み)ごうりてききたいけいせいかせつ(英語表記)rational expectations hypothesis

改訂新版 世界大百科事典 「合理的期待形成仮説」の意味・わかりやすい解説

合理的期待形成仮説 (ごうりてききたいけいせいかせつ)
rational expectations hypothesis


1970使1961John MuthRational Expectations and the Theory of Price Movements72Robert E.LucasJr.Expectations and the Neutrality of Money

 1960

 2196070沿


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合理的期待形成仮説」の意味・わかりやすい解説

合理的期待形成仮説
ごうりてききたいけいせいかせつ
rational expectation hypothesis

 
R. T.使  

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百科事典マイペディア 「合理的期待形成仮説」の意味・わかりやすい解説

合理的期待形成仮説【ごうりてききたいけいせいかせつ】

人びとが利用可能なあらゆる情報を用いて合理的に予想するとき,期待値に関しては正しい予想ができるという前提に立つ学説。合理的期待仮説ともいう。サージェントT.J.SargentやルーカスR.Lucasに代表され,1970年代に入ってから米国で大きな影響力をもち,ケインジアンの財政金融政策の有効性に対して,短期的に人びとは政府の政策の帰結を的確に予想し行動するから,政府の期待通りの効果は保証されない,と批判した。マネタリストが長期的にはケインジアンの政策は成功しないとしたのに対し,短期的にも成立しないとする。しかし,例えばケインジアンの財政金融政策を合理的に予想するとき,人びとは市場の諸条件について正確な知識をもっているというような仮定が置かれており,その前提があまりにも現実から遊離しているとする批判がある。

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知恵蔵 「合理的期待形成仮説」の解説

合理的期待形成仮説

1970年代末、米国の経済学者ルーカス、サージェントなどによって主張されたもので、政府が裁量的経済政策を行ったとしても、企業も個人も、その結果を正しく予想し行動するところから、その政策は無に帰すとした仮説。マネタリズムが、ケインズ的金融、財政政策は長期的には成功しないとしたのに対し、合理的期待形成仮説は短期的にも成立しないとした。この理論は期待の役割を導入し、数学式を多用し、計量モデルを批判したが、その基礎前提があまりにも現実から離れ、経済学の虚構性をいっそう拡大した。

(荒川章義 九州大学助教授 / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内の合理的期待形成仮説の言及

【インフレーション】より


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【スタグフレーション】より


退() 

※「合理的期待形成仮説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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