近代経済学(読み)キンダイケイザイガク

デジタル大辞泉 「近代経済学」の意味・読み・例文・類語

きんだい‐けいざいがく【近代経済学】

 
1870  

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精選版 日本国語大辞典 「近代経済学」の意味・読み・例文・類語

きんだい‐けいざいがく【近代経済学】

  1. 〘 名詞 〙 一八七〇年代以後の(非マルクス主義的な)経済学の総称。ミクロ経済学マクロ経済学より成り、また理論的基礎と計量的基礎に立った政策提言への志向を持つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「近代経済学」の意味・わかりやすい解説

近代経済学
きんだいけいざいがく


modern economics1950()193119951870

 

 19272

 使ORMarxian Economics and Modern Economic TheoryReview of Economic Studies, June 1935()19021986Marx's Analysis of Capitalism and the General Equilibrium Theory of the Lausanne SchoolThe Kyoto University Economic Review, July 1933

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 1950186070

 WS1871C187118743退調()Alfred William Coats192420073William Jaffé18981980AK1930JM1936JR1939

 1970()APiero Sraffa18981983JV



1974RDAWCDW1975197619781979

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百科事典マイペディア 「近代経済学」の意味・わかりやすい解説

近代経済学【きんだいけいざいがく】

 
1870
 

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改訂新版 世界大百科事典 「近代経済学」の意味・わかりやすい解説

近代経済学 (きんだいけいざいがく)

日本ではマルクス経済学との対比において,限界革命(1870年代)以降の非マルクス経済学のほぼ全体を指すために用いられる言葉。マル経に対し近経と略称することも多い。マルクス経済学の影響が日本に比べて軽微な欧米の学界では,近代経済学に対応する英語のmodern economicsという表現は,とくに確定した意味をもっているわけではない。広くケネーないしアダム・スミス以降の経済学全体を指すこともあれば,狭く,現代において研究・教授されている経済学という意味で使われることもある。日本で使われる近代経済学という用語には,ドイツ歴史学派や制度学派の経済学は含まれず,どちらかといえば欧米の自由主義的風土の中で展開された経済学一般を指すときに用いられることが多い。元来は均衡理論を中核としたもので,その根幹の形成に最も多く貢献したのはL.ワルラスとA.マーシャルである。1930年代に至ってケインズらにより貯蓄・投資・所得を中心とした不均衡動学的理論も展開されるが,その後の理論面の精緻(せいち)化と統計的処理方法の進歩にはめざましいものがある。ただ,70年代に入って近代経済学のみならず経済学全体において,視野の拡大と方法上の変革を求める声が強くなっていることも無視できない。いずれにしろ,近代経済学という用語自体が日本に特有なものであって,日本と同じ意味で他国でも無条件に通用する言葉ではないことは注意を要する。
経済学
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「近代経済学」の意味・わかりやすい解説

近代経済学
きんだいけいざいがく
modern economics

 
1870C.W.L.1 ( ) 2 () 2 1930 J. ()  ( ) P.J. ()   

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「近代経済学」の解説

近代経済学(きんだいけいざいがく)
modern economics

「新古典派経済学」とも呼ばれる。1870年代のいわゆる「限界革命」をへて体系化され,今日の経済学界の主流をなす経済学説をいう。財の価値を測定する基準は「効用」(主観的な満足)である,所有する財の量がふえると効用のふえ方は緩やかになる(限界効用逓減),生産する財の量がふえると費用のふえ方は激しくなる(限界費用逓増),といった仮定に立ち,取引当事者の双方の効用を最大化する価格・取引量,利益を最大にする生産量などを探求する。

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旺文社世界史事典 三訂版 「近代経済学」の解説

近代経済学
きんだいけいざいがく

1870年代に成立した限界効用学説以降に発展してきた経済学説の総称。古典派経済学・歴史学派経済学,特にマルクス経済学に対比して用いられる
限界効用学派(メンガー)・ケンブリッジ学派(マーシャル)・ローザンヌ学派(ワルラス)などがあるが,マーシャルの学説を受けついだケインズ経済学が中心をなす。古典派経済学・マルクス経済学との違いは,政治と経済学・社会学との結合を排して,経済現象のみを理論的・数理的に分析することにある。

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世界大百科事典(旧版)内の近代経済学の言及

【経済学説史】より


 使

【経済人】より

… しかし,効用理論から選択理論への推移は,一方では形式的厳密性という科学の要請を満たしはするが,他方では欲望形成が社会的,文化的および政治的な諸要因にも依存するものであるという点への配慮を欠いている。そのため,近代経済学の方法的特徴である個人主義的もしくは要素論的な性格が強められ,その結果として,そのような方法を採用していない社会諸科学と近代経済学との交流が困難になっている。加えて,たとえば経済政策について議論する場合のように,諸個人の選択結果についてなんらかの価値判断を下そうとすると,選択の合理性をめぐる形式的分析にとどまっていることができず,選択の意味内容についても議論しなければならなくなる。…

【経済哲学】より

…科学としての経済学を自認する近代経済学が哲学とふれあう第1の局面は,仮説の演繹および仮説の検証をめぐる科学方法論に関してである。簡略にいえば,経済学の性格を自然科学のそれと類似のものにするための条件を探るのが経済哲学の主要な仕事になっている。…

※「近代経済学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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